市井豊のレビュー一覧
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この著者らしく楽しいキャラクタの楽しい会話。いつも怒ってるような表情の真面目秘書の透子さんが魅力の中心。かつて全国でブイブイ言わせてた探偵の九条清春は地元のゆる〜い謎だけを扱いたいという。
■簡単なメモ
【予告状ブラック・オア・ホワイト】ご当地アイドル「ブラック・オア・ホワイト」に脅迫状。犯人を見つけるか護衛するかしてくれとの依頼を、真面目秘書の透子はやる気ない探偵の九条清春に引き受けさせる。
【桐江さんちの宝物】桐江さんが遺した箱を開けずに中の「宝物」が何か知りたいと志乃さんは言う。
【嘘つきの町】五輪で思うような成績を残せなかった地元の柔道選手について何か不自然な嘘を突かれているとライ -
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20150315
電子書籍にて。
思ってたよりも好きな文章だった。
『聴き屋』と聞いて、事件の関係者からいつの間にか話を聞き出して、という展開かと思ったら、聴き屋としてすでに聞いている事から判断したりすることがメイン?かな? 安楽椅子探偵系。
いろんな人が話しに来る、というのは、コーンウォールミステリのローズ・トレヴェリアンっぽいのかなと思ったけど、そこまでの描写はなかった。長編だったらそういうのもあるかな。
殺人が起こったり日常系のトラブルだったりと、一貫してないとあとがきで言っていたけど、私は案外それが良かったようにも思った。いや、今回はどっちかなぁと思えたので。どちらかといえば、作品 -
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★まあ、ザ・フールだし(p.146)
▶四つの短編。▶殺人事件があるとは思っていなかったですが楽しいです。主にキャラクタの楽しさでしょう。キャラたちによる落語のような会話。▶スカイエマさんのイラスト。
■簡単なメモ
【一行目】心理学の教授いわく、学部によって学生の服装傾向が分かれるのだという。
【第一話 聴き屋の芸術学部祭】芸術学部祭最終日、スプリンクラーが作動し調べると焼死体が発見された。
【第二話 からくりツィスカの余命】月子先輩の学生劇団でやる演目の原作は最終部分がないのででっち上げてくれとの依頼。米澤穂信さんの『愚者のエンドロール』みたい。
【第三話 濡れ衣トワイライト】黒猫登場。 -
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ネタバレ川崎市というと修羅の国などと揶揄されたりしますが、実際はそんなことのない普通の町だと思います(場所によるのかな?)。この小説は、そんな普通の町で起こった些細な事件を解決する“ご当地探偵”という、一風変わった設定。
作品内で発生する事件は日常+α くらいの規模で、それらは実際に川崎市にあるらしいスポットで発生するので、川崎になじみのある私的には知っている場所が出ると「おぉ、あそこか」とそれだけで少しテンションが上ります。
それに加え、九条と透子のやりとりがボケとツッコミの漫才っぽくて、これも面白い。九条が仕事を選びすぎてゴネるのを、透子がなんとか受注しようと奮闘するやりとりが良くて、事件解決 -
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川崎市限定の『ご当地探偵』こと九条。ものぐさな彼を心配して祖父が送り込んだのは、真面目さだけが取り柄の透子。
アンバランスな二人が様々な依頼に取り組んでいく。
これまで様々な難事件を解決してきたらしいが、なにか思うところあって『ご当地探偵』に趣向を変えたという九条。
部屋は散らかり放題、できるだけ働きたくないという、透子から見ればダメ人間。
一方の透子は仕事なら辛いこともきついことも我慢してやらねばという真面目さと責任感が強すぎる猛烈社員タイプ。
二人の噛み合わなさそうで噛み合っている会話がなかなか面白い。
作家さんのあとがきにもあるが、基本的にイヤな結末は無い。
川崎市は作家さんにとって -
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ネタバレ色々あってご近所専門となった風変わりな探偵と、成り行きで彼の助手を務めることになった仕事はできるマジメな秘書が直面する、ご近所の謎の数々を描いた物語。
「聴き屋」シリーズを楽しんで読んでいたので、久しぶりの著作というのがまず嬉しかったです。前作までと同様に、会話と文章のテンポよく、複雑すぎない謎解きも楽しめたお話でした。
何故ご近所限定になったのかの理由は明かされませんでしたので次作以降があればいいなと。後味の良い話が多いなと思っていたら、「そういう謎を選んでいた」というのも、なんとも含みがあるので、ぜひ続編をお願いしたいです。