作品一覧

  • 犯意
    3.6
    1巻902円 (税込)
    些細な出来心だった。偶然と勢いが重なって、罪は増殖していく、雪玉が転がるように──。最初はとてもいい人だった。気を許し、好きになった頃から、おもむろにヤツは本性を現しはじめた──。普通の人が犯罪に手を染めてしまう瞬間。哀しくて、やりきれなくて、そして甘美でエキサイティング。弁護士の解説を各編に付す新しい形式の犯罪小説集。12の傑作ノワールが心を震わせる。
  • エロスと「わいせつ」のあいだ 表現と規制の戦後攻防史
    3.7
    日本初の本格的な展覧会開催など「春画」がブーム。しかし春画掲載の週刊誌は警視庁から厳重な「指導」を受けた。エロスとワイセツの線引きはどこなのか? 「チャタレイ」から「ろくでなし子」まで、数多くの具体例で「いやらしさ」の本質に迫る。

ユーザーレビュー

  • 犯意

    Posted by ブクログ

    小説+法解説というちょっと新しいスタイルの一冊。
    作者によると、裁判員制度の開始により当事者でなくても犯罪と関わることになるかもしれないから、ある程度の知識と心の準備をしておくことが必要だと。
    移動中の暇つぶしとして持って行きましたが、おもしろくて往復の移動中に読み終わりました。
    法解説のために書かれたような話もあったけれど、さすが乃南アサでぐいぐい引き込み読ませてくれました。
    「あいつの正体」「その日にかぎって」あたりがよかった。
    法解説もわかりやすく、興味深く読めた。心理状況も裁くポイントになるということで、小説というスタイルがとてもマッチしていたと思う。もっと続編希望。

    0
    2012年07月22日
  • 犯意

    Posted by ブクログ

    久々です、乃南さん。もうタイトルから惹かれて即レジへ。いやあ、読んで良かった。面白かったです。小説と法解説が同時に読めるって、なかなかないし。これ、第二弾・第三弾…って出してくれないかなあ。こういうタイプは新しくてすごく面白い。そして勉強になりました。法解説は、一回読んだだけじゃ全然理解できないから、何回か読み返しました。それでも、え?どういうこと?って思う部分が沢山あって。分からない、何で?って思うたびに、法律って面白いなあと思った。知らないことばかりだった。法律って深くて難しくて面倒くさくて面白い、と改めて思った小説でした。

    0
    2011年05月08日
  • 犯意

    Posted by ブクログ

    12の短編からなる。それぞれの短編の後に、弁護士が事件について解説するという特異な構成。フィクションのはずの小説が、弁護士の解説によってリアルな事件へと迫ってくる。それゆえか、読後感は重い気持ちに苛まれる。子供の虐待の話は、特にストーリー自体、読むのを中断したくなるが、これも今や現代社会の深刻な問題ということか。

    0
    2017年07月03日
  • エロスと「わいせつ」のあいだ 表現と規制の戦後攻防史

    Posted by ブクログ

    警察・検察・裁判官が一体となって気に入らない性表現を猥褻認定する構図。
    いったい彼らの頭の中はどういう仕組みになっているのだろうか。
    謎の常識や意味不明な風紀を振りかざして表現に烙印を押す動きに恐怖を感じた。
    一方で、過去に猥褻認定されたものが現在ではふつうに流通しており、社会の流れには勝てないというのは安心材料だ。
    そして、このように流動性の高い概念を刑法で扱うことは厳に慎むべきだと感じた。
    いまこそ刑法の脱道徳化を推進すべきだと思う。

    猥褻概念は明治維新、脱亜入欧の流れで生まれた。
    それまでは猥褻という概念はなかった。
    伝統で言えばむしろ江戸時代は裸はとくに恥ずかしいものではなかったのだ

    0
    2017年02月16日
  • エロスと「わいせつ」のあいだ 表現と規制の戦後攻防史

    Posted by ブクログ

    題名のわりには真面目な本だった。
    妻には「何を読んでるねん!?」とエロ本でも読んでいるかのような目で見られたが。

    0
    2016年07月12日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!