あらすじ
日本初の本格的な展覧会開催など「春画」がブーム。しかし春画掲載の週刊誌は警視庁から厳重な「指導」を受けた。エロスとワイセツの線引きはどこなのか? 「チャタレイ」から「ろくでなし子」まで、数多くの具体例で「いやらしさ」の本質に迫る。
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Posted by ブクログ
警察・検察・裁判官が一体となって気に入らない性表現を猥褻認定する構図。
いったい彼らの頭の中はどういう仕組みになっているのだろうか。
謎の常識や意味不明な風紀を振りかざして表現に烙印を押す動きに恐怖を感じた。
一方で、過去に猥褻認定されたものが現在ではふつうに流通しており、社会の流れには勝てないというのは安心材料だ。
そして、このように流動性の高い概念を刑法で扱うことは厳に慎むべきだと感じた。
いまこそ刑法の脱道徳化を推進すべきだと思う。
猥褻概念は明治維新、脱亜入欧の流れで生まれた。
それまでは猥褻という概念はなかった。
伝統で言えばむしろ江戸時代は裸はとくに恥ずかしいものではなかったのだ。
気になるのは、性表現が探せばいくらでもあっただろうに、立件したのは一部であることだ。
てっきり性表現を殲滅することが目的だと思っていたが、違うのだろうか?
この手の規制をかけたがる人の頭の中を覗いてみたい。