遠山明子の作品一覧
「遠山明子」の「アルプスの少女ハイジ」「EXCELLENT」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「遠山明子」の「アルプスの少女ハイジ」「EXCELLENT」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
ビジネス・実用
小説・文芸
小説・文芸
Posted by ブクログ
ホフマンが同じドイツロマン派のコンテッサ、フケーを誘い、「子どものメルヘン」として創作した短篇を作家ごとに二編ずつ収録したアンソロジー。子どもの頃クリスマスに、人形劇版をテレビで見て以来大好きな「クルミ割り人形」。去年はそのシーズンに再読しようと思っていたところにこのアンソロジーに出会い、翻訳違いでまた新しいクルミ割りに出会えて嬉しかった。
もうひとつ収録された、ホフマン作「見知らぬ子」もああ、ホフマンの世界だと感じられるクラシカルさと、少し怖くてドキドキしながらも先が気になるミステリーめいた展開の面白さがあり、大好きなお話がまたひとつ増えた。面白いポイントのひとつは長い章タイトル。
<子どもたちが森で出会った子どもについてブラーケル夫妻が言ったことと、その後その子に何が起きたか>長い。クマのプーさん以来に長い!目次に細かな章タイトルが掲載されていないので良かったけれど、章タイトルが目次にあったとしたらなかなかのネタバレを読んでしまうところもなんだか鷹揚な気もして嫌いじゃないというか、無邪気な呑気さに好ましさすら感じてしまう。でもクマのプーさんのネタバレ章タイトルはもっとくっきりとしたネタバレで爽快さすらあるので、気になる方は是非。
話は戻って「見知らぬ子」。ある兄妹と見知らぬ子が仲良くなった後に訪れる、命すら危険と思われるピンチを迎える場面で見知らぬ子は、「かわいそうな子どもたち__もうここには来られない。さようなら!どうか元気でいてね!」と去って行ってしまう。ええ!メロスでもウダウダ葛藤しながらがんばったのに諦めが早すぎるよ!がんばれよ!と心の声が木霊する中、結びの章で「ああ、そんなに嘆かないで、大事な友だち!いっしょに楽しく遊んだことを忘れたとでも思うの?もう気にかけてないとでも?」としれっと兄妹に呼びかける見知らぬ子。もうこちらは棒読みで台詞を読んでしまいましたよと思い乍ら、童話に突っ込みは無粋。(さんざん言った?)
でも安心してください、このあと1ページというところで幸せの超展開が待っています。そう、童話ですもの、幸せに暮らしました。ドントハレ!いや、お気に入りのお話です、本当に。突っ込みどころ満載なのも含めてお薦めです。伝わらないですか?…笑。
気を取り直して、大好きな「ウンディーネ」の作者フケーの「覗き箱」。もう最高!「ハーメルンの笛吹き」を上手く取り入れた作品で、「笛」に変わって物語へと誘導していくのは、アリストテレスが原理を考察していたとされる、小さな穴などを通して外部の光を取り込み、暗い壁などに反転した映像を映す「覗き箱(カメラ・オブスクラ)」。そしてその箱を操るのは、赤い靴のおじさん。赤い靴のおじさんと坊やの会話は「狼と七匹の子山羊」を彷彿させ、読み手を警戒させながらぐいぐいと物語に惹き込んでいく、流石のフケー。
ああもっとフケーの物語が読みたい!再読から初読まで、童話から感じる原点の面白さが詰まったアンソロジー、おすすめです!本当に。
Posted by ブクログ
私の中の『ハイジ』のイメージは長いブランコ、ヨーロヨーロヨーロレイヒ♪というアニメ主題歌、家庭教師のト○イくらいしかなくて、よく考えたら全然知らないな、ということで本書を手にとってみました。
読書中常に眼前に拡がっていたのはアルムの山の素晴らしい景色。スイスには行った事なんて無いですが、日に照り映える山々、美しく輝く草花や雪原、周りを歩き回るかわいい山羊の群れ。とにもかくにも風景描写が素晴らしくて素晴らしくて、読み終えてからアルムの景色を画像検索してみたらイメージ通り、いや、ひょっとしたら本書で描かれる風景の方が勝っているかもしれない、それくらいに素敵な描写が沢山なので心身が洗われるような読書体験でした。デトックス読書。
一方で、ハイジがフランクフルトの〈ゼーゼマン〉邸に逗留しているタームではアルムの自然を見ること・感じることが叶わないハイジの辛さが痛いほどに伝わってきて、まさかゼーゼマンがこんなにも重要な役割を果たすなんて微塵も思っていなかった私は彼に最大限の賛辞を送りたいと思います。ブラボー!(ちなみにですが、読む前までクララの父親がゼーゼマンという事すら知りませんでした…)
同じく、そのきっかけを作ってくれたハイジの父代わりにして後に友人となるお医者さん〈クラッセン先生〉も間違いなくMVPでしょう。ハイジとの語らいのシーンは間違いなく名場面。「山はいいもんだな。体も魂も癒されて、また元気に生きていこうという気持ちになれる」(p416)は本作を貫徹する象徴的な台詞。
また、意外だったのは山羊番〈ペーター〉の描写。気のいい純朴な少年でハイジの相棒というイメージだったが、作中では家が貧しく偏狭で思慮が浅い、排他的な気質の癖がある人物として描かれている。これが物語に深さを与えており、彼の改心と成長というのも見所のひとつだと思う。キリスト教的な救済の意味合いもあるのだろう。
祈り、救われる。
都合よく王子様が現れたりする類の物語ではない、敬虔さと清廉さを備えた紛れもない名作ではないかと思いました。
1刷
2024.10.11
Posted by ブクログ
サンジョルディの日に向けて、中学生の娘に贈る本を探していてたどり着いた。
タイムトラベルを題材としたファンタジーだが、恋愛小説としての要素の方も強いかも。ロンドンが舞台だがドイツの作品で、本国ではミリオンセラーだそうだ。
登場人物も多く、タイムトラベルにまつわる設定が複雑なので、何度か読み返すこともあったものの、基本的には女子高生らしい軽快な一人称の文章に乗ってテンポよくストーリーが進んでいくので、どんどん読み進めてしまった。
脳内で映像化されるような描写も多く、普段本を読まない子でも、いつのまにか世界に入リこめてしまうのではないだろうか(実際に映画化もされているようなので、いずれ観てみたい)。
なお、本書は3作(3作目は上下巻)あるシリーズの1作目だが、すべて読まなければ物語は完結しない。
Posted by ブクログ
【アニメにはない宗教的なメッセージ】
多くの方に親しまれているアニメ版のハイジは素晴らしい作品です。しかしながら、原作から削られてしまった部分にも、素晴らしい要素が盛り込まれています。それが宗教的な教えの部分です。
原作では、アニメ版以上にクララのおばあさんが重要な役割を果たしています。アルムへ帰りたいハイジに対し、クララのおばあさんが「神さまに何もかもお話しすること」を教えます。
それ以後、神さまに家へ帰れるようにお祈りするハイジですが、祈りはかなわず、お祈りすることをやめてしまいます。そんなハイジに、おばあさんは再び語りかけます。
神さまは、わたしたちが願ったことでも、ためにならないことであれば叶えてくださらない。どんなときでも祈り続ければ、やがてわたしたちにとって一番良いようにしてくださる。
このおばあさんのメッセージを受けたハイジは、再び祈るようになります。そして、ハイジの思想に大きな影響を与えることになります。
後にクララがアルプスを訪れ、歩けるようになった際、自分が長い間アルプスへ帰れなかったからこそ、クララがアルプスを訪れ、歩けるようになったことのだと考えます。つまり、ハイジの「家へ帰りたい」という願いを神さまがすぐに叶えてくださらなかったからこそ、一番良いようになったと悟ったのです。
ハイジやクララだけでなく、ペーターや、おじいさん、お医者さんたちもこの思想によって救われていきます。
この削られてしまった部分こそ、原作の最大のメッセージのように思います。