作品一覧

  • 情無連盟の殺人
    3.8
    1巻1,999円 (税込)
    徐々に感情が失われていく病「アエルズ」に罹患した、元麻酔科医・伝城英二。空腹は感じるがそれを不快には感じない。うまくもまずくもないので、食べ物にも興味がなくなった。ファッションや人間関係についても同様だ。毎日同じ料理を食べ、人付き合いも最低限にして暮らしていた英二はある日、アエルズ患者八名が共同生活を送る〈情無連盟〉から加入の誘いを受ける。だが英二が泊まりがけで見学に訪れていたさなか、連盟員の一人が殺害されてしまう。不可能状況下、しかもあらゆる欲求を失い、怒りも悲しみも感じない「情無」たちが集う屋敷で、なぜ殺人事件は起こったのか? 現役医師であり、ミステリーズ!新人賞受賞作家である著者が相棒・眞庵と共作した、本格犯人当て長編。
  • 臨床探偵と消えた脳病変
    3.9
    1巻719円 (税込)
    医科大学の脳外科臨床講義初日、初老の講師は意外な課題を学生たちに投げかけた。ある患者の脳にあった病変が消えてしまった、その理由を考えてみろ、正解者には今期の試験においてプラス50点を進呈する、というのだ。学生たちは推論を重ねていくが、一向に正解に辿り着けない。しかし、西丸豊という学生ただ一人が真相を導き出す――。選考委員が絶賛した第11回ミステリーズ!新人賞受賞作「消えた脳病変」他、臨床医師として活躍する後の西丸の姿を描いた連作ミステリ集。現役医師がソリッドな謎解きで贈る、“臨床探偵”西丸豊の推理。/【収録作】「血の行方」/「幻覚パズル」/「消えた脳病変」/「開眼」/「片翼の折鶴」/解説=米澤穂信
  • 監獄舎の殺人 ミステリーズ!新人賞受賞作品集
    3.2
    1巻660円 (税込)
    「ミステリーズ!新人賞」から、数多くの才能が登場してきた。さる旧家の美人姉妹の鞘当てから起きた悲劇を、圧倒的な筆力で描く美輪和音。胎児に憑依した“幽霊探偵”の謎解きを、緻密な構成で魅せる近田鳶迩。深夜の公園で起きた奇妙な事件を軽妙に描く、ユーモアミステリの新星・櫻田智也。脳外科の臨床講義を舞台にしたミステリを発表、医療ミステリの新たな書き手と期待される浅ノ宮遼。明治時代の監獄舎で囚人が殺害される謎を描く、時代ミステリの旗手・伊吹亜門。新鋭たちの輝かしい出発点となった受賞作五編を収録した作品集を贈る。/解説=福井健太*本電子書籍には、配信中の作品に収録されている次の短編が含まれます。『強欲な羊』(創元推理文庫版 2015年7月初版発行)収録の表題作。また、以下の収録作は、各短編ごとに単体の電子書籍で配信中です。「かんがえるひとになりかけ」「サーチライトと誘蛾灯」「消えた脳病変」「監獄舎の殺人」
  • 消えた脳病変
    4.5
    1巻110円 (税込)
    「患者の病変が消えた。その謎に取り組んでほしい――」医学部での新学期、新任講師から出題された難題。正解者は試験の得点に五十点上乗せに。学生たちは色めきだつが……。医療ミステリの新鋭堂々登場。第11回ミステリーズ!新人賞受賞作。

ユーザーレビュー

  • 情無連盟の殺人

    Posted by ブクログ

    感情が失われていく病の後天性情動喪失症候群、通称アエルズ。アエルズに侵され徐々に感情を失いつつある伝城英二は、アエルズ患者のみで共同生活を行う情無連盟に誘われる。感情の無いアエルズなのになぜか事件が発生する。
    理屈のみで動くという設定が面白い。「人間の感情は役割を終えた」という話にも共感を覚える。人類全てがそうなれば戦争などは起こらない。何のための生かという目的は失われるが、其れこそ人類AI化計画といったところだろう。SFとしての題材としても面白そうではある。
    あとがきにあるが、アエルズはフィクションらしい。本当にあるのかと思いネット検索したが出てこなかった。まぁ症状から考えると鬱病と診断され

    0
    2022年09月22日
  • 情無連盟の殺人

    Posted by ブクログ

    元麻酔科医の伝城英二32歳は時間と共に感情が失われていく病<情無>「アエルズ」に罹ります。

    英二はアエルズ患者8名が共同生活を送る<情無連盟>
    の国木田紘子61歳から加入の勧誘を受け、千葉県のD町に見学に行くと、そこで情無の一人、乾が殺されるという第一の事件が起こります。

    何も欲求を持たず、怒りも悲しみも感じない<情無>。
    英二は国木田から事件の推理を頼まれます。

    英二は8人の中に情無とは症状の違うサイコパスが隠れていることに気が付きます。
    そんな中、第二、第三の殺人が起こります。
    <理佐殺し>、<D町四住人殺害事件>です。
    残された情無は二人。

    後半は英二の推理がさえわたり、情無とサ

    0
    2022年09月19日
  • 情無連盟の殺人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    設定的に目新しく、感情がなくなった人間が犯罪を起こす動機などを考えるのは面白かった。真の意味での論理的な思考を持った情無達。その思考に寄り添うのがなかなか難しく、種明かしをされても、登場人物がそういう風に考え、行動するかどうか、本当のところは分からないんじゃないかなあなんて思いもした。

    0
    2022年09月15日
  • 臨床探偵と消えた脳病変

    Posted by ブクログ

    面白い!事件になりそうなならなそうな、事例研究になりそうなならなそうな(なるな)、そんな謎めいた患者さんたちの状態を広い視野で診る西丸先生が良い。周辺の先生方も良い。なんだか教訓も得ちゃう。短編集ですがどの物語も良かった。是非シリーズ化して欲しい。

    0
    2022年08月30日
  • 情無連盟の殺人

    Posted by ブクログ

    新種の奇病「アエルズ」により感情を失った人々が過ごす情無連盟。全ての判断が合理的であることと、自身の生存本能に基づいている彼らの家で何故殺人が起きたのか。
    とにかく論理的に推論を重ねていく物語で、派手さはないが刺さる人には刺さると思う。
    ラストへの展開と主人公の結論が面白く、好きな作品です。

    0
    2025年01月01日

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