作品一覧

  • グノーシスの神話

    グノーシスの神話

    ビジネス・実用

    3.8
    1巻1,650円 (税込)
    1世紀の地中海世界に誕生し、「古代キリスト教最大の異端思想」ともいわれる「グノーシス主義」が生み出した神話の主要な断章を紹介する。1945年にエジプトで発見されて宗教界にセンセーションを起こしたグノーシス主義の基本文献「ナグ・ハマディ文書」のエッセンスとともに、その影響の強いマンダ教、マニ教の教典の主要部分を抜粋し編成。1999年および2011年に岩波書店より刊行された同名書籍の文庫化。(講談社学術文庫)
  • 終末論の系譜 ――初期ユダヤ教からグノーシスまで

    終末論の系譜 ――初期ユダヤ教からグノーシスまで

    ビジネス・実用

    -
    1巻4,510円 (税込)
    この世の終わりには何が起こるのか――誰もが一度は夢想し、不安を覚えたことがあるに違いない。聖書の世界では、紀元前2世紀のユダヤ教のなかでこの不安が深まり、そして独特な終末論が生み出された。終末思想はいかにしてイエスに継承されていったのか。聖書正典のみならず外典・偽典その他の史料を渉猟し、さらにはベンヤミン、ガダマー、アガンベンなど現代思想家との対話も試みる。これまでの著者の思索を集大成した渾身の書き下ろし。
  • 聖書の読み方

    聖書の読み方

    ビジネス・実用

    3.8
    1巻990円 (税込)
    「聖書は信仰をもつ人が読むものだ」。世界一のベストセラーとは聞いても、どこか近寄りがたさを感じてしまう書物『聖書』。本書はその聖書を、広く人びとに開かれた一冊の本として読む案内書である。特定の教派によらず、自主独立で読む。聖書学者である著者が、自身の経験と思索をもとに提案する「わかる読み方」。

ユーザーレビュー

  • 聖書の読み方

    Posted by ブクログ

     聖書入門は様々な形がある。聖書の概略を記したり、時代背景に焦点を当てたり、聖書の成立そのものを説くものもある。本書は聖書の有名な箇所を紹介して聖書の世界へと招く入門書とは一線を画す本である。むしろ本書が企図しているのは様々な形で聖書を読もうとしたけれども挫折したという経験がある人のための入門書である。しかし読み了わって気が付くことは本書が優れて聖書学的な見地に立って聖書への案内をしていることである。
     教会で語られる聖書の内容から離れて、虚心坦懐に聖書に向き合おうとする読者にとって、何の手掛かりもなしに聖書を通読することは躓きの種である。その躓きの原因がどこにあるのかを本書は明らかにしている。聖書は様々な文章の集合体であり様々な書き手が様々な場面に応じて書き記したものが集められたものなのである。しかしそれぞれの文章にはまとまりがあるのでそのまとまりに注目して読み進めることが必要であることを本書は説いている。そのまとまりは旧約聖書に至っては数百年の歴史を扱うものでさえある。新約聖書ではそれぞれの記者の意図するところを読み解くことが重要になってくるのである。
     著者の『イエスという経験』は聖書を学問的に読み解くことを通してその文字の奥に見出されるイエスの姿に肉迫しようとするものであり、聖書学研究の豊かな成果を生き生きと伝えてくれるものである。それに対して本書は聖書を読むときに抵抗があるとすればどこに抵抗があるのかに着目している。その叙述は時に聖書のことを知ろうと思って本書を手に取る読者を当惑させる記述もあるかもしれない。しかし聖書を読み進める中で感じる違和感の一つひとつに読者が本当に聖書を読み解くことへの招きがあることを知らせてくれる本なのである。聖書に対する過度な期待や思い込みを退けながらも、聖書の中に広がる豊かな世界を垣間見させてくれる一冊と言える。
     『イエスという経験』で詳しく取り上げられることでもあるのだが、本書ではキリスト教の使徒信条が「基本文法」として取り上げられ、その「基本文法」を手掛かりに聖書を理解することが提案される。それぞれの文書が使徒信条のどの部分に焦点を当てた文書であるのかを意識することが、それぞれの文書の理解を深めさせてくれ、その成立の経緯やそれぞれの聖書記者の苦悩をさえ感じさせてくれるのではないかというのである。そのこと、つまり「基本文法」に照らして聖書を読むことが前著より簡潔にくっきりと提示されており、その意味で新約聖書学への案内ともなっているのである。本書の最後の部分の「聖書の読書案内」は外典をも含めた聖書の一つ一つの文書への案内となっており、それぞれの文書の要約に留まらず、生き生きとその内容を伝えてくれるものである。
     本書は読者を選ぶかもしれない。『イエスという経験』を読んで本書を読む読者はそれほどの抵抗を覚えることはないと思う。しかし聖書を読んで躓いた人々の声を拾い上げてそれに答えようとする本書は、聖書を金科玉条のごとくに読む態度から離れて、書かれている内容への違和感を解きほぐすことを通して聖書のそれぞれの文書の書き手の想いを聞き分けることを促しているのである。

    0
    2026年02月02日
  • グノーシスの神話

    Posted by ブクログ

    グノーシスというのは,キリスト教から見れば手強い異端である一方,マンダ教やマニ教など東方宗教においては必須の要素と言える。

    本書はグノーシスを紐解くためにいくつかの文献の訳を行っており,それだけでも随分な仕事だと思う。

    0
    2021年07月16日
  • グノーシスの神話

    Posted by ブクログ

    グノーシスといわれる一連の宗教(主義)を、手に入る数少ない文献を断章の形で並べて、底に共通しているもの(神話)を提示しようという意欲的な著作です。それぞれの断章はやはり難解なところも多く、解説も手を貸していただけているのですが、読みこなすのは大変でした。それでも全体としてのグノーシス主義とは何なのかを読みながら、頭でなく体に覚えさせることが出来ました。それが分かったのは最後の章になって、現代にグノーシスの考え方が残っていること、ただグノーシスらしい考え方ですがそれとは対極にあった考えであること、それをグノーシス(認識)し、本来の場所に導くこと、これらを読んだときでした。この最後を肌感覚で分かるために、グノーシスの感覚を本書の大半を通して読む価値はあったと思います。

    0
    2015年07月22日
  • 聖書の読み方

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    キリスト教、ユダヤ教、イスラム教などの、中近東の文化に触れていないと、
    聖書を読んでも理解できないかもしれない。

    日本人の多くが、聖書を読む前に、準備運動として読むと、理解するきっかけが生まれるかもしれない。

    子どもの頃から、聖書は読んでいたが、本書は大人になって、聖書を読み直すきっかけになった。

    0
    2012年02月22日
  • 聖書の読み方

    Posted by ブクログ

    読み応えのある本だった。私は子供の頃、教会に通ったこともあるし、近親者にキリスト教の信者もいる。信者ではないが、キリスト教は宗教として身近な存在であるであることは確かだ。クリスマスしかり。この本の中で、著者は「聖書」を「全て正しいことを書いてある本」として盲目的に受動的に読むのではなく、能動的に一つの書物として読むべきである、と主張している。中でも私が印象的であったのは、「声」それも「多声性(ポリフォニー)」ということについて書かれていたことだ。「多声性」が個々に十分に認識されることが「交響性(シュンフォニー)」となり、「一体性」となる、というくだりが一番心に残る。

    0
    2011年09月26日

新規会員限定 70%OFFクーポン 今すぐGET