作品一覧

  • 東京新大橋雨中図〈新装版〉
    3.0
    1巻950円 (税込)
    第100回(1988年下半期)直木賞受賞作 明治初年の東京を舞台に、「最後の木版浮世絵師」となった 小林清親の半生を描く傑作時代小説。 失われつつある江戸の情景への愛惜、一世を風靡した「光線画」の凋落。 時代の激動に呑み込まれて沈みゆく人々と自身へのやるせなさを噛みしめる清親の、優しさゆえの苦悩と新時代へかける想いが交錯する。 「いかにも好もしい男」――解説・田辺聖子 単行本 1988年11月 新人物往来社刊 文庫版 1991年11月 文春文庫刊 文庫新装版 2025年1月 文春文庫刊 【この電子書籍は文春文庫新装版を底本としています。2022年11月に電子版配信を開始した同タイトル作の表紙を一新したものであり、作品内容に変更はありません。】
  • 精姫様一条 お狂言師歌吉うきよ暦
    4.0
    1巻880円 (税込)
    いまをときめくお狂言師の歌吉は、幕府隠密をひそかに助ける「手駒」も務める。将軍家の姫の嫁ぎ先をめぐり下される密命。お吉でなければ聞き出せないことがある。「どの大名家でも将軍家のご息女を迎えるのを災厄のように恐れておる。迎えれば家格は上がるが、莫大な費(つい)えがのしかかってくるからだ」。町娘お吉の活躍が冴える直木賞作家の人気時代小説シリーズ。
  • 大奥二人道成寺 お狂言師歌吉うきよ暦
    -
    1巻817円 (税込)
    大名家の奥向きで踊りをお見せする狂言師の一座に加わって間もない歌吉に、上様の御前で「道成寺」の連れ舞を披露するという大役が。相方の坂東流名取の照代は上様のお手つきで、三年前に宿さがりしながら再び召し出されることになり、命を狙われているという。大奥におもむく二人を嫉妬の渦が待ち受ける! (講談社文庫)
  • 起き姫 口入れ屋のおんな
    3.8
    1巻896円 (税込)
    江戸のおんなの心意気を描く名人芸 江戸のおんなを描いて「不世出の名人」と評された杉本章子、最後の傑作。 夫が浮気相手と子まで生したことに嫌気が差して、おこうは婚家を離れた。 実家に戻っても安息は訪れない。 奉公人の周旋や仲介をする口入れ屋の女主人に雇ってほしいと必死で頼んだのだが……。 大店の若新造から転身した人生の機微を描いて、泣かせます。 単行本未収録の「ふたたびの浮き世」も掲載。 解説・諸田玲子
  • お狂言師歌吉うきよ暦
    4.0
    1巻691円 (税込)
    路考お粂と謳われた水木歌仙の下で踊りの稽古に励むお吉。十三で「歌吉」の名をいただいて五年、ようやく大名家の奥向きで踊りを披露するお狂言師の一座に加えてもらえることになった矢先、嫉妬した相弟子に小鋸で頬に一生消えない傷をつけられる。そんな折、公儀の隠密より姉弟子を探れという密命が……。
  • カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦
    4.0
    1巻1,771円 (税込)
    頬に傷痕のあるお吉は押しも押されぬお狂言師。お小人目付けの日向新吾と互いに想い合う仲だが、日向には縁談が持ち上がる。弘化五年、赤坂御門外での事件から、将軍の寵愛をほしいままにしているお琴の様方をめぐる、女子同士の色模様という、面妖な企てが浮かび上がってくる。はたしてお吉の想いは届くのか、そして大奥の謀議は明かされるのか。文字通り我が身を削って書き継いだ著者渾身の遺作、抜群の面白さ。
  • 写楽まぼろし 蔦屋重三郎と東洲斎写楽
    3.0
    1巻950円 (税込)
    「吉原細見」や歌麿の大首絵の版元として大成功した重三郎だったが、歌麿の裏切りで苦境に立つ。代わって起用した老人・写楽の絵は大評判になったが、老人は病で死んでしまう……。蔦重と写楽の真実に迫る長編歴史小説。《解説・砂原浩太朗》
  • 東京影同心
    3.0
    1巻880円 (税込)
    金子弥一郎は慶応3年に異例の若さで定町回(じょうまちまわ)り同心となったものの、幕府は瓦解して町奉行も消滅。新政府に仕官した同僚の誘いにも気が進まず、元岡っ引の始めた料理茶屋に居候を決め込んだが、ひょんな縁で佐幕派の「中外新聞」で種取り記者として探索にあたることに。元「八丁堀」同心の矜持を描く傑作長編。(講談社文庫)
  • 春告鳥 女占い十二か月
    5.0
    1巻764円 (税込)
    江戸時代にも「占い」は流行し、女性たちはそのお告げに一喜一憂していた。実際に出版されていた占い本「女用知恵鑑宝織(おんなようちえかがみたからおり)」。女の吉凶を生まれ月ごとにズバリあてるこの本に想を得て、1月生まれから12月生まれまで、12人の女の喜びと悲哀が綴られる。月ごとの風物を織り込みながら、時代小説の名手が江戸の女の恋愛を生き生きと描き出す。切なくも愛らしい傑作時代短篇集。

ユーザーレビュー

  • カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦

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    カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦
    by 杉本章子、深井国
    「同じ組内と申すが、話をおまえといっしょにしてはならぬ。おまえはお扶持の多い家へ嫁ぎ、由乃殿はその逆なのじゃ。そこのところを忘れるな」

    縁談の相手は、お徒衆 大竹 理 左衛門 の次女由乃で、今年二十四という。だいぶ 薹 が立っているのは、二十で嫁ぐはずだった 許婚 が婚礼の半年前に急死したからだそうだ。

    許婚の死に 様 は、由乃にも影を落とした。以来かんばしい縁談もなく、たまに良縁と思われる話がきても、後妻の口だったり、相手が四十男だったりした。  由乃の下には妹がいて、その娘も 嫁 けなければならず、親は焦りに焦っていたところへ

    0
    2024年09月02日
  • 起き姫 口入れ屋のおんな

    Posted by ブクログ

    口入れ屋は ただ紹介するだけではなく
    人と人をつなぐ仕事だとして
    懸命にそれぞれの行く先を思案するうちに
    おこうにも 思わぬ縁が芽生えることになります
    江戸の庶民の生活が
    しっかり描かれて読みごたえがあり
    これぞ 時代小説だな と満足のいく作品です

    0
    2019年04月30日
  • カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦

    Posted by ブクログ

    あと一話、最終話を残して逝ってしまわれたのか。「といちはいち」の事件はどう決着するつもりだったのだろう。それよりも日向と歌吉にはインタビューでの予告通り、悲しい結末が用意されていたのか。作中人物の命は著者の思いのままながら、著者自らの命はいかんともし難い。一度きり会話させただいた杉本さんは才色兼備、忘れられぬ言葉もいただき、すっかり魅せられた。まさに一期一会なれども、遺された作品とは重ねてお付き合いしていきたい。

    0
    2016年08月12日
  • 春告鳥 女占い十二か月

    Posted by ブクログ

    主人公は睦月から師走までの各月に生まれた12人の女性たち。実際に出版されていたという『女用知恵鑑宝織』に記される自らの生まれ月の吉凶占いを読み、惑う者あり、あしらう者あり。月々の風習や風物の描写が心地よいし、ためになる。

    0
    2014年02月27日
  • お狂言師歌吉うきよ暦

    Posted by ブクログ

    先日読み終わった「大奥二人道成寺」と同じお狂言師歌吉シリーズである。
    この「うきよ暦」のほうが先に書かれたものである。
    江戸情緒たっぷりのなかに、少しスリリングな場面もでてくる。
    読み出すと引き込まれて止められない面白さで、
    睡眠不足にさせる、罪なことである。

    0
    2010年06月25日

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