作品一覧

  • ゲノムでたどる 古代の日本列島
    4.7
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人類が初めて日本列島にやってきたのは約4万年前。 日本列島のはじまりを築いた人々は、どんな生活をしていたのだろうか。 ゲノムを読むと何がわかるのか? 話題の「古ゲノム学」とは何か? 研究者が「ゲノムを読む理由」とは? 日本列島人の起源と成立をさぐる研究プロジェクト「ヤポネシアゲノム」のメンバーによる、珠玉の科学エッセイ集。 「一段落した調査現場で、私は温かい缶コーヒーを飲みながら考えた。誰が一体なんのためにこんな墓を作ったのだろうか。なぜ中妻貝塚に作られたのか。これだけの人骨はどこから運ばれてきたのか。以前より浮かんでは消えていた謎が、頭の中をぐるぐる巡る。」 ――山田康弘 〈第1章〉縄文時代を「掘る」 より 「お酒に弱い、という遺伝的変異は、何かに強かったのではないか? それは、何かはわからないけれど、何らかの感染症と関連するのではないか、と考える事は、それほど馬鹿げた空想ではない。十分に検証するに値する仮説だ。それでは、東アジアでは、お酒に弱いことが、何に強かったといえそうなのだろうか?」 ――太田博樹 〈第2章〉お酒に弱い遺伝子とウンチの化石のゲノムから何がわかるか より 「ゲノムとは生き物の設計図である。血液型がA型だったりB型だったり、目の色が黒かったり青かったりするのは、それぞれ設計図であるゲノムのどこかに違いがあるからだ。植物でも同じことで、設計図が部分的に書き換わってしまう(突然変異という)ことによって、色や形や大きさに違いが生まれる。逆に言えば、設計図を読み解くことで、姿形の違いや環境への適応能力の違いが進化したのかを理解することができる。ゲノムを読む、とはそういうことなのだ」 ――内藤 健 〈第3章〉アズキはどこで生まれたのか より 「ウルシ(Toxicodendron vernicifluum)が日本で塗料として用いられ始めたのは、遅くとも縄文時代早期という、かなり古い時代であるとされている。多くの読者は、このような「高尚な」文化は中国伝来であるという先入観を持つかもしれない。しかし、実は遺跡に残された遺物の古さだけを見ると日本のものの方が古い可能性もあり、漆文化は日本発祥では、という説を唱える研究者もいるほどである。」 ――菅 裕 〈コラム〉漆の過去・現在・未来 より DNAは、その人骨の遺伝的特徴を知るための手がかりとなる情報である。そのため、DNAをうまく回収し、その塩基配列を決定し、その配列情報を使った研究でうまく「調理(料理?)」してあげれば、その人骨のルーツや我々現代人との関係を語ってくれる。この場合、おいしい食材はDNAであり、料理のための道具類はDNA配列を決定するためのシークエンサや解析するための統計ツールになるだろうか。 ――神澤秀明 〈第4章〉日本列島人はどこから来たのか より

    試し読み

    フォロー
  • 人類はできそこないである 失敗の進化史
    4.3
    1巻990円 (税込)
    人類は優れた高等生物かと思いきや、 実際は700万年もの長きにわたる歴史の中で、 他の生物が有している機能を失ったりしながら現在の姿になった側面もある。 日本の人類進化学、ゲノム進化学の権威が教える、 「出来そこない」の人類進化史!
  • 図解 人類の進化 猿人から原人、旧人、現生人類へ
    値引きあり
    3.8
    1巻550円 (税込)
    化石や遺伝子の研究から、われわれ人類の進化の過程が明らかになってきました。第一線の研究者たちが、進化の基礎からゲノムの話題まで、豊富なイラストを使って、初心者にもわかりやすく解説します。 2009年に刊行した『絵でわかる人類の進化』に加筆修正した新書版。 序章(霊長類のゲノム研究/東南アジアの超小型原人/500年さかのぼった弥生時代のはじまり) 第1部 進化のしくみ 第1章 進化とは(人間観の変遷/博物学の時代/進化論の誕生/骨や歯を中心とした形態の進化/分子進化学の誕生と中立進化論/遺伝的浮動と自然淘汰) 第2章 進化の中心,ゲノムDNA(DNAが生物遺伝情報の担い手/ゲノムDNAとは/ゲノムは進化する/ゲノム進化の例/人類進化と遺伝情報進化のかかわり/ゲノムに記述されている形態形成の情報と発現 ほか) 第3章 人類進化の年代を測る(ダーウィンの進化論と地球の年齢/天然の砂時計:放射性同位体/人類の歴史を測る/解剖学的現代人とネアンデルタール人/放射性炭素と加速器質量分析/弥生時代が古くなった? ほか) 第4章 過去の環境変動をさぐる(人類の時代:第四紀/氷期・間氷期のサイクル:太陽の恩恵/氷河期という革命的なアイデア/酸素同位体による新しい指標/さまざまな古環境の記録/海水準面の変動/地球温暖化と人類のこれから) 第2部 人類のあゆみ 第5章 サルからヒトへ~猿人の登場(サルから進化したヒト/霊長類の進化/最初の人類はアフリカで誕生した/ヒト独特の特徴とその進化/最初の人類,猿人の誕生/猿人が歩いた証拠/複雑な猿人の系統進化 ほか) 第6章 原人の進化とユーラシアへの拡散(人類進化の4段階?/最初の原人ホモ・ハビリス/道具と肉食/狩猟をはじめた強い人類?/ホモ・エレクトスの発見/トゥルカナ・ボーイが教えるホモ・エレクトスの特徴 ほか) 第7章 旧人の出現とネアンデルタール人の謎(旧人とは/誤っていた一時代前の旧人像/旧人はアフリカで進化した/インドネシアには旧人はいなかった?/ヨーロッパのネアンデルタール人 ほか) 第8章 現生人類(ホモ・サピエンス)の起源(ホモ・サピエンスとは/ネアンデルタール人とクロマニョン人:連続か不連続か/多地域進化説/アフリカに関する疑問 ほか) 第9章 複雑化する文化~私たちホモ・サピエンスを理解する~(私たちにとっての文化/生物進化と文化的変化の違い/すべての起源はアフリカに?/文化の多様化の起源 ほか) 第10章 日本列島人の変遷(日本列島人の生きてきた時間と空間/日本列島人の成立に関する通説/骨形態の違いから推定された日本列島人類集団の系統関係/東ユーラシアにおける日本列島人の遺伝的位置/二重構造説) ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 核DNA解析でたどる 日本人の源流
    3.6
    渡来系弥生人と縄文人の子孫とされる日本人。出アフリカ後、彼らはどのようなルートで日本列島にたどりついたのか?最新の核DNA解析の成果をふまえ、新たに生まれた謎を詳細に解説する!
  • DNAから見た日本人
    3.3
    1巻715円 (税込)
    人類の祖先と考えられているラミダス猿人は、約六〇〇万年前にアフリカ大陸に現われた。その後、人類が地球上に広く進出するようになったのは、二〇万年ほど前である。現代人の遺伝子を調べれば、過去に人類が拡散した様子が、ある程度は復元できる。分子人類学が明らかにする、海に隔てられた“日本列島人”の起源。
  • ダーウィン入門 ――現代進化学への展望
    3.0
    1巻825円 (税込)
    19世紀の知の巨人、チャールズ・ダーウィン。自然淘汰論による進化論を提唱し、生物学だけでなく、現代思想にも大きな影響をあたえた。ダーウィンはどんな時代を生き、何を考え、私たちに何を遺したのか。ルネッサンスから現代までの進化学説史の緊張関係にわけいり、「ヒト」の観念がどのように変わってきたのかをたどる。ダーウィンの功績と限界を審判し、最先端の進化学が切り拓いた地平を展望する生物学の入門書。
  • 最新DNA研究が解き明かす。日本人の誕生
    -
    1巻1,287円 (税込)
    「日本人とは、どんな人々なのだろう?」誰もが考えるこの問いに、ヒトゲノム(DNA)研究の立場から解き明かします! 2020年はゲノム概念が誕生してからちょうど百周年にあたります。本書は、最新のヒトゲノム解析から得たビッグデータをもとに、日本人の起源と成立をわかりやすく解説します。ゲノムで検証するオキナワ人の由来、ピロリ菌ゲノムから探る日本列島への人類移動など、日進月歩のゲノムプロジェクト、最新の研究成果がわかります。

ユーザーレビュー

  • ゲノムでたどる 古代の日本列島

    Posted by ブクログ

    ニュースでは、日本の科学技術の衰退が取り沙汰されているが、このように素晴らしく、面白い研究者の方々がいらっしゃるんだ、と感動すらしてしまった。中高生にもわかりやすい、多分習ってる範囲の知識で理解できるように書かれているのでぜひ読んでもらいたいなと思った。

    この本は、文部科学省の資金で5年間行われた新学術領域研究「ヤポネシアゲノム」をまとめたものである。こんな研究がされていたのを私は知らなかった!ニュースとかでやっていたのかな?もっと世に知られてもいいのでは?(単に私の知らないだけ?)

    研究は淡々と地道に努力を積み重ねるイメージがあったが、他の分野の人との関わりやつながりも大事なんだと思った

    0
    2024年05月16日
  • ゲノムでたどる 古代の日本列島

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    第3章「アズキはどこで生まれたのか」だけ読んだ。日経サイエンス2024/2「アズキ 日本から大陸に渡った作物」記事での物足りなさからこちらの記事へ移動した。
    栽培種アズキと野生種ヤブツルアズキ(アズキと比べて黒くて小さい)との遺伝子配列、特に実が赤色になる遺伝子を特定して比較し、栽培種アズキと類似の遺伝子配列を持つ野生種を見つけたと。それが長崎県の野生種。とはいえ鳥が運んでしまうこともあるので、西日本のどこかでこの野生種の先祖が居て、それが栽培種アズキへと分岐したと考えられる。つまり栽培種アズキは日本産との結論。なお他にも「栽培種アズキの起源が日本列島である強い証拠」を発見していて、いずれ論文

    0
    2024年01月29日
  • 人類はできそこないである 失敗の進化史

    Posted by ブクログ

    「中立進化論」という考え方に初めて触れたかもしれない。目から鱗がバラバラ落ちた一冊。

    上論は即ち、「突然変異が進化に寄与すると考えられています。突然変異はなんの脈絡もなく起こるため、進化に有利なものもあれば不利なものもあります。」(p19)「たまたま運よく生き残って受け継がれた結果」(p20)という論旨であります。

    私の中学高校時分より’人類が直立二足歩行をなし得たのは何故か?それは〜’ともっともらしい説を聞いては’そうだな、そうだ’と一生懸命覚えてきたものですが、森を出て草原で暮らし始めたら二足歩行が有利、ってよく考えたら確かに果たして本当にそうなんだろうか?…と、懐疑主義的視点から教科

    0
    2022年10月20日
  • 核DNA解析でたどる 日本人の源流

    Posted by ブクログ

    ・一回通読。ベストセラー「人類の起源」の篠田謙一さんと双璧をなす日本人起源の研究者、斎藤成也さんが、研究グループの近年の研究成果を紹介するかたちで、日本人の源流について語る。核ゲノム解析による研究のイメージが素人にも伝わるように書かれてるなと感じたのだけれど、分かりやすさの評判はあまり良くない。自分が一応理系研究者だったからとっつきやすかったのか
    ・縄文人の古代ゲノム解析、現代人の広範なゲノム解析から、二重構造モデルやアイヌ琉球同系説を支持する結果を導き出し、更に内なる二重構造、三段階渡来モデルの可能性を示唆。本分野の最新の研究動向を知ることが出来て満足な一方で、アップデートの速さとアプローチ

    0
    2025年11月17日
  • ゲノムでたどる 古代の日本列島

    Posted by ブクログ

    研究内容やその成果についても非常に興味深かった。それに加えて、個性あふれる研究者の皆様の、研究に至るまでのお話など、面白おかしく語る様に引き込まれた。硬さと柔らかさのバランスが良く、読みやすい。

    0
    2025年04月13日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!