作品一覧

  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景
    3.9
    【目次より】 序文にかえて――同じ家庭の10年後、20年後を追跡してみたら・・・ 第1部 あの家の子どもたち――かつての姿とその後の姿 1 子どもが邪魔 2 ベビーチェアの中から始まる「孤食」 3 家に帰らない子、子どもを待たない親 4 自由とお金と無干渉 5 三男は私のペット 6 させてあげる「お手伝い」とその結果 第2部 やがて「破綻する夫婦」「孤立する祖父母」とその特徴 7 10年後、5組に1組の夫婦が破綻 8 破綻する夫婦と10年前の共通点 9 子ども夫婦の破綻を招く「実家の支援」 10 ダイニングテーブルに表れる家族の変化――「独りベッド飯」の夫たち 11 同居老人より怖い「同居老人」の孤立と孤独 12 祖父母世代は、まるで異星人 13 あなたの親は私の他人――夫婦別「実家分担」 第3部 「食と健康」をめぐる「通説」とシビアな「現実」 14 健康障害は9割が伏せられる? 15 健康管理は「自己責任」 16 「共食」と「健康障害」の意外な関係 第4部 「個」を尊重する家庭食とその影響 17 家族共食を蝕むブラック部活とブラック企業 18 家庭料理の変化と個化する家族 19 同じ釜の飯より「個」の尊重 20 食器に表れる家族の変化 21 「子どもの意思の尊重」という子ども放置 22 「リクエスト食」育ちの子どもたち――その後の姿 第5部 誰もが「自分」は譲れない 23 人に口出しされたくない 24 お教室の変化――みんな「教える」人指向 25 「私一人の時間」が欲しい 26 「自分時間」を生きる家族たち 27 「私」中心の呼称変化 第6部 個化する家族――その後の明暗 28 家庭の空洞化と「外ごと化」する家庭機能 29 正論と現実のはざまに 30 崩れなかった円満家庭とは 調査概要 あとがき
  • 日本人には二種類いる―1960年の断層―
    3.2
    1巻660円 (税込)
    日本人には二種類いる――長年、食卓を中心に日本人の家族を見つめ続けてきた著者が到達したのが、この結論だった。一九六〇年を境に、日本人の生育環境は一変。この年以降に生まれた「60年型」はみな“新型の日本人”なのである。「個」と「家族」、人との関係性を変えてしまった「一九六〇年の断層」を35の視点から炙り出す。従来の世代論とは一線を画す、まったく新しい刺激的な日本人論の誕生!

ユーザーレビュー

  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

    Posted by ブクログ

    ドキュメンタリータッチで淡々と食卓の変遷が記述されており、自説を押し付けることもない。
    非常に好感が持てる。
    下記、本文より抜粋。
    「共食」では、自分以外の人の好みや体調を気にかけて用意したり、自分以外の人に合わせて好みではないものも食べたりする。そうして誰もが、意図せぬうちに個々の好みや癖、習慣さえ超えて、結果として個々の健康を守り維持する内容になっていたのではないだろうか。
    いわば「共食」は、他者の存在による(他者を思いやることによる)健康な食生活の安全装置
    のようだ。
    非常に大胆な仮説で、検証を試みて欲しい。

    0
    2024年05月20日
  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

    Posted by ブクログ

    「自主性」を育てるために、好きな食べ物を子供自身に選ばせて出していた家庭は、その後どうなったか。
    調査対象は首都圏在住家庭、240件。家庭の主婦へ、家庭内の食事についてのインタビューをしたものである。家族一緒に食事をするのか、各々がバラバラに食事をするのか。そしてその食事はどのようなものなのか。10年後、20年後と継続して同じ家庭に調査を入れているため、調査のたびに数は減るし、数が少なすぎて統計学的な評価はできないものの、こういった年月をかけての調査という点だけ取っても、稀有で貴重な調査結果である。
    仲がいいとは言えない家族の様子がリアル過ぎて、読み進めていくにつれ気持ちが萎えてくる。子供の自

    0
    2024年01月04日
  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

    Posted by ブクログ

    衝撃の書であり、傑作と言われるディストピア小説より恐ろしいのは間違いない、けど、待って待って我が子にこんな底辺な生活させてるママ達よくこんなに見つけて来たね!?とも思う…。
    十年前との変化などの考察を読むと、確かに時代の流れと合わさった変化であろうと察せられるけれど、これを「現代家族の真の姿」と言い切るのは大袈裟すぎない…??
    「限界家族」の話だよね?やっぱり?
    だって私も、おそらく友人たちも朝ごはんから我が子にしっかり食べさせてるし(子のムラ食いに手を焼きながら)昼も夜も何食べさせよう〜ってずっと考えてるし、それが当たり前だと思ってますよ。もちろんそんな胸を張れる食卓ではないけれど…。

    0
    2024年07月24日
  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

    Posted by ブクログ

    食事が家族関係、社会性に大きく関わることを改めて考えさせられました。
    子どもが大きくなると塾や部活、朝の出発時間の関係で食事を一緒にすることが容易ではありませんが、意識して一緒に食べること、親が手をかけることの大切さがわかりました。

    最後に関係の良い家族の食事が書かれているのが、とても参考になりました。

    家でバランスの良い食事をしていなければ、給食だけで補うのは無理ですね。食べ慣れていないものには手を付けません。そして、学校では食べることを強制することはできません。
    身体的な栄養だけでなく、心の栄養も不足することを親が知っていなければならないですね。

    0
    2024年07月03日
  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

    Posted by ブクログ

     この本を読み終えて、私は、背筋が寒くなる思いをした。これは、食事の記録の書というよりは、家族の崩壊を記した書ではないか?
     著者は、1998年から、家族の食卓風景を調査している。今回、同じ家庭の10年後、20年後を調査して考察している。調査地域、サンプル数など少ないし、著者のバイアスのかかったような見方により、こんな家庭ばかりでは無いだろうと思う部分もあるが、ショッキングな内容であった。
     食事も「個」が優先。一人一人が食べたいものを、食べたい時に食べる、そういう家庭が増えているという。まるで家族バラバラ。「家族で食卓を囲む」なんて死語になっているかのようだ。
     そのような家庭で育った子供達

    0
    2024年05月15日

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