岩村暢子の作品一覧
「岩村暢子」の「日本人には二種類いる―1960年の断層―」「ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「岩村暢子」の「日本人には二種類いる―1960年の断層―」「ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
「自主性」を育てるために、好きな食べ物を子供自身に選ばせて出していた家庭は、その後どうなったか。
調査対象は首都圏在住家庭、240件。家庭の主婦へ、家庭内の食事についてのインタビューをしたものである。家族一緒に食事をするのか、各々がバラバラに食事をするのか。そしてその食事はどのようなものなのか。10年後、20年後と継続して同じ家庭に調査を入れているため、調査のたびに数は減るし、数が少なすぎて統計学的な評価はできないものの、こういった年月をかけての調査という点だけ取っても、稀有で貴重な調査結果である。
仲がいいとは言えない家族の様子がリアル過ぎて、読み進めていくにつれ気持ちが萎えてくる。子供の自主性を大切にすると言いつつ実態はネグレクト。良くも悪くも干渉しない夫婦、それは家庭内離婚とラベリングされていないだけ。個々の自由を尊重すると言っているのは、自分優先を正当化するための口実。家族が家で食事をしたがらないので外食ばかり、外食が家族のコミュニケーションの場だと。他にも、ブラック企業やブラック部活の問題などもあり、これでもかというほど問題が出てくる。前半は何とか読み、後半はこれ以上読みたくなかったが、何が書いてあるかはわかる程度に目を通した。
勉強になったのは、資格をとって教える側に回りたがる主婦がいること。指導員・アドバイザー・インストラクターなど。だが、実際に本人はその通りにしているかというとそうでもないそうで。若いお母さんの怠慢に嘆く保育士、家では食事をせず子供や夫は外で買ってくる。薬膳料理教室を開いているが、夕食はレトルト食品とお惣菜ばかり。著者は、こういったことをただ嘘つきと非難するのではなく、専門家や先生こそ、その矛盾に向き合うべきだということと、実践を放棄し言葉や情報だけ語ってしまうほど、情報発信者が強い力を持っているという現代の問題だと指摘している。
全体に著者の見解や考えはそんなには書かれておらず、調査結果を読んでいるだけのような感じでした。しかし、実例の多さと、これがフィクションではないことが読む側の陰鬱な気分に拍車をかけてしまう。事実は小説より重いです。しかもこの問題、これで終わりではなく、社会が変わるにつれて問題の様相もどんどん変わっていくわけで。個人の尊重(という誤解?短絡的解釈?)が家庭の空洞化につながり、子供が最も近い人間から人間関係を学べなくなってきていて、子供同士のいじめの問題や、長く見れば少子化の原因の一つになっているのではないかと思いました。
最後に、年月を経て調査をした際も円満だった家庭についても書かれている。あとがきでは、この調査が家族のコミュニケーションのきっかけになったといってお礼の言葉も来たそうである。悪い話ばかりではないのが救いでした。
これのアップデート版もやって欲しいですね。新たに調査を始め、今後の10年後、20年後はどうなっているのか。
Posted by ブクログ
衝撃の書であり、傑作と言われるディストピア小説より恐ろしいのは間違いない、けど、待って待って我が子にこんな底辺な生活させてるママ達よくこんなに見つけて来たね!?とも思う…。
十年前との変化などの考察を読むと、確かに時代の流れと合わさった変化であろうと察せられるけれど、これを「現代家族の真の姿」と言い切るのは大袈裟すぎない…??
「限界家族」の話だよね?やっぱり?
だって私も、おそらく友人たちも朝ごはんから我が子にしっかり食べさせてるし(子のムラ食いに手を焼きながら)昼も夜も何食べさせよう〜ってずっと考えてるし、それが当たり前だと思ってますよ。もちろんそんな胸を張れる食卓ではないけれど…。
とはいえこの本から学ぶことは沢山ある。(そして幼少の頃から1人で食事を済ませなければいけなかった子供達のことを思うと胸が痛む。)
食卓を大切にしなければ、と改めて思わせてくれる一冊。
Posted by ブクログ
食事が家族関係、社会性に大きく関わることを改めて考えさせられました。
子どもが大きくなると塾や部活、朝の出発時間の関係で食事を一緒にすることが容易ではありませんが、意識して一緒に食べること、親が手をかけることの大切さがわかりました。
最後に関係の良い家族の食事が書かれているのが、とても参考になりました。
家でバランスの良い食事をしていなければ、給食だけで補うのは無理ですね。食べ慣れていないものには手を付けません。そして、学校では食べることを強制することはできません。
身体的な栄養だけでなく、心の栄養も不足することを親が知っていなければならないですね。
Posted by ブクログ
この本を読み終えて、私は、背筋が寒くなる思いをした。これは、食事の記録の書というよりは、家族の崩壊を記した書ではないか?
著者は、1998年から、家族の食卓風景を調査している。今回、同じ家庭の10年後、20年後を調査して考察している。調査地域、サンプル数など少ないし、著者のバイアスのかかったような見方により、こんな家庭ばかりでは無いだろうと思う部分もあるが、ショッキングな内容であった。
食事も「個」が優先。一人一人が食べたいものを、食べたい時に食べる、そういう家庭が増えているという。まるで家族バラバラ。「家族で食卓を囲む」なんて死語になっているかのようだ。
そのような家庭で育った子供達は、社会性を身につけられるのだろうか?日本の未来が心配になる。