ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

小説・文芸
1,870円 (税込)

9pt

【目次より】

序文にかえて――同じ家庭の10年後、20年後を追跡してみたら・・・

第1部 あの家の子どもたち――かつての姿とその後の姿
1 子どもが邪魔
2 ベビーチェアの中から始まる「孤食」
3 家に帰らない子、子どもを待たない親
4 自由とお金と無干渉
5 三男は私のペット
6 させてあげる「お手伝い」とその結果

第2部 やがて「破綻する夫婦」「孤立する祖父母」とその特徴
7 10年後、5組に1組の夫婦が破綻
8 破綻する夫婦と10年前の共通点
9 子ども夫婦の破綻を招く「実家の支援」
10 ダイニングテーブルに表れる家族の変化――「独りベッド飯」の夫たち
11 同居老人より怖い「同居老人」の孤立と孤独
12 祖父母世代は、まるで異星人
13 あなたの親は私の他人――夫婦別「実家分担」

第3部 「食と健康」をめぐる「通説」とシビアな「現実」
14 健康障害は9割が伏せられる?
15 健康管理は「自己責任」
16 「共食」と「健康障害」の意外な関係

第4部 「個」を尊重する家庭食とその影響
17 家族共食を蝕むブラック部活とブラック企業
18 家庭料理の変化と個化する家族
19 同じ釜の飯より「個」の尊重
20 食器に表れる家族の変化
21 「子どもの意思の尊重」という子ども放置
22 「リクエスト食」育ちの子どもたち――その後の姿

第5部 誰もが「自分」は譲れない
23 人に口出しされたくない
24 お教室の変化――みんな「教える」人指向
25 「私一人の時間」が欲しい
26 「自分時間」を生きる家族たち
27 「私」中心の呼称変化

第6部 個化する家族――その後の明暗
28 家庭の空洞化と「外ごと化」する家庭機能
29 正論と現実のはざまに
30 崩れなかった円満家庭とは

調査概要

あとがき

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ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ドキュメンタリータッチで淡々と食卓の変遷が記述されており、自説を押し付けることもない。
    非常に好感が持てる。
    下記、本文より抜粋。
    「共食」では、自分以外の人の好みや体調を気にかけて用意したり、自分以外の人に合わせて好みではないものも食べたりする。そうして誰もが、意図せぬうちに個々の好みや癖、習慣さえ超えて、結果として個々の健康を守り維持する内容になっていたのではないだろうか。
    いわば「共食」は、他者の存在による(他者を思いやることによる)健康な食生活の安全装置
    のようだ。
    非常に大胆な仮説で、検証を試みて欲しい。

    0
    2024年05月20日

    Posted by ブクログ

    「自主性」を育てるために、好きな食べ物を子供自身に選ばせて出していた家庭は、その後どうなったか。
    調査対象は首都圏在住家庭、240件。家庭の主婦へ、家庭内の食事についてのインタビューをしたものである。家族一緒に食事をするのか、各々がバラバラに食事をするのか。そしてその食事はどのようなものなのか。10年後、20年後と継続して同じ家庭に調査を入れているため、調査のたびに数は減るし、数が少なすぎて統計学的な評価はできないものの、こういった年月をかけての調査という点だけ取っても、稀有で貴重な調査結果である。
    仲がいいとは言えない家族の様子がリアル過ぎて、読み進めていくにつれ気持ちが萎えてくる。子供の自主性を大切にすると言いつつ実態はネグレクト。良くも悪くも干渉しない夫婦、それは家庭内離婚とラベリングされていないだけ。個々の自由を尊重すると言っているのは、自分優先を正当化するための口実。家族が家で食事をしたがらないので外食ばかり、外食が家族のコミュニケーションの場だと。他にも、ブラック企業やブラック部活の問題などもあり、これでもかというほど問題が出てくる。前半は何とか読み、後半はこれ以上読みたくなかったが、何が書いてあるかはわかる程度に目を通した。
    勉強になったのは、資格をとって教える側に回りたがる主婦がいること。指導員・アドバイザー・インストラクターなど。だが、実際に本人はその通りにしているかというとそうでもないそうで。若いお母さんの怠慢に嘆く保育士、家では食事をせず子供や夫は外で買ってくる。薬膳料理教室を開いているが、夕食はレトルト食品とお惣菜ばかり。著者は、こういったことをただ嘘つきと非難するのではなく、専門家や先生こそ、その矛盾に向き合うべきだということと、実践を放棄し言葉や情報だけ語ってしまうほど、情報発信者が強い力を持っているという現代の問題だと指摘している。
    全体に著者の見解や考えはそんなには書かれておらず、調査結果を読んでいるだけのような感じでした。しかし、実例の多さと、これがフィクションではないことが読む側の陰鬱な気分に拍車をかけてしまう。事実は小説より重いです。しかもこの問題、これで終わりではなく、社会が変わるにつれて問題の様相もどんどん変わっていくわけで。個人の尊重(という誤解?短絡的解釈?)が家庭の空洞化につながり、子供が最も近い人間から人間関係を学べなくなってきていて、子供同士のいじめの問題や、長く見れば少子化の原因の一つになっているのではないかと思いました。
    最後に、年月を経て調査をした際も円満だった家庭についても書かれている。あとがきでは、この調査が家族のコミュニケーションのきっかけになったといってお礼の言葉も来たそうである。悪い話ばかりではないのが救いでした。
    これのアップデート版もやって欲しいですね。新たに調査を始め、今後の10年後、20年後はどうなっているのか。

    0
    2024年01月04日

    Posted by ブクログ

    衝撃の書であり、傑作と言われるディストピア小説より恐ろしいのは間違いない、けど、待って待って我が子にこんな底辺な生活させてるママ達よくこんなに見つけて来たね!?とも思う…。
    十年前との変化などの考察を読むと、確かに時代の流れと合わさった変化であろうと察せられるけれど、これを「現代家族の真の姿」と言い切るのは大袈裟すぎない…??
    「限界家族」の話だよね?やっぱり?
    だって私も、おそらく友人たちも朝ごはんから我が子にしっかり食べさせてるし(子のムラ食いに手を焼きながら)昼も夜も何食べさせよう〜ってずっと考えてるし、それが当たり前だと思ってますよ。もちろんそんな胸を張れる食卓ではないけれど…。

    とはいえこの本から学ぶことは沢山ある。(そして幼少の頃から1人で食事を済ませなければいけなかった子供達のことを思うと胸が痛む。)
    食卓を大切にしなければ、と改めて思わせてくれる一冊。

    0
    2024年07月24日

    Posted by ブクログ

    食事が家族関係、社会性に大きく関わることを改めて考えさせられました。
    子どもが大きくなると塾や部活、朝の出発時間の関係で食事を一緒にすることが容易ではありませんが、意識して一緒に食べること、親が手をかけることの大切さがわかりました。

    最後に関係の良い家族の食事が書かれているのが、とても参考になりました。

    家でバランスの良い食事をしていなければ、給食だけで補うのは無理ですね。食べ慣れていないものには手を付けません。そして、学校では食べることを強制することはできません。
    身体的な栄養だけでなく、心の栄養も不足することを親が知っていなければならないですね。

    0
    2024年07月03日

    Posted by ブクログ

     この本を読み終えて、私は、背筋が寒くなる思いをした。これは、食事の記録の書というよりは、家族の崩壊を記した書ではないか?
     著者は、1998年から、家族の食卓風景を調査している。今回、同じ家庭の10年後、20年後を調査して考察している。調査地域、サンプル数など少ないし、著者のバイアスのかかったような見方により、こんな家庭ばかりでは無いだろうと思う部分もあるが、ショッキングな内容であった。
     食事も「個」が優先。一人一人が食べたいものを、食べたい時に食べる、そういう家庭が増えているという。まるで家族バラバラ。「家族で食卓を囲む」なんて死語になっているかのようだ。
     そのような家庭で育った子供達は、社会性を身につけられるのだろうか?日本の未来が心配になる。

    0
    2024年05月15日

    Posted by ブクログ

    食卓を定点観測の場として、1998年〜2009年にかけての第1回、その10年後の2回目、さらにその10年後の3回目と同一対象家庭に、アンケート、写真入りの日記調査、詳細インタビューなどを行った結果の分析、考察をまとめた本。
    この調査結果自体見れたら興味深いだろうなと感じたし、分析、考察をまとめた本書も非常にインパクトが強いものだった。

    家族内であっても、「個人の意思を尊重する(自分のやりたいこと、自由、好みを優先する)」という親の気持ちのもとで、結果それが食卓に反映し、親子関係(対象者の子どもだけでなく、親、義親含め)、夫婦関係などにどう反映していたのか。

    自分自身まさにこの調査対象年代にあたることもあり、え〜!?と思うこと、まあ我が身を考えても思いあたること等様々。
    そして、自分は、果たしてどうしていただろうか?(本文中にもあったが、記憶は自分の都合で塗り替えられる、だから自分の記憶に自信が持てない)、子どもがまあ無事に育ってくれてよかったと思う一方、独立した彼等の今の食生活、考え方はどうなのだろうかと若干の不安も感じる。
    こんな半端ない当事者意識に苦笑。

    しかし、個を大切に自分中心に考える流れは、自分の中にもあるし世の流れとしても止めようが無い。しかし、大人と子どもとでは対応は違って然るべきだし、本来的な意味で自律的な人間を育てるのは、小さい頃から自主性尊重の名の下に放置することとは違う。
    人が生きること、育つこと、育てることはそもそも手間がかかり、手をかけることにより得られる価値が大きいと今なら思えるが、若い時はわからなかったなと反省をこめて思う。

    0
    2024年05月02日

    Posted by ブクログ

    いろいろびっくりだった。個を尊重しすぎるあまりに、子育て、親育てを放棄しているに過ぎない状況だった。なので最近は非常識が多いのか…と思ってしまう…

    0
    2024年02月21日

    Posted by ブクログ

    自分を大切にして、自由で好きな時間を過ごすことは、必要なことだと思う。外に目を向けることも大切だ。が、この本を読んでとても怖くなった。家庭の食事にもこの考え方をもちこみ、食事は時間も内容も個別、自分の子どもの食事に対しても、面倒くさいから自己責任の道筋を作っていく。嫌いなものを与えると機嫌が悪くなるからとか、残されると嫌だからとか。それを言ったらおしまいと思うようなことが、多くの家庭で見られた。1998年から2009年まで、食卓を定点観測の場として、同一家庭の10年後、20年後の変化を追跡調査した結果だ。ちなみに、初回は240家庭、10年後は89家庭、20年後は8家庭の有効サンプルの結果だそうだ。
    個人を尊重することは大切なことだけれど、家族と関わらない食事時間と、帰宅時間を親離れと自立というきれいな言葉で片付けることは、もう仕方がないことなのだろうか。働き方や深夜までの塾や習い事で仕方がないのかもしれない。外に対しては食事や子育てのアドバイザーの立ち位置の人でも家ではきちんとした食生活や子どもへの接し方ができていないというのも、見映えだけを気にしているように思える。でも自分ファーストで子どもを育て、親と接して、自分が老いたときに同じように自己責任として片付けられても納得できる強い人が、そんなに多いのだろうか。
    最後に、10年たっても食事を大切にし、皆が家事に当たり前に参加してお互いを気にかけあい、円満に暮らしている家族があることにほっとした。これが大多数の人にとっては、鬱陶しい関係であることは、もうどうすることもできないのかもしれないが、ひょっとするとコロナ禍でなにかが変わったかもしれないとも思った。

    0
    2024年02月05日

    Posted by ブクログ

    筆者の主観的な部分が多いようにも感じたが、個食の継続が家族のつながりを分断するのは事実なんだろうなと思った。やはり、食は大事だ。

    0
    2023年11月24日

    Posted by ブクログ

    とてもこわい本。淡々するすると読める。
    日本の食卓と家族、個人個人の意識の変化(その裏に隠れているのは社会全体の様々な空気感)
    定点観測された地道な食卓調査のアンケート結果や発言がページをめくる度に淡々と綴られていく。対象者の発言と実態が乖離することも多数、驚愕する。
    自分と年代の違う調査対象者の発言を「恐ろしい」と感じつつもその考えを完全に否定できず、自分の中にも潜んでいることを実感しぞっとする。
    ただただこわいが(興味深い面白さと読みやすさはある)、これはたぶん個人個人の意識の変容の中に、世界と日本の社会のムードがどろどろ音も立てず忍び込んでいる、その結果を表した貴重な本だと思う。

    0
    2023年11月15日

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