岩村暢子のレビュー一覧

  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

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    ドキュメンタリータッチで淡々と食卓の変遷が記述されており、自説を押し付けることもない。
    非常に好感が持てる。
    下記、本文より抜粋。
    「共食」では、自分以外の人の好みや体調を気にかけて用意したり、自分以外の人に合わせて好みではないものも食べたりする。そうして誰もが、意図せぬうちに個々の好みや癖、習慣さえ超えて、結果として個々の健康を守り維持する内容になっていたのではないだろうか。
    いわば「共食」は、他者の存在による(他者を思いやることによる)健康な食生活の安全装置
    のようだ。
    非常に大胆な仮説で、検証を試みて欲しい。

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    2024年05月20日
  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

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    「自主性」を育てるために、好きな食べ物を子供自身に選ばせて出していた家庭は、その後どうなったか。
    調査対象は首都圏在住家庭、240件。家庭の主婦へ、家庭内の食事についてのインタビューをしたものである。家族一緒に食事をするのか、各々がバラバラに食事をするのか。そしてその食事はどのようなものなのか。10年後、20年後と継続して同じ家庭に調査を入れているため、調査のたびに数は減るし、数が少なすぎて統計学的な評価はできないものの、こういった年月をかけての調査という点だけ取っても、稀有で貴重な調査結果である。
    仲がいいとは言えない家族の様子がリアル過ぎて、読み進めていくにつれ気持ちが萎えてくる。子供の自

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    2024年01月04日
  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

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    衝撃の書であり、傑作と言われるディストピア小説より恐ろしいのは間違いない、けど、待って待って我が子にこんな底辺な生活させてるママ達よくこんなに見つけて来たね!?とも思う…。
    十年前との変化などの考察を読むと、確かに時代の流れと合わさった変化であろうと察せられるけれど、これを「現代家族の真の姿」と言い切るのは大袈裟すぎない…??
    「限界家族」の話だよね?やっぱり?
    だって私も、おそらく友人たちも朝ごはんから我が子にしっかり食べさせてるし(子のムラ食いに手を焼きながら)昼も夜も何食べさせよう〜ってずっと考えてるし、それが当たり前だと思ってますよ。もちろんそんな胸を張れる食卓ではないけれど…。

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    2024年07月24日
  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

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    食事が家族関係、社会性に大きく関わることを改めて考えさせられました。
    子どもが大きくなると塾や部活、朝の出発時間の関係で食事を一緒にすることが容易ではありませんが、意識して一緒に食べること、親が手をかけることの大切さがわかりました。

    最後に関係の良い家族の食事が書かれているのが、とても参考になりました。

    家でバランスの良い食事をしていなければ、給食だけで補うのは無理ですね。食べ慣れていないものには手を付けません。そして、学校では食べることを強制することはできません。
    身体的な栄養だけでなく、心の栄養も不足することを親が知っていなければならないですね。

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    2024年07月03日
  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

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     この本を読み終えて、私は、背筋が寒くなる思いをした。これは、食事の記録の書というよりは、家族の崩壊を記した書ではないか?
     著者は、1998年から、家族の食卓風景を調査している。今回、同じ家庭の10年後、20年後を調査して考察している。調査地域、サンプル数など少ないし、著者のバイアスのかかったような見方により、こんな家庭ばかりでは無いだろうと思う部分もあるが、ショッキングな内容であった。
     食事も「個」が優先。一人一人が食べたいものを、食べたい時に食べる、そういう家庭が増えているという。まるで家族バラバラ。「家族で食卓を囲む」なんて死語になっているかのようだ。
     そのような家庭で育った子供達

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    2024年05月15日
  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

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    食卓を定点観測の場として、1998年〜2009年にかけての第1回、その10年後の2回目、さらにその10年後の3回目と同一対象家庭に、アンケート、写真入りの日記調査、詳細インタビューなどを行った結果の分析、考察をまとめた本。
    この調査結果自体見れたら興味深いだろうなと感じたし、分析、考察をまとめた本書も非常にインパクトが強いものだった。

    家族内であっても、「個人の意思を尊重する(自分のやりたいこと、自由、好みを優先する)」という親の気持ちのもとで、結果それが食卓に反映し、親子関係(対象者の子どもだけでなく、親、義親含め)、夫婦関係などにどう反映していたのか。

    自分自身まさにこの調査対象年代に

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    2024年05月02日
  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

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    いろいろびっくりだった。個を尊重しすぎるあまりに、子育て、親育てを放棄しているに過ぎない状況だった。なので最近は非常識が多いのか…と思ってしまう…

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    2024年02月21日
  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

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    自分を大切にして、自由で好きな時間を過ごすことは、必要なことだと思う。外に目を向けることも大切だ。が、この本を読んでとても怖くなった。家庭の食事にもこの考え方をもちこみ、食事は時間も内容も個別、自分の子どもの食事に対しても、面倒くさいから自己責任の道筋を作っていく。嫌いなものを与えると機嫌が悪くなるからとか、残されると嫌だからとか。それを言ったらおしまいと思うようなことが、多くの家庭で見られた。1998年から2009年まで、食卓を定点観測の場として、同一家庭の10年後、20年後の変化を追跡調査した結果だ。ちなみに、初回は240家庭、10年後は89家庭、20年後は8家庭の有効サンプルの結果だそう

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    2024年02月05日
  • 日本人には二種類いる―1960年の断層―

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    個人的には、1960年を境に大家族制が崩壊し、核家族への移行が本格化したということが重要だと思う。
    他の断層としては昭和50年(1975年)がある。
    この年以降に生まれた人は、これ以前に比べて超安定志向に変化している。

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    2024年01月28日
  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

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    筆者の主観的な部分が多いようにも感じたが、個食の継続が家族のつながりを分断するのは事実なんだろうなと思った。やはり、食は大事だ。

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    2023年11月24日
  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

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    とてもこわい本。淡々するすると読める。
    日本の食卓と家族、個人個人の意識の変化(その裏に隠れているのは社会全体の様々な空気感)
    定点観測された地道な食卓調査のアンケート結果や発言がページをめくる度に淡々と綴られていく。対象者の発言と実態が乖離することも多数、驚愕する。
    自分と年代の違う調査対象者の発言を「恐ろしい」と感じつつもその考えを完全に否定できず、自分の中にも潜んでいることを実感しぞっとする。
    ただただこわいが(興味深い面白さと読みやすさはある)、これはたぶん個人個人の意識の変容の中に、世界と日本の社会のムードがどろどろ音も立てず忍び込んでいる、その結果を表した貴重な本だと思う。

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    2023年11月15日
  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

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    長い年月をかけて採取した家族のあり方が圧巻でした。
    妻との関係、子との関係を見つめ直すための必読書です。読み進めていくと、ほとんどホラーに近いような恐ろしい状況が展開されていきます。そこに登場する方々に「本当にそれでいいの?」と心の中で問い続ける読書でした。
    家族という関係性を作り上げるのは、日々の瑣末なことの積み重ねであると感じました。良好な関係性が維持できている家族は、当たり前のように互いを気遣い、それを瑣末なこと、当たり前のことと捉えて気遣いを繰り返す。完全に崩壊している家族は、各々が個人を優先ことが何よりも先決で、瑣末なこと大切にすることができずに、目に見えないほどの距離が毎日離れてい

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    2023年11月14日
  • 日本人には二種類いる―1960年の断層―

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    一気に読破した.小生「旧型」だが、どの章でも思い当たることが沢山あった.「60年型」は育った環境が「旧型」とは全く異なっており、その辺りをよく理解して付き合えば、同じ人種だからそれなりの共通点は見いだせると感じた.
    でも、多くの観点からよく調べている!

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    2014年05月27日
  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

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    p.59 家の仕事を手伝う子どもたちもいたが、そのほとんどが父親が日常的に家事をする家の子どもたちであったのも見逃せない。父親が子ども時代から(家業が忙しかったり、ひとり親であったり、親が病弱だったりして)日常的に家の手伝いをして育ち、結婚後も「黙っていても自ら(家のことを)する」人、そして「自分の子どもにも当然のこととしてさせる」人たちであった。理屈抜きで、ほかの人を思い、ほかの人のことをする(助け合う)暮らしがその家庭にはあるに違いない。
    近年、「ヤングケアラー」の問題がしきりに語られるようになってきたが、彼らの対極にあって、家族も人も「助け合わなければ暮らしていけない」ことなど考えもせ

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    2024年11月20日
  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

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    長女、次女、長男、次男と4人の子を長女、次女、三男、四男と話す母親。自身にとって生まれた順番と性別で表す。食のアドバイザー、子どもの教育などの仕事に就いている母親の正論と現実。
    そういう現実もあるかもしれないけど、不都合なところだけをクローズアップしているようにも感じてしまう。この著者の本を何冊か読んだことがある。それならご自身とスタッフの写ルンです一週間を開示してほしい、と思うのは意地悪かな。

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    2024年10月28日
  • ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景

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    2024.06.15

    とっても考えさせられる内容でした…。そして怖い本。
    うちも共働きでフルタイムで、あまり子どもの食事には手をかけてあげられてないけど、孤食やこどもの自主性に任せた食事にはなっては…いない…はず…。
    家族円満、子供が育って巣立った後も夫婦円満でいられる秘訣は、夫が妻と子、家族に深く関わっているか、がキモなような気がします。
    夫婦間、家族関係が良くない家は総じて夫の存在が薄かった。
    最後の家庭円満の3件のお家は、夫が家族に深く関わっていたのが印象的だった。

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    2024年06月15日
  • 日本人には二種類いる―1960年の断層―

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    昭和の大衆史、というような歴史書って感じ。

    '60年型と旧型がもちろんすべての人に当てはまらないのは当然として、
    大まかに1960年を境に急激な変化があったんだなということはわかる。

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    2019年06月18日
  • 日本人には二種類いる―1960年の断層―

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    ネタバレ

    後半にかけて、データのこじつけ感は否めないけど、血液型占いに似たような”あってる、あってない”といった楽しみ方が出来て、一気読みできました。

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    2014年11月28日
  • 日本人には二種類いる―1960年の断層―

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    かなり大上段のタイトルで興味を引く。1960年に大きな変化が断層として横たわり、その前後で人はさっぱり変わるのだ、という話。きっちり60年で線が引ける問題、というよりも、60年頃に変化が現れた、ということが多いように思う。60年以降であれば皆同じ、とまでは言わないが、まあ共通である、といわれるのだけど、僕(70年代)だって、80年代以降の人とは断層があると思うけどなあ。ただ、いま僕よりさらにオッサンな人たちの幼いころはこうだった、という背景をいくつもいくつも説明されるので、なんとなくオッサンのバックボーンがわかるような気がする…わけないか。あえていうなら、家庭が家庭ならではの役割から、カネでサ

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    2014年02月09日
  • 日本人には二種類いる―1960年の断層―

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    生育環境が一変する「1960年の断層」により、「個」と「家族」、人との関係性が変わり、日本人を二分する「断層」となったと、60年を35の視点で炙り出すということだが、若干こじつけ的で、それは45年でも、50年でも、はたまた団塊2世としても論じることもできるものもある。
    ただ、生活習慣や流行やスタイル等、そうそう、そうだったと様々な世代が読んでも、昔を振り返るには面白い点もあるといえる。

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    2013年12月21日