鈴井貴之の作品一覧
「鈴井貴之」の「水曜日のおじさんたち」「ラストファンタジー」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「鈴井貴之」の「水曜日のおじさんたち」「ラストファンタジー」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
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Posted by ブクログ
「水曜どうでしょう」ファンとしては、鈴井貴之さんと言えば「ミスター」の呼び名が自然と湧いて来ます。
しかしこう呼んで良いものかと立ち止まってしまいます。
この呼び名も、かつてはミスターをコンプレックスで悩ませ……やはりこう呼んでしまうので、ここでは無理せず行きます……焦らせていたのではと考えてしまいます。
森の中で一緒に暮らす犬はもちろん、動物たち、そして自然との、自分以外に人間がいない生活。
インフラも心許無い、都心とは異なる日々。
全てが自分に委ねられている暮らしは、ミスターにとって常に自己検証、自己否定の繰り返しだったろうと思います。
その環境でミスターと共に在るのが、主人公のゴールデンレトリバー・ネイマールを始めとする面々なのでした。
森での生活で得たことが大きいと書かれていますが、その前から予兆(?)はあったのではないでしょうか。
過去の著書「ダメダメ人間」で、ミスターは擬人化した自分の自己嫌悪との対話をとおして、すでに成長(おこがましいですが…)していたのです。
その前段があったからこそ、大きく飛躍したのではないか…などと偉そうに思いました。
雪解けから春を迎える、その途中にある泥まみれの季節の部分が、とても印象に残りました。
汚いものから目を逸らしてはいけないし、そこにあることを自覚しなくては先に進めない。
どうしても自分はきれいでありたいと考えがちですが、しっかり見つめること、自己検証と自己否定、そして自己嫌悪を繰り返すしかないのだろうと改めて思いますし、僕が日々出来ていないと言うことです。
その結果、僕など何者でもないことに気付きますし、日々打ちのめされます。
しかし、何度でもスタートラインに立てると言うことでもあるのでしょう。
僕は言うまでもなくダメダメ人間ですが、本文にあるように「水曜同志でしょう」の末席で日々に臨めれば嬉しいです。
Posted by ブクログ
伝説の深夜番組「水曜どうでしょう」の聖地をめぐる旅。大泉洋以外の3人の旅だが、それがまた良い。 1回目はのめり気味に文章を読み、2回目は写真をじっくり見て、3回目は写真を見ながら文章をじっくり読んだ。
北海道テレビ制作の「水曜どうでしょう」という伝説の番組がある。大泉洋と彼が所属する事務所社長(現在は会長)兼タレントの鈴井貴之(ミスター)、北海道テレビのディレクターの藤村忠寿(藤やん)と嬉野雅道(嬉しー)の4人が出演する旅番組だ。旅番組といっても、情緒あふれる感じのものではなく、4人のドタバタとしたトークで構成されている。当時、大泉洋は20代。他の3人も30代と若く、若者らしいはちゃめちゃな旅なのだ。1996年から2002年にレギュラー放送されていたが、現在でも数年に1回、新作が発表されている。(つい近頃も四人でアイルランドに旅をしている。)
どうでしょう軍団が巡った場所はファンにとって聖地になっている。この本で紹介された4つの街もそうだ。
大分県臼杵市は、「サイコロの旅1」で登場。サイコロの出た目によって公共交通機関を乗り継ぎながら札幌まで帰るという内容だ。道後温泉で振ったサイコロの目によって臼杵市に来てしまった4人。番組では「来たーいと思って来たわけじゃない。」などとミスターに言われてあっという間に通り過ぎた街だが、その後、藤やんと嬉しーが数度訪れて街の素晴らしさを実感。そして今度はミスターを伴っての3人の旅。名物のフグを食しながらの会話が面白い。
2つ目の街、大分県竹田市は、「原付西日本制覇」で登場。大泉洋が東日本編で購入した高崎のだるまのお嫁さん探しにやってきた街だ。
3つ目の鹿児島県霧島市と4つ目の鹿児島市は「対決列島 〜甘いもの国盗り物語〜」で登場した。ミスター・大泉洋の「ミスターチーム」と藤やん・安田顕の「魔神チーム」が、北海道から鹿児島県までの都道府県の「甘いもの早食い対決」で競い合いながら旅をしていくというという内容だ。
この本では、30代だった彼らも20数年後の今、成熟した大人(おじさん)になり、土地の面白さや食の奥深さ、人情が分かるようになったのだと語る。そして若かった頃のバタバタした旅ではなく、ちょっと贅沢にゆっくり旅の良さを味わうようになれたそうだ。
長年のファンも彼らと同様に歳をとり、この本に書かれていることに納得するだろう。「水曜どうでしょう」を知らない人も、写真が美しく楽しめる本になっている。ぜひ読んで欲しい。
最後に、大泉洋が番組内でずっと「アカプルコに行きたい!」と行っていたので、今度は4人でアカプルコをめぐる本を出版して欲しいと思う。
Posted by ブクログ
CREATIVE OFFICE CUEの現会長にして水曜どうでしょうの
ミスター、生涯現役を宣言して今も最前線で活躍中の鈴井貴之の作品。
体裁は小説を中心に前後をエッセイで挟んだ異色作。なんでも、
「小説家と呼ばれるのが恥ずかしい」という実に鈴井さんらしい理由
でこの形態に落ち着いた模様。
小説部分の完成度は非常に高い気が。
暗さと倦怠感が全篇に溢れるちょっとしたイヤミス。気分はどんより
してしまうのだけど、時折剥き身の刃物のような鋭い描写や台詞が
登場してくる。その対比が実に見事で、見てはいけないモノを長時間
物陰から見つめているような緊張感が持続する。このあたりがきっと
鈴井貴之の「狂気」であり、僕が彼にいちばん惹かれる部分。
バラエティで駄洒落を連発し、終始ニコニコしながらも目だけは笑っ
ていない、という鈴井さんのパンクな要素が色濃い。
しかし、物語に密接に関連するエッセイ部分からはホッとするような
「やすらぎ」が。「ダメ人間」の時と同じように徹底的に自分を卑下
しているが、文章は軟らかく圧倒的な説得力もちゃんとある。
「狂気」と「やすらぎ」を同居させ、それらを1つの作品に仕上げて
しまうのだから、その才能には本当に恐れ入ってしまう。
オフィスキューのメンバー、大泉洋も安田顕も戸次重幸も大好きだが、
僕がなってみたい、と思う人間はやっぱり鈴井貴之だな、と改めて。
ラストの文庫版書き下ろしアフターストリーで、ちょっと泣いてみて
ください、皆さん!