あらすじ
家族って何?「ラストファンタジー」とは「空想、幻想の世界と決別し、現実を生きる」という意味。母親に捨てられ、父親と死に別れた経験を持つシングルマザーはまっとうに子供を育てることができるのか。北海道への熱く哀しい思いとともに、小説とエッセイをミックスして、「水曜どうでしょう」の鬼才、鈴井貴之のルーツと今を一冊に凝縮。
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Posted by ブクログ
CREATIVE OFFICE CUEの現会長にして水曜どうでしょうの
ミスター、生涯現役を宣言して今も最前線で活躍中の鈴井貴之の作品。
体裁は小説を中心に前後をエッセイで挟んだ異色作。なんでも、
「小説家と呼ばれるのが恥ずかしい」という実に鈴井さんらしい理由
でこの形態に落ち着いた模様。
小説部分の完成度は非常に高い気が。
暗さと倦怠感が全篇に溢れるちょっとしたイヤミス。気分はどんより
してしまうのだけど、時折剥き身の刃物のような鋭い描写や台詞が
登場してくる。その対比が実に見事で、見てはいけないモノを長時間
物陰から見つめているような緊張感が持続する。このあたりがきっと
鈴井貴之の「狂気」であり、僕が彼にいちばん惹かれる部分。
バラエティで駄洒落を連発し、終始ニコニコしながらも目だけは笑っ
ていない、という鈴井さんのパンクな要素が色濃い。
しかし、物語に密接に関連するエッセイ部分からはホッとするような
「やすらぎ」が。「ダメ人間」の時と同じように徹底的に自分を卑下
しているが、文章は軟らかく圧倒的な説得力もちゃんとある。
「狂気」と「やすらぎ」を同居させ、それらを1つの作品に仕上げて
しまうのだから、その才能には本当に恐れ入ってしまう。
オフィスキューのメンバー、大泉洋も安田顕も戸次重幸も大好きだが、
僕がなってみたい、と思う人間はやっぱり鈴井貴之だな、と改めて。
ラストの文庫版書き下ろしアフターストリーで、ちょっと泣いてみて
ください、皆さん!
Posted by ブクログ
天邪鬼な鈴井さんらしい視点、シナリオ。
自分晒したくない、それが怖いから誰か役を演じる、っという考え方にとても共感出来る。
裏を勘ぐる事≒視点を変える事も納得。
あと、カタカナの使い方と、言葉の繰り返しがちょっとホラーに感じる(笑)