作品一覧
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3.5
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
レヴィ=ストロースは、「悲しき熱帯」や「野生の思考」、インタビュー集などを読んだ事がある。私は、これらの本からにじみ出てくる人柄と知性のありようみたいなものが、とても好きなんだけど、結局のところ、何をいっているのかはよく分からない。というか、「分かる」ということに何がインプリケートされているかというと、哲学的な意味とか現代社会へのインプリケーションとかなんだけど、彼の本は、当然、人類学の本なので、神話だとか、親族だとかの構造がどうなっているという話がメインで、そこから性急にそういうことを直ちに読み取れないのは当然なんだけどね。
さて、「なぜ今、レヴィ=ストロースなのか」というと、個人的に、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人間はおせっかいなサル。頼まれもしないのに相手のために尽くす。
この人間特有の利他的な行動について実験結果もまじえ面白くまとめてあります。
ギブ&テイクの気持ちから行う互恵的利他行為は、自分にとって徳になるからという視点から見てもわかりやすいが、人は直接自分にとって利益につながらないような利他行為も行います。これは逆行的利他行為といいます。
逆行的利他行為は、感謝の気持が根底にあり親切の連鎖を惹き起します。
利他的であるかないかは、親しみやすそう、親切そう、外交的で笑顔があるなどの点で人は見た目で判断できると実験結果でわかるそうです。
また自己の信念を明確に持った者にとっては利他的な行為自体が -
Posted by ブクログ
レヴィ=ストロースの思想についての入門解説書。レヴィ=ストロースのキーとなる概念を幾つか紹介し、それに対する批判を紹介し、さらに筆者によって反批判が繰り広げられる。
レヴィ=ストロースの思想に絞って述べられており、筆者の解釈で書くというスタンスが明確になっていて、それに沿って明瞭な構成をとっているので、非常にわかりやすい。
私個人の考えでは、レヴィ=ストロースは近代の通奏低音であるドイツ観念論を初めてまともに乗り越えた思想家である。彼はまだ死後間もなく、これから研究も進んでいくものと思われるが、その思想史的意義はこれからますます認められていくだろう。
その入門に最適な一書としてこの本をお勧めし