作品一覧

  • 医学と仮説 原因と結果の科学を考える
    4.3
    1巻1,430円 (税込)
    なぜタバコやピロリ菌が発がん物質と言えるのか。目に見えない因果関係はどのように証明されるのか。公害事件で医学者の言動を問うてきた著者が、水俣病・タミフル・放射能など具体例を通して、「実験によるメカニズムの検証」という一見すると妥当な考え方に潜む問題点をつく。原因と結果を結ぶ科学の言葉がわかりやすく解説される。

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  • 医学的根拠とは何か
    4.3
    1巻836円 (税込)
    日本では医学的根拠の混乱が続いている。そのため多くの公害事件や薬害事件などで被害が拡大した。混乱の元は、自分の臨床経験を重視する直観派医師と、実験医学を重視するメカニズム派医師である。臨床経験の数量的分析(疫学)という世界的に確立した方法が、なぜ日本では広まらないのか。医学専門家のあり方を問う。

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ユーザーレビュー

  • 医学的根拠とは何か

    Posted by ブクログ

    めちゃめちゃ。とんがった医師がいた。津田敏秀は、岡山大学大学院環境生命科学研究科教授。専攻は疫学、環境医学、因果推論、臨床疫学である。著者が言っている断定的表現は嫌われるだろうなと思う。だけど、好きだなぁ。容赦しない姿勢が、だから平気で国を訴訟できる学者なのだ。
    本書から、水俣病のところだけを拾って、私の理解を含めて説明すると以下のようになる。
    水俣病は、有機水銀による食中毒事件である。それは、熊本県も国(厚生省)も認識していた。
    1956年5月に最初の患者の届け出。これが公式の水俣病患者の届け出となる。1956年11月に奇病や伝染病でなく、熊本大学医学部は食中毒であるとした。
    にもかかわらず

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    2021年10月20日
  • 医学と仮説 原因と結果の科学を考える

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    因果関係について、疫学が専門の著者が「以前から気がついていたが、日本では科学的な政策判断を行う中央の官僚だけでなく、医学研究者が科学の基本的概念について考えたこともなさそうなのである。」と強烈に皮肉る本です。
    個人的には名著だと思います。
    相関関係と因果関係の違いを勘違いしている人は多いですが、因果関係についてもヒュームの問題を、医学研究者をはじめ、科学に係わる人は教養として置くべきであり、高等教育における方法を見直すべき、との主張はその通りと思いました。
    要素還元主義にとらわれ、日本で行った実際の失敗例として、森永ヒ素ミルク事件、水俣病事件、和歌山ヒ素カレー事件、タミフルの問題を挙げられてい

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    2021年07月04日
  • 医学的根拠とは何か

    Posted by ブクログ

    "医学と仮説"とセットの本とのこと。
    まだ飲み込み切れてないし、疫学以外の医学の価値をあまりに低く見てる気もするけど、そこを割り引いてもとても大事なことを言ってるっぽい。自分がまさにメカニズム派あるいは病態生理派であるだけに、なおのこと響く。



    例えば、

    メカニズムがわからないと環境因子の効果自体を認めないってのは全くおかしい。

    日本の医学部がラボ的な実験医学にあまりに傾倒しており、本来なら医学部で多数行われてよい臨床研究ができていない。臨床研究あるいは医療統計の教育環境が貧しい。

    食中毒の原因が細菌でもウィルスでもなく、先行する知見のない毒物だった場合、病原体探

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    2018年08月22日
  • 医学的根拠とは何か

    Posted by ブクログ

    痛快な本。一気に読み切った。これまでの、そして現在も続いている医学研究や教育についての問題点を痛快に書かれている。ここまで書いていいのだろうかと実名で色々な研究者を批判もしている。数量化の著者による直感派やメカニズム派への批判であるが、数量化が現在の科学的根拠となっている。水俣病や放射線の問題も直感派やメカニズム派の意見のために間違った結論しかでていないと手厳しい。EBMもこのように説明されると理解しやすいが、素人のような読後感となってしまった。

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    2014年09月24日
  • 医学的根拠とは何か

    Posted by ブクログ

    「医学的根拠とは何か」
    この本の題名であるが、何か起こるたびに、さまざまな“専門家”という何がどう専門なのかわからないような人が「医学的根拠」という言葉を用い、その度に考えることでもある。

    そして私は身をもって知っている。日本は医療技術は高くても、医学教育水準は前近代的なうえに貧相極まるものであることを。今の医療レベルの高さは経済発展と国民教育水準の高さに伴ったものであり、医学教育水準が発達してない以上、これから数十年後に日本の医療は金に依ってガラパゴス化した身動きの取れない豚のようになるのではないかと危惧している。

    筆者は今まで日本の医学における問題を一般の書籍において啓蒙してきた方であ

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    2013年12月11日

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