作品一覧

  • 学校の近くの家
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    先生たちのキャラクター。男子と女子の攻防。隣の学区への小さな旅。PTAと子ども会。行事をめぐる一喜一憂。父との微妙な距離感。連続誘拐殺人事件の影。深まる母の謎――。小学生自身の視点で克明に立ち上がる、ノスタルジーも無垢も消失した、驚くべき世界像! 三島賞作家による、スーパーリアルな「小学生小説」。
  • 激越!! プロ野球県聞録
    -
    1巻1,760円 (税込)
    そこが道かと思えば道ではない。ただならぬ事態にようやく気がつく。どこで道を踏み外したのだったか、路上は路上でも鉄道線路上なのだ。東京都内某所、高架線。しかも自分はあるプロ野球チームのユニフォームを着てそこにいる。もちろん追われる身なのである。だから逃げる、だから走る。そう簡単にアウトにされてたまるものか――。(本文第3章より)。純文学×プロ野球×都道府県!? かつてそこにあった危機「球界再編問題」の、数々の名場面と派生的諸問題及び周辺的事件の裏に潜む真実とは――。激越せよ、激越せよと呼ぶ声あり。それはいつ果てるともない、終わりなき旅の記録なのだ。
  • 匿名芸術家
    -
    1巻1,672円 (税込)
    大学の芸術学部で学ぶ作家志望の「私」と、二歳年下の画家志望の「彼」。書く訓練として「私」が何年も続けた「MH式カード」、二人が住む杉並界隈の風景、印象派の画家たちの群像……。創作をめぐる諸断片とともに織り上げられていく、夢を追う若者たちの名もなき時代……。自らの作家になるまでの日々を批評的に描いた、批評的半自叙伝。
  • プロ野Qさつじん事件(書き下ろしすぴんおふ短編4編収録)
    -
    1巻1,650円 (税込)
    昭和が幕を閉じようとしている1988年12月、とあるファミコンゲームが発売された。殺人とニセ札事件の濡れ衣を着せられた主人公が、警察に追われながら自ら犯人捜査に乗り出し、球場のある7つの都市を駆け巡るロールプレイング&アドベンチャーゲーム。その名も『プロ野球?殺人事件!』。登場人物は総勢50人以上、架空のプロ野球界を題材としていた。小学生時代、何度となく行き詰まり、本当にトラウマになりかねないほどショックを受けたプレイ経験を持つ三島由紀夫賞受賞作家が、プロ野球界隈の話題や昭和末期の世相を交えて描く昭和プロ野球ゲーム小説集。伝説のゲームに捧げるオマージュ。
  • 私のいない高校
    3.5
    1巻1,672円 (税込)
    鬼才が放つあまりにも前衛すぎる学園小説。カナダからの留学生を受け入れた、とある高校での数ヶ月の出来事――。普通すぎるのに普通じゃない、物語という概念を徹底的に排除した、「主人公のいない小説」 (講談社文庫)

ユーザーレビュー

  • 私のいない高校

    Posted by ブクログ

    読んでるうちはそうでもないのだが、読み終わってからぐわわわ〜と来る・・・すごい小説。
    海外からの留学生を受け入れた高校の、2年菊組の1学期が淡々と語られる。他の方が書いている通り、先生が主人公っぽいけどピントがズレていて明確な主人公が不在のまま物語が進んで行く。特別な事件が起きる訳でもなく、大どんでん返しがある訳でもない。悪く言えば「退屈でよく分からなかった」しかし私としては「これこそ高校生活」と思った。現実の高校生活に主人公はいない(強いて言うなら自分だけど・・・)、そして事件も起きない(私の高校生活の一大事件など卓球部の短パンが盗まれたくらいである)マンネリで退屈で『よく分からない〜』が本

    0
    2014年03月25日
  • 私のいない高校

    Posted by ブクログ

    なんともおぞましい小説。“私”や“物語”の不在がおぞましいのではなく、それ以外の事象(≒出来事)があまりにも満ち足りており、それが定型句による記述のみで成立することに戦慄した。『私のいない高校』は“ページをめくる”という行為が内包している物語への期待や欲望を悉く裏切る。だからこそ、ページをめくる行為をやめられない。これがたとえばスマホでスクロールしながら読む形式だったら多くの人間が頓挫したであろう。
    二巡する意義のある小説。一巡目は奥付にぶちあたるまで、物語を期待し続ける。いわゆる小説が好きな人ほど、その呪縛から逃れられない。しかし、二巡目はそうはいかない。どんな景色が待っているのだろうか、今

    0
    2012年11月24日
  • 私のいない高校

    Posted by ブクログ

     第1回の三島由紀夫賞受賞作は高橋源一郎の『優雅で感傷的な日本野球』だ。これが面白く、以来、三島由紀夫賞受賞作が気になっている。『新潮7月号』で第25回の三島由紀夫賞受賞作が発表されており、早速、この受賞作を読んでみた。
     帯には「わからない愉しさ」「主人公のいない青春小説」、さらには、「これまで読んだ中で、もっとも不可解な小説」という豊崎由美氏の書評の引用もある。
     この作家の小説は初めて読む。読み進めるのが辛い。語り手という中心が無いことから来るものだと感じる。末尾で、実在する教務日誌に刺激を受け、これを改変・創作した作品であることが明かされている。学校内部の世界に忍び込んだ作家は、いつの

    0
    2012年07月13日
  • 私のいない高校

    Posted by ブクログ

    ストーリー皆無。人格不在。もちろん作者の「言いたいこと」など何ひとつ書かれてはいない。史上最も国語入試問題に不向きな小説の誕生。

    しかし何気ない描写がいちいち面白く、だがそこに物語的な面白さは一切ないと言い切れるのが凄い。描かれているのはただただ、「日本の高校にやってきた外国人留学生の日常」。それ以上でも以下でもない。さも山場っぽく修学旅行が描かれるが、そこには突然の告白も熱い友情もなければ「外国人から見たニッポン」といった類のいかにもな発見も別にない。

    その面白さの質は、まさに我々が日常生活(学生生活)の中で、自分だけにとって面白いと感じる個人的な感触に満ちている。それが極めて平坦に平板

    0
    2012年04月27日
  • 私のいない高校

    Posted by ブクログ

    タイトル通り、「私」=主人公がいない高校生活を描いた興味深い小説。
    著者と世代が近いせいか、ところどころ懐かしさを共感出来る部分があった。
    淡々としていて面白かった。

    0
    2011年10月15日

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