台湾の過去10年くらいの時事について、もともと別雑誌で連載されていた記事をまとめて書籍化されたもの。
ただし、個人的にはとても面白いアプローチがなされていると思ったのでメモ。
雑誌等に連載されたものの書籍化はよくあることだが、それを編集せずにテーマ別にそのまま掲載している。
もちろん、記載は当時
...続きを読むのままであるので、結果・結論が未完であることも多いが、面白いのは注釈としてその後の経過が付記されている点。
これにより、当時筆者がどのような経緯で記事を書いていたか、それが結果としてどのようなものであったか、当時の観測はどの程度正しかったと言えるのか、外れた場合はなぜそのようなジャーナリズムに当時なってしまっていたのか、とういのが時系列で追えてとても躍動感が出ると思う。(本書にそこまでの考察は無く、読者の勝手な想像になるが)
これはありそうでなかなか無かったアプローチじゃないかな?と思う。
要望としては、もっと注釈(その後の結果・結論に加えて考察、その当時の自身の記事の振り返り、反省点?など)を充実してもらえると、より読み応えが出る。
あと、各節にいつ掲載された記事だったかもタイトル下に記載いただければと(一応巻末にもあったが、それだと不便だったため)
最近のジャーナリズムは、内容の深さの割に、インプレッションを稼ぐためのセンセーショナルなタイトル付けがされるなど、ある種の消費材のようになっていて、嫌気がさしていたが、もし本書のように、一定期間置いてから「総括」がされれば、洗練されより価値が生まれるだろう、とよい気づきが得られたようい思う。
#内容への書評ではなく恐縮だが、、