目次の「テオドール・クルレンツィスを検証する。」が目に留まり、パラパラと読んでみました。
クルレンツィス&ムジカエテルナは、ベートーヴェン交響曲第5番を聴いて独特な演奏だなと感じた指揮者とオケです。
著者の平林さんも革新的な解釈だと評していますが、どうしても理解できない部分が多いみたいです。
平林
...続きを読むさんが特に気に入らないのが、ベートーヴェン交響曲第7番の第2楽章の冒頭で、これについては私も同感です。
しばらく(2分間くらい)全く音が聞こえないのです。(すご~く小さな音で鳴っています)
音量の強弱操作が極端すぎて落ち着いて聞けない演奏は他にもありますので、私と似たような印象を持っているかもしれません。
その他では、インバルのマーラー交響曲全集の録音方法の話とか、カルロス・クライバーの"田園"は息子が持っていたテープから起こしたとか、録音に関する裏話が楽しめました。
あと、ジョージ・セルのベートーヴェン交響曲全集を聴くきっかけになりました。
平林さんは好みがはっきりしていて、セルは嫌いで聴く気にならない指揮者だったようです。
ところが、ベートーヴェン交響曲全集を聴いて評価が180度変わったようです。(なんて気まぐれな人!)
セルの演奏は細部まで徹底してごまかしなしと絶賛するに至っています。
そんなに褒めるならと聴いてみましたが、評論どおりの響きで気に入りました。
平林さんは既存の音源を編集・調整してCD制作する仕事をしていますが、最近のリマスタリングCDの中には音をいじりすぎて、元の音源と雰囲気が明らかに異なる演奏になっているものもあるようです。
編集する人の好みで音に手を加えているのですから、そんなことも大いにありそうですね。