作品一覧

  • 生き延びるために芸術は必要か
    4.0
    1巻1,210円 (税込)
    私は2019年から現在まで、某大学で毎年数回の講義を担当させてもらっている。美術家としての私がその時々に考えたこと、伝えたかったことをお話しするのだが、これまでの議論を振りかえってみると、「生き延びる」というテーマに関連した内容が意外に多かった。(「はじめに」より)セルフポートレイト作品で知られ、「私」の意味を追求してきた美術家が、「生き延びるとは何か」というテーマに取り組んだ人生論ノート。
  • 自画像のゆくえ
    4.2
    1巻1,650円 (税込)
    だれもが感じているように、現代ほど「わたしがたり」にあふれかえった時代はこれまでになかった。世界的にその傾向にあるのかもしれないが、日本ではこの傾向がとくに顕著であるようにも思われる。(中略)本書は、私なりの想像力をつけくわえて試みた、自画像の歴史をめぐる、21世紀人のためのツアーである。――セルフポートレイト作品を作り続けてきた美術家が約600年の自画像の歴史をふりかえりながら綴る「実践的自画像論」
  • 知識ゼロからのフェルメール鑑賞術
    4.3
    1巻1,232円 (税込)
    疲れた現代人を癒すような、静かでひかえめなフェルメールの世界を探究。「なぜ小さいのか?」「なぜ少ないのか?」「なぜ青なのか?」……“美しすぎる謎”がこの一冊でわかる!

ユーザーレビュー

  • 自画像のゆくえ

    Posted by ブクログ

    これかなり面白いな・・・
    作品の解釈は自由だけど、明確な理由を根拠にした仮説に基づく解釈がなされると本当に面白い。すごい本だった。
    自画像の祖的存在はファン・エイク(1395〜1441)。『赤いターバンの男』。15世紀に今日我々が知るような鏡が誕生した。それが自画像の始まりに必要不可欠であった。
    登場はダ・ヴィンチ、カラヴァッジョ、ベラスケス、レンブラント、フェルメール、ゴッホ、フリーダ・カーロ、アンディ・ウォーホル、著者自身。

    備忘的にキーワードを・・
    ・ダ・ヴィンチ:絵は9点しか残っていない。完成された作品は「受胎告知」「岩窟の聖母」「最後の晩餐」のみ。ダ・ヴィンチを描いた絵は本人のもの

    0
    2020年04月11日
  • 知識ゼロからのフェルメール鑑賞術

    Posted by ブクログ

    セルフポートレートをされてる森村さんらしい視点に、既存のフェルメール研究家とは違う発見があってとても面白かった。

    0
    2014年07月01日
  • 生き延びるために芸術は必要か

    Posted by ブクログ

    芸術家は、制作活動を続ける上で、権力者に一定の配慮をする必要があった。
    かっての芸術活動は、王侯貴族などのパトロンがいてこそ継続できた。

    例えば、王侯貴族の肖像画を描く際に、スポンサーが喜ぶように描くこと。

    本書では一例として、19世紀のスペインの画家、ゴヤの作品、カルロス四世の家族、を挙げている。

    当時は皇后が実権を握っていた。その皇后の肖像を中央に描く配慮はしたものの、美しく描かなかった。
    当時の肖像画が、少し盛って美しく描くのが当たり前だった。

    この作品を観た皇后は、怒りを覚えたかもしれないが、破棄せず残すことを選んだ。
    その理由は、愛する我が子と中央に並んだ絵画、つまり次の王は

    0
    2025年11月21日
  • 生き延びるために芸術は必要か

    Posted by ブクログ

    おもしろかった。
    特にタイトルとなった第6話がよかった。

    見出しの言葉が端的でそれだけでもはっとする言葉。(以外、見出し)
    役に立つことと、生き延びることはおなじではない
    生き延びたいとねがうのはだれか
    「本になる人びと」がおしえてくれること
    芸術家を支援するには鉄則がある
    芸術とは、百年単位で作り上げる「普遍妥当性」である
    無観客の展覧会とはなにか
    「作品」と「商品」はなにがちがうのか
    「あったらいいな」と「ありえへん」
    美術館は、よくわからない
    「芸術」と「芸能」と比較する
    若い者の胸をあわだたせていた時代
    「アイデンティティの空白」を批判される
    生き延びるためには、勇ましくあってはなら

    0
    2025年11月09日
  • 生き延びるために芸術は必要か

    Posted by ブクログ

    第1話 生き延びるのはだれか
    p.55 もちろん戦争や災害や差別や弾圧、そうしたくり返される人間の悲劇をまのあたりにすると、「人間が生き延びるために、私たちは何をするべきか」という問いがもつ切迫感によくさいなまれます。しかしそうした人間の、ある意味愚行の歴史をかえりみる方法としても、「私たち人間」という唯一無二であるかに思える主語(主役)と一度決別してみるべきだと提案してみたいんのです。

    第6話 生き延びるために芸術は必要か
    p.173 「商品」とは、「あったらいいな」の世界である。「作品」とは、「ありえへん」の世界である。

    0
    2024年09月29日

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