森村泰昌のレビュー一覧

  • 自画像のゆくえ

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    これかなり面白いな・・・
    作品の解釈は自由だけど、明確な理由を根拠にした仮説に基づく解釈がなされると本当に面白い。すごい本だった。
    自画像の祖的存在はファン・エイク(1395〜1441)。『赤いターバンの男』。15世紀に今日我々が知るような鏡が誕生した。それが自画像の始まりに必要不可欠であった。
    登場はダ・ヴィンチ、カラヴァッジョ、ベラスケス、レンブラント、フェルメール、ゴッホ、フリーダ・カーロ、アンディ・ウォーホル、著者自身。

    備忘的にキーワードを・・
    ・ダ・ヴィンチ:絵は9点しか残っていない。完成された作品は「受胎告知」「岩窟の聖母」「最後の晩餐」のみ。ダ・ヴィンチを描いた絵は本人のもの

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    2020年04月11日
  • 知識ゼロからのフェルメール鑑賞術

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    セルフポートレートをされてる森村さんらしい視点に、既存のフェルメール研究家とは違う発見があってとても面白かった。

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    2014年07月01日
  • 生き延びるために芸術は必要か

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    芸術家は、制作活動を続ける上で、権力者に一定の配慮をする必要があった。
    かっての芸術活動は、王侯貴族などのパトロンがいてこそ継続できた。

    例えば、王侯貴族の肖像画を描く際に、スポンサーが喜ぶように描くこと。

    本書では一例として、19世紀のスペインの画家、ゴヤの作品、カルロス四世の家族、を挙げている。

    当時は皇后が実権を握っていた。その皇后の肖像を中央に描く配慮はしたものの、美しく描かなかった。
    当時の肖像画が、少し盛って美しく描くのが当たり前だった。

    この作品を観た皇后は、怒りを覚えたかもしれないが、破棄せず残すことを選んだ。
    その理由は、愛する我が子と中央に並んだ絵画、つまり次の王は

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    2025年11月21日
  • 生き延びるために芸術は必要か

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    おもしろかった。
    特にタイトルとなった第6話がよかった。

    見出しの言葉が端的でそれだけでもはっとする言葉。(以外、見出し)
    役に立つことと、生き延びることはおなじではない
    生き延びたいとねがうのはだれか
    「本になる人びと」がおしえてくれること
    芸術家を支援するには鉄則がある
    芸術とは、百年単位で作り上げる「普遍妥当性」である
    無観客の展覧会とはなにか
    「作品」と「商品」はなにがちがうのか
    「あったらいいな」と「ありえへん」
    美術館は、よくわからない
    「芸術」と「芸能」と比較する
    若い者の胸をあわだたせていた時代
    「アイデンティティの空白」を批判される
    生き延びるためには、勇ましくあってはなら

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    2025年11月09日
  • 生き延びるために芸術は必要か

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    第1話 生き延びるのはだれか
    p.55 もちろん戦争や災害や差別や弾圧、そうしたくり返される人間の悲劇をまのあたりにすると、「人間が生き延びるために、私たちは何をするべきか」という問いがもつ切迫感によくさいなまれます。しかしそうした人間の、ある意味愚行の歴史をかえりみる方法としても、「私たち人間」という唯一無二であるかに思える主語(主役)と一度決別してみるべきだと提案してみたいんのです。

    第6話 生き延びるために芸術は必要か
    p.173 「商品」とは、「あったらいいな」の世界である。「作品」とは、「ありえへん」の世界である。

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    2024年09月29日
  • 自画像のゆくえ

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    自ら様々な著名人に扮したポートレイト作品を発表している著者による、自画像に対する読み応えのある論説。

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    2023年12月02日
  • 自画像のゆくえ

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    歴史上の人物や偉人・有名人などへの変装したセルフ・ポートレイト作品を一貫して発表し続ける現代芸術家の著者が、自身がこだわり続ける”自画像”とは何かを巡って記された論考。新書でありながら、何と600ページを超える大作。

    その多くは、彼が惹かれる”自画像”にまつわるアート界の大家を巡るものである。カラバッジョにはじまり、ベラスケス、レンブラント、フェルメール、ゴッホ、フリーダ・カーロ、そしてアンディ・ウォーホル。各作家にとっての”自画像”の意味合いや、作品のからくりなどが緻密に分析されており、”自画像”というテーマがここまで奥深いものだとは、という新鮮な感動を覚えた。

    読みえると、正直”自撮り

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    2021年11月28日
  • 知識ゼロからのフェルメール鑑賞術

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     先日小説「真珠の耳飾りの少女」を読んだので、いったいフェルメールの絵というのはどんなものなのか、興味があって手に取った。寡作だったフェルメールの代表的な絵をソロれぞれを、詳しく、そして時に非常に妙な視点から解説している。寓意の創造だけではなくて、いったいどのような遠近法を用いているのか、隠れている部分にはどのようなものがあったはずなのか、実際の絵の舞台はどのような広さだったかなどが綿密に検証されている。妙な目の付け所に感心したりして、絵の楽しみ方の新たな一面を知った気がする。

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    2020年06月10日
  • 自画像のゆくえ

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     自画像とは、明治以前の日本には根付いていなかった「西洋の精神」そのものであり、その精神を取り込むことこそが当時の日本美術界における至上命題であった。であるならば、その「描かれるべき西洋の精神」とは日本人にとって何だったのか。本書は、この問いに答えるべく、自画像(もしくは画家の視点を取り入れた絵画)を多く描いたとされる10人の西洋画の大家の生涯と作品に触れながら、「セルフポートレイト」をテーマに作品を描き続けた自身の半生と戦後日本のあゆみ、そして今を生きる我々の未来を考察する大著。

     知性と権威を象徴する肖像画のプロトタイプとなったダ・ヴィンチ。
     ナイフがわりに絵筆で自らのうちに潜む悪徳を

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    2020年03月17日
  • 自画像のゆくえ

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    かなりおもしろい。「自画像」という観点から絵画の読み取り方をみせてくれる。深く読み込み、自分なりに想像することの面白さ、大切さを学んだ。

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    2020年02月21日
  • 知識ゼロからのフェルメール鑑賞術

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    読書録「知識ゼロからのフェルメール鑑賞術」4

    著者 森村泰昌
    出版 幻冬舎

    p69より引用
    “「まねぶ」とは、「まねる」と「まなぶ」
    双方の語源となる古語。「まねる」と「まな
    ぶ」は出所が一緒。「まねる」ことは「まな
    ぶ」こと。まねてみると、たくさんのことが
    まなべます。”

    目次から抜粋引用
    “フェルメール、謎の生涯と作品
     《絵画芸術》を読み解く
     風景画に隠された秘密
     人物画に潜ませたメッセージ
     描かれた女性は誰なのか”

     美術家である著者による、画家フェルメー
    ルについての研究を記した一冊。
     フェルメールの人物像から個々の作品の
    解説・考察まで、歴史背景なども交えて書か

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    2015年10月17日