上林周平の作品一覧
「上林周平」の「人的資本の活かしかた 組織を変えるリーダーの教科書」「組織の未来は「従業員体験」で変わる――人手不足の時代にエンゲージメントを高める方法」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
部下たちのやる気を出したいリーダーへ
──「心が動く」から、人は動き出す
この本を読んで、昔、新卒で入った会社のことを思い出した。
配属された職場は、実績もあり、仕組みも整っていた。やるべきことは明確で、指示も正しい。それなのに、正直に言えば、心はあまり動いていなかった。
仕事の意味も説明された。会社の理念も聞いた。でも、「この人のために頑張りたい」と思える相手が、当時の職場にはほとんどいなかった。
■ 先輩に言われた、忘れられない一言
そんなとき、先輩にこう言われたことがある。
「会社が好きになれなくてもええ。でも、その店長や上の人が好きやろ?ほな、それでええねん。だから、その人についていけるんや。」
当時は、なんとなく分かったような気がしただけだった。でも今、この本を読んで、あの言葉の意味がはっきり分かった。
■ 人は「組織」ではなく「人」に動かされる
この本が一貫して伝えているのは、とてもシンプルな事実だ。
人が動く理由は、正しさでも、評価でも、理念でもなく、関係性と共感にある。
友達のためなら頑張れる。家族のためなら踏ん張れる。推しのためなら、時間も労力も惜しくない。
仕事も同じで、「あの人のためなら」と思えた瞬間、仕事は「やらされ感」から「自分ごと」に変わる。
会社という大きな存在を、いきなり好きになれなくてもいい。まずは、目の前の一人。それで人は、ちゃんと動ける。
■ 共感は「優しさ」ではなく、行動を生む技術
印象的だったのは、この本が共感を「性格」や「思いやり」で終わらせていない点だ。
共感は、人を甘やかすことでも、機嫌を取ることでもない。
人の心を動かし、行動につなげるためのマネジメント技術だと、はっきり書かれている。
理念を語る前に、制度を整える前に、まず目の前の部下を知ろうとすること。
小さな共感ポイントを、職場に一つずつ増やしていくこと。それが結果的に、チームを前に進める力になる。
■ AI時代だからこそ、リーダーに残る仕事
これからAIは、組織を分析し、最適な判断をし、正しい指示を出せるようになるやろう。
でも、人の心に共感を生み、「この人についていきたい」と思わせることは、AIにはできない。
会社が好きになれなくても、誰か一人を信頼できたから、前に進めた。あの先輩の言葉が、今になって胸に刺さる。
AI時代だからこそ、職場を「推せる場所」に変える共感を生む巻き込み力が、これからのリーダーに一番求められる力なんやと思う。
部下たちのやる気を出したいすべてのリーダーに、静かに、しかし確かに効く一冊だった。
今回もアスコム社様からご献本いただきました。いつも良書をお送りいただきありがとうございます。
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#書評#マネジメント#リーダーシップ#部下育成#共感
Posted by ブクログ
今まさに旬の話題である人的資本の活かし方を論じた本。今春から上場企業の開示義務事項になった事もあり、お仕事の関連で読んでいる方も多いのでは。
全体像や背景、陥いりやすい罠に至るまで広く論じられており、教科書とあるように基本事項中心にまとめられています。
全体に社員それぞれの持つ力を具体的に把握し、その強みを発揮できる場所にアサインし、個人それぞれの人材力を仕事を通じて伸ばす点にフォーカスされています。
この人的資本の向上の観点と組織力強化の観点をいかに両立すべきか(あるいは相反する場合にはどちらを優先すべきか)が、今日的経営の最大の焦点な気がしています。
人材供給不足、テクノロジー進化、働く人の意識やキャリア感の変化など、既存組織もそのあり方にチャレンジを受けています。
しばらくはこの個人と組織の綱引きの推移により、組織も変わり個人も変わる。そして新時代の組織観と組織が生まれていくことによって、強い事業と個人の生き方、キャリアのあり方が一日も早く構築される事を願い、自分もその動きに邁進したいです。