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「北田暁大」の「あいまいな日本のリベラル」「社会学はどこから来てどこへ行くのか」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
(2018/7/11)
ブレイディみかこ
松尾匡
北田暁大
左派による反緊縮政策を!がテーマの本。
保守、リベラル、右派、左派という言葉の定義が、
今の政治家の振る舞いの中で意味不明になりつつある。
保守本流を名乗る安倍政権の金融緩和政策が実はリベラル的だったりしているのがその証左。
と言って安倍さんにリベラルな気持ちなど全くなく、
ただ、国民受けする政策をして支持率を上げて、悲願の憲法改正がしたいだけ。
自民党のその他の有力者は皆財政均衡、消費税増税派。
田中角栄時代の自民党はもうないのだ。
だからこそこの本は問う。
今こそ左派は反緊縮政策を掲げ、現政権を倒せと。
政治は経済だ。
私は、今は諸悪の根源のように語られることの多いミルトン・フリードマンの理論の信仰者。
彼の理論を「新自由主義」とすることには違和感はある。
大きな政府、国民から税金を集め恣意的に使う、というやり方に反対、
というのは正論だと思う。今でも思う。
そんな大金の投資先を、正しい判断が出来る人なんていないだろうと。
その点、消費税増税はある意味大きな政府につながるわけで、
フリードマンがたたかれるのもそういうことか?
ベーシックインカムはありだと思う。
よくよく考えれば、民主党の子供手当は、ある意味子供へのベーシックインカムだったのではないか。
これを国民全員に広げる。
財源は?
日銀が刷る。
それで行けるのではないか。
ハイパーインフレが怖い?
貯金している人が怖いだけ。持たない人は怖くない。
そもそも今の財政不均衡とやらも、実は不均衡ではないのだ。
金持ちの貯金が銀行を経由して国債となって日銀に買われているのだから。
貯金という生きていないお金が借金の形を取って生きるのだ。
そもそも経済でこれが正しい、なんてことはない。
昔は金本位制が正だった。今誰もそんなこと言わない。
今や国の保証さえいらない、という仮想通貨が出回っている。
要はものが、役務が動けばいいのだ。
老人が老後の心配にとっておいている金を市場にださせればいい、と「心理経済学」で
大前研一氏が言っていたが、まさにそうだ。
お金、なんてなんでもないのだ。
皆が人の役に立てば、世の中は回る。
そういう世の中を作らなきゃ。
老人が自分の財産にしがみついて若者を犠牲にする社会に未来はない。
老後の備えの財産が1800兆?国民一人当たり1500万?
信じられん。
第1章:下部構造を忘れた左翼
第2章:「古くて新しい」お金と階級の話
補論1:来るべきレフト3.0に向けて
第3章:左と右からの反緊縮の波
第4章:万国のプロレタリアートは団結せよ!
補論2:新自由主義からケインズ、そしてマルクスへ
Posted by ブクログ
「左派」論者3名による経済政策論かつリベラル批判の対談書。日本のリベラル派を、経済成長政策を疎かにしてきたと批判し、文化的・制度的な面での公正性を重んじるだけでなく、「明日どうやって飯を食っていくか」に直結する経済政策もちゃんと考えろと指摘している。この本を読むことで、リベラルを自称し人権を重視し・・・と考えている人が、自分の視野の狭さに気付かされるかもしれない。僕はそうだった。
対談の著者は三名。①『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』で有名なイギリス在住の文筆家、ブレイディみかこ。②マルクス経済学を専門にする立命館大学の経済学教授、松尾匡。③理論社会学でメディア史を専門にする東大大学院教授、北田暁大。戦後史、経済理論史、時事問題(ブレグジット、ギリシャ危機など)を幅広く取り上げつつ丁寧に説明しており、我々はどこからきて、今どこにいるのか、そして今後どこへゆくのかの文脈について、整理することができる。面白い。
また、この本を読んで感じたのは、経済政策を評価(立案・投票などすべて)するとき、私たちはどんな社会(国)作りがしたいのかをそもそも考える必要があるということ。
税金の使い道についても、税の累進性の政策の是非についても、結局何がしたいのかの目的に紐づけて、メリデメを評価する必要がある。
ついては、日本にそういった明確なビジョンがあるだろうかと思うと、色んな政治家がビジョンを出していることにようやく気づく。また様々な政策研究会議においてビジョンらしきものが提示されている。
「株式会社ニッポン」があるとしたら、世界市場でどんなポジションで、どういうミッション・ビジョン・バリューを持ってやっていこうとしているのか、もっと明確に理解していきたい、、、
本書が重要だと思えるのは、現実主義的な語り口だからだ。ライツ・トーク(rights talk)と呼ばれる、人権をベースとするリベラリズムの考え方(とくに、rights as a trump *人権の切り札性)の理想主義的な部分を認め、それだけで物事を判断しきれない、また政策として不十分な部分を解消するために、適切な経済成長や、適切な財政出動を推奨しているからだ。
一方で政策論はそれとして、その政策を実現するためには民意を動かしていく必要があるが、その民意が分断されている(=ソーシャルアパルトヘイトの)現状で、どう人々が交わっていくかについては、この本のスコープではカバーされていない。「リベラル」な自分が本当のところ「左派」になれないのは、この分断を作っている一員だからだと感じるが、これを乗り越えるために何ができるのか、強い課題意識を持った。
Posted by ブクログ
イギリス在住ライターのブレイディみかこ、経済学者の松尾匡、社会学者の北田暁大の3名による鼎談本。
ブレイディさんのヨーロッパ政治経済の知識と、松尾さんの経済学をベースに、北田さんが整理している感じ。「アベノミクス憎し」で経済政策が混迷している左派に警鐘を鳴らしている。
第二次安部政権のアベノミクスのうち、金融緩和はデフレ経済では当然の政策で批判されるものではないのだが、左派はアベノミクスに反対せざるを得ないので賛成できないという奇妙な立場にあった。
続けて財政出動も、脱デフレを目指す雇用創出のための妥当な政策だった。
これらは小泉政権の新自由主義ではなく、むしろ逆に左派的な経済政策なのだが、安部首相が主導しているせいで左派はなぜか逆にこれを批判する形になった。
アベノミクスで批判されるべきは財政出動が選挙前に限られていたことや、規制緩和は金融緩和・財政出動と関係がなく、場合によっては矛盾することにあり、左派は本来「もっと財政出動しろ」と言うべきだった、というのが本書の主張。
安部首相がこのように左派的な経済政策をとった裏には支持を得て改憲など「本当にやりたいこと」をやるための下地作りがあったと思われ、これは一定以上に成功したが、改憲などに移る前に、森友・加計問題や「桜を見る会」などのお友達優遇や支持率は下がり、そこに新型コロナウイルス対策も重なり体調不良により辞任し、菅政権となった。
菅政権は、安部政権以上に権力を好き放題に振るう一方、経済政策は方向性が全く見えないため、左派にとっては有利な状況と言える。
しかし本書に従えば、野党は相変わらず不祥事の追及などに終止していて、アベノミクスのような「期待を持たせる経済政策」を打ち出さない限り、積極的な支持を得ることは難しいだろう。