西條勉の作品一覧
「西條勉」の「アジアのなかの和歌の誕生」「『古事記』神話の謎を解く かくされた裏面」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
古事記は日本「国家」の起源を語るために創作されたもの。もともと土着の民話ではオオナムチとスクナヒコナが国を作っていったのに、古事記は二人を引き離して、オオナムチはオオクニヌシに作り替え、スクナヒコナは無名の神とし、オオクニヌシが皇祖神に国を献上する話とした。日本書紀は漢文で書かれているのでよりいっそう、国際社会における日本の起源として、国際視点で書かれているのが面白いと思った。日本の異界はもともと水平型なのに、垂直型の、高天の原ー葦原の中つ国ー根の堅洲国・黄泉の国を措定しているとかね。
話型の話が結構出てきたけど、世界のさまざまな神話民話とつながる話型があるのは面白いと思う。バナナ型の石長姫と木花開耶姫とか、聖書のラケルとレアと一緒。
Posted by ブクログ
古事記の表の物語だけでなく、裏に込められた意図を読み解く一冊。
古事記は地方にそもそも伝えられていたストーリーをまとめたものではなく、新しく書き換えられた、『日本を創る神話』なのだと理解しました。
神話を普通の面白い物語としてしか読んでいなかったので、こんなに作り込まれたストーリーなのだと知って驚き。(諸説あるのだとは思いますが)
一つ一つの話が、日本を確固たるものにするため、万世一系を説得力のあるものにするために、繋げられていました。
古事記のストーリーを確認しながら、行きつ戻りつで読みすすめたので、ページ数の割にかなり時間がかかりました。他の説もいろいろと読んでみたいなあ。
2020.02.15
Posted by ブクログ
神話は不合理だ。
意味不明な表現、唐突な展開、理不尽なストーリー。幼い頃はそれで混乱し、衝撃的だったことを覚えている。成長するにつれて「神話とはそういうもんだ」と受け入れるようになっていった。それが大人の対応だと思っていたけど、実のところ思考停止していただけだったのかもしれない。
不合理に見える部分にメスを入れ、その理由を検証することで、「ほんとうは何を言っているのか」が見えてくる。これが本書の趣旨だ。
正直、本書の説明を読んでもよくわからなかった部分は多々ある。
それでも「あ、この部分てやっぱり変なんだ」ということを共有できただけでも収穫はあったと思う。本書がいうには、アマテラスとスサノオの「ウケイ」(弟に邪心がないことの証明としてお互いの持ち物を交換して子を生む)のストーリーは、いろんなものをあいまいにすることこそがねらいだったのだとか。
しかし、もう少し歴史とリンクした考察を期待していたのだが、そうではなかった。
一番わかりやすかったのは天孫降臨について。
日本は、中国の天子受命の思想を取り入れながら、それを起源化することで、革命の思想を排除した。日本の「万世一系」はこうして作られた。