西條勉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
古事記の表の物語だけでなく、裏に込められた意図を読み解く一冊。
古事記は地方にそもそも伝えられていたストーリーをまとめたものではなく、新しく書き換えられた、『日本を創る神話』なのだと理解しました。
神話を普通の面白い物語としてしか読んでいなかったので、こんなに作り込まれたストーリーなのだと知って驚き。(諸説あるのだとは思いますが)
一つ一つの話が、日本を確固たるものにするため、万世一系を説得力のあるものにするために、繋げられていました。
古事記のストーリーを確認しながら、行きつ戻りつで読みすすめたので、ページ数の割にかなり時間がかかりました。他の説もいろいろと読んでみたいなあ。
2020. -
Posted by ブクログ
神話は不合理だ。
意味不明な表現、唐突な展開、理不尽なストーリー。幼い頃はそれで混乱し、衝撃的だったことを覚えている。成長するにつれて「神話とはそういうもんだ」と受け入れるようになっていった。それが大人の対応だと思っていたけど、実のところ思考停止していただけだったのかもしれない。
不合理に見える部分にメスを入れ、その理由を検証することで、「ほんとうは何を言っているのか」が見えてくる。これが本書の趣旨だ。
正直、本書の説明を読んでもよくわからなかった部分は多々ある。
それでも「あ、この部分てやっぱり変なんだ」ということを共有できただけでも収穫はあったと思う。本書がいうには、アマテラスとスサノオ -
Posted by ブクログ
古事記はわが国最古の歴史書だ。にもかかわらずその内容はあまり知られていない。古事記を知るということは、とりもなおさず日本を知るということに他ならないのである。
さて、古事記には日本神話が書き記されているが、「日本」の意味について知っている人がどれほどいるだろうか。かつて日本は「倭」と呼ばれていた・大和朝廷時代、この国の君主は大王と呼ばれていた。倭王武とは雄略天皇だと高校の日本史でも習ったことだろう。これが、天武天皇のときに君主=天皇に変わった。 道教における最高神が天皇だったからだ。
中国で、天皇(てんこう)は北極星を意味する。それは東方世界の最高支配者である、東方とは太陽の昇る「日の