1.お酒を全く飲まないのですが、獺祭が有名であることは知っていたので、なんとなく知りたいくらいの軽い気持ちで読みました。
2.獺祭を製造している旭酒造の社長である桜井氏が会社をどのように経営しているのか、獺祭に対してどれほどまでに愛情を持ち、消費者の幸せと結び付けているかが強く伝わる一冊です。
タ
...続きを読むイトルからは組織論について書かれていると思われますが、それだけではありません。獺祭をどのようにブランド化していくのか、という商品面やマーケティングについても書かれています。難しい用語は一切書かれておらず、ひたすらに考えてひたむきに実行してきた姿が書かれています。
3.タイトルで「仕組みと作る」と述べていたのに、本書の最後では仕組みに頼りすぎないと言っているところに面白さを感じました。なによりも大切なのは仕組みを運用する「人」の問題であり、勝ち続けるというよりも挑戦し続けた結果、勝つということが本書で述べたいことだと感じました。
また、日本酒という伝統産業に属する中で、伝統を壊して新しいものを作る姿勢が本を読んでいてとても伝わりました。日本の食を取り巻く環境は二極化しており、まだまだ伝統に固執している業界です。著者が70歳を超えてもなお、伝統を破壊していく考えを持っていられるので、一般の人とは違うなと改めて感じました。
私が70歳になったらこんな考えでいたいと思わせてくれる1冊でした。