桜井博志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
(2014/11/30)
1984年、酒蔵が4つしかない山口県にあって四番手の旭酒造。要するにダメ会社。
先代の急逝で勘当から戻ってきた三代目。
失うものは何もないと、杜氏ではなく自分たちでマニュアル通りに酒を作り始めて
生まれたのが、いまやどこに行っても品切れの獺祭!
カンブリア宮殿で見た内容とそんなに変わってないけど、
自分自身が日本酒にのめりこんできただけに、
なんだか新鮮。
ほとんどの経営者が失敗する中、うまく行ったからこういう本が書ける。
成功した人の話は楽しいが、同じことをやってもうまくいくとは限らない。
ただ言えるのは、座して死を待つ寄りは自分で考えて挑戦するものにしか成功は -
Posted by ブクログ
(「普通」はすなわち「負け」とは?)……私が社長になったころの旭酒造にとって、酒蔵商売の”正攻法”とは、一生懸命に酒屋さんを回って人間関係を築き、酒を売ってもらうことにありました、それが、一般的な酒蔵のスタイルだったのです。酒蔵といえども企業です、企業である限り社会に貢献しなければ存続する価値はない。「徹底的に『美味しい酒』を造ろう」それは、挑戦という名の、さらなる困難に足を踏み入れた瞬間でした。
(追いこまれてこそ?)……「自分で造ろう。そうすれば、今まで杜氏に遠慮して安易に流れていた酒造りも、したいようにできる。挑戦できる!」経営に集まって来るお客様の声を、そのまま酒造りに反映できる、妥協 -
Posted by ブクログ
獺祭を知ったのは、日本酒好きの上司との酒席だった。それ以来、私の一番好きな日本酒は獺祭になった。祝いの席で獺祭のボトルをいただくこともあったが、あの時の種類はなんだったのだろうか。本書を読むまで私は獺祭のことを何も分かっていなかった。一度でいいから獺祭磨き二割三分の遠心分離タイプを味わってみたい。できれば全種類飲み比べをしてみたい!
以下、本書より抜粋。
「目指す頂は、日本一か最高品質しかない。そこにしか、私たちのお客様はいない。」
「私は伝統産業として酒造の仕事に誇りを持っていますが、手法にこだわりはありません。常に、より優れた酒を目指して『変わる』ことこそ、旭酒造の伝統でありたいと思い -
Posted by ブクログ
1.お酒を全く飲まないのですが、獺祭が有名であることは知っていたので、なんとなく知りたいくらいの軽い気持ちで読みました。
2.獺祭を製造している旭酒造の社長である桜井氏が会社をどのように経営しているのか、獺祭に対してどれほどまでに愛情を持ち、消費者の幸せと結び付けているかが強く伝わる一冊です。
タイトルからは組織論について書かれていると思われますが、それだけではありません。獺祭をどのようにブランド化していくのか、という商品面やマーケティングについても書かれています。難しい用語は一切書かれておらず、ひたすらに考えてひたむきに実行してきた姿が書かれています。
3.タイトルで「仕組みと作る」と -
Posted by ブクログ
ネタバレ借りた本なのでレヴューを残しておく。
日本酒「獺祭」の旭酒造社長の桜井氏の著作
社長になってから獺祭を生み出して、現在、社長のこれからの展望を書き記したもの。
おいしいものを作る
マーケットをしぼる
品質の安定化、数値化
→数値に落とし込めない世界がある、神業の世界
最後は人の手、口、五感で決める
95点をめざしても85点であったり
科学であるけど、科学でない
ワインとは違う価値観で日本酒を考える
世界中どこに出しても変わらない獺祭の味
国民性、歴史、風土、地理
→海外でも日本酒の保存法、飲み方を含めて広めていく、日本文化の伝承
細部にこだわることが日本的
→ゆえに伝統的な技法で -
Posted by ブクログ
獺祭はうまい。
日本酒通ではないが、飲みに行くと置いてるかチェックしてしまう。
八海山や久保田が好きでしたが、飲みやすいので非常に気に入っています。(今も獺祭しか飲まないと言うわけではない)
タイトルの通り読めば読むだけご苦労されたというこちがわかります。
古くから続く業態、業界でそれを変革するのは難しいと思います。
が、それをやるんだと強く思う人がいれば、絶対に出来ないとは言えない。諦めたらそれで終わりだし。
日本の文化を世界に知ってもらう、日本酒を美味しいと思ってもらうために。
目的が明確になっているから素晴らしいのかな。
自分自身が祖父の代から続く事業をかじりもせずに放棄してしまっ -
Posted by ブクログ
ネタバレ日本酒業界に彗星のごとく登場した獺祭。
しかし、彗星のごとく登場したのには、様々なストーリーと旭酒造の並ならぬ努力があった。
経営という観点でも学ぶべきところは多いし、米の生産における国の施策と問題点、TPPにおける思いなども参考になる。
そして、なにより、杜氏や蔵人のいない数値管理した製造工程にかなりインスパイアされた。
かなり面白い書籍だった。
日本酒の国内での軽視、ワインと同等のブランディング戦略なども興味深い。
メモ
こだわったのは、社内(特に製造部門)の熱意をいかに維持できるか、という点でした。
〜中略〜
ビール製造は、すでに技術的に解明されている点が多く、原価低減や品質の安定 -
Posted by ブクログ
獺祭の社長によるここまで来たぞという自叙伝的な本。個人的には同郷として応援しているんだけど、一方でワインと同列視されるところまで日本酒を引き上げた原動力が知りたかった。その答えは、逆境と挫折の積み重ねの中で見えた、本質への集中に他ならない。地ビールなどにも手を出し倒産寸前。杜氏にも逃げられ、美味しい酒を作るのに自分と4人の素人しかいなくなったところで、山田錦を自ら作っていくところから始めた。注ぎこぼしを何が男らしいだ!と断罪して、ワイングラスで提供する。こうした型破りを進めるには、背水の陣で向かっていくことしか無い。「頑張らないが、あきらめない」という信条にもあるとおり、辛抱強くやってきたの