佐々木信夫の作品一覧
「佐々木信夫」の「新たな「日本のかたち」 脱中央依存と道州制」「いまこそ脱東京!」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
都知事にとどまらず、地方自治に関する内容までを含んだ本。内容はかなり濃い。
最近、こういう新書が減っている気がしている。
革新であれ保守であれ、東龍太郎~美濃部亮吉~鈴木俊一~青島幸男~石原慎太郎と、個性の強い政治家が都知事となっている。議会に重きを置かない国政の内閣総理大臣より、公選の都知事の任期は総じて長い4年間、韓国やフィンランドの予算に匹敵する12兆円の予算を左右し、世界の国々と比べても世界第十位のGDPを誇る東京都に君臨する都知事という存在。
読んでいて思ったのは、美濃部亮吉知事が今の東京の基礎を築いたのではないかと思ったことだ。が政府の許可を必要としていた東京都の地方債を、これは違法であるとして訴訟を起こそうとした。結果は失敗に終わったが、これは自治省が、革新自治体が地方債を発行して福祉政策を行うことを妨害する意図があったとも云われる。結局議会の反対を受けて頓挫するが、地方自治を行おうとしたことは、特筆に値するのではないか。また現在行われている法人二税(法人事業税と法人都民税)の導入を決定したのも、美濃部知事の時代である。
また鈴木俊一知事になり、行革の結果財政赤字を脱却したと言うが、オイルショック後の景気回復で収入が増加したこと、法人二税のおかげとも云われる。
また地方分権の一環として、道州制の是非が問われるが、戦時中の遺産として残っているのが東京特別区である。これは戦時中の二重行政を解消するために導入された。これは特別地方公共団体であり、一般的な市町村とは異なる。
また道州制を導入するに当たっても、今の政令指定都市は諸外国の都市州として別枠にすべきであろうと述べている。これは諸外国にも事例があるし、単純に分割したのでは権力が偏るであろうという配慮である。
以上のように、都知事の解説にとどまらず、地方自治とはなんぞやという話もできる。
Posted by ブクログ
非常に無駄がなく示唆に富んだ良書だと思う。
いまや「先生」などと呼ばれ、特権的なものを感じる「議員」と言う存在。
本来は有権者の代表として民意をすい上げて、税金の配分を行う町内役員のおじさん、くらいのものであるはずの地方議員がなぜこのように市民から遠く、偉いさんになってしまったのか。
そこを起点として、地方議会の本来の役割や、国会と地方自治体の関係等を丁寧に解説し、問題点や社会の構造変化から今後あるべき地方政治を展望する。
もちろん政治に付随して経済の問題や私たち自身の問題にも言及。
まずは市民が問題意識を持ち、政治を知るところから始めないと、未来にどうしようもない負債を残すことになることを痛感させられる。
「税金の使われ方の無駄、政策発想の貧困さに伴う行政の劣化、リーダー枯渇によりさまよう日本の進路、このすべてが長く続いた自民党政治、官僚支配の中央集権体制の弊害である。これを大胆に転換せずして私たちに明日はない。」
こわいこわい。