作品一覧

  • マルクスと批判者群像

    マルクスと批判者群像

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻1,650円 (税込)
    1840年代後半、ワイトリング、ヘスなどとの相互批判のなかにいた一人勝ち以前の若きマルクス。等身大の姿から思想の本体と可能性を探る。良知思想史を代表する一冊。解説=植村邦彦
  • 向う岸からの世界史 ――一つの四八年革命史論

    向う岸からの世界史 ――一つの四八年革命史論

    ビジネス・実用

    4.5
    1巻1,496円 (税込)
    1848年、パリで勃発した二月革命はドイツ・オーストリアの三月革命へと発展し、やがてヨーロッパ全域へと拡大する。本書はウィーンとベルリンにおける革命の実態を克明にたどりながら、それまで「歴史なき民」と蔑まれてきた少数民族やプロレタリアートに光をあて、彼らこそが歴史の真の担い手であり、革命の主体であったことを明らかにする。丹念に収集された史料図版と独自の1848年革命史研究を通じて、西欧近代中心主義的歴史観を超える新しい歴史像を示そうとした逸品。

ユーザーレビュー

  • 向う岸からの世界史 ――一つの四八年革命史論

    Posted by ブクログ

    ぼくにとっては、ぞくぞくするような、素敵な本でした。とってもお薦めな本なのですが、一般にはちょっと取り付きにくい本かもしれません。なにしろテーマが1848年のウィーン革命というマイナーなものですから、多少の予備知識を仕込んでから読んだほうがよいでしょう。
    1848年革命といえば、なんといってもフランスの2月革命が思い浮かびますが、この革命はドイツへさらにオーストリアとハンガリーへと飛び火して全ヨーロッパ的な広がりを見せた後、たちまち反革命勢力に制圧されてしまいました。その中でウィーン革命は一般には一挿話的に取り扱われるようなものですが、著者は、それをメイン・テーマとしてこだわり抜きます。
    この本は、いくつかの雑誌に掲載された思想史および歴史学の学術論文や仮想的な対話篇、ウィーン便りから構成されていて、雑多な印象を与えますが、1848年のウィーン革命という強靭なテーマが貫いています。
    そして、その中で、この革命がプロレタリア革命を内包したブルジョア革命であり、民主化が民族問題と絡まりあっていたという複雑な性格が解き明かされ、この19世紀の革命が一挙に現代性を帯びて立ち現れて来ます。その底層にある歴史家の志まで感じられる、そんな強烈な印象の残る本です。

    0
    2013年03月21日
  • 向う岸からの世界史 ――一つの四八年革命史論

    Posted by ブクログ

    某日、時間が少しあったので、ふらっと書店に立ち寄ったときのこと。
    たまたま何気なく「ちくま学芸文庫」の棚を見ていたら、懐かしい名前と本に出会いました。

    良知力は存命なら80歳ですが、惜しくも25年前の1985年にわずか55歳で亡くなった社会思想史家・哲学者です。

    私が彼と最初に出会ったのは、11年前の高校生の頃、夏休みに山谷に行ったついでに立ち寄った神保町の古本街でした。そのときの目的は、「SFマガジン」の創刊当時の号や雑誌「映画批評」を探すことでした。

    偶然手に取った中に、1975年頃に社会思想社から出ていた、その名もずばりミッシェル・フーコーの著作と同名の「知の考古学」という雑誌がありました。そういえば、それを見たのは初めてではなく、父の蔵書のなかに何冊かあったのをチラッと読んだ記憶がありました。この際だからということで、手まわしよく手帳にメモっていた欠版をチェックして、11号すべてを揃えることができました。

    この「知の考古学」は、マルクスやマックス・ウエーバーの特集を組んでいるので社会科学系かと思うと、ある号には幸田露伴を取り上げていたりします。

    毎回、廣松渉・見田宗介・樺山紘一・和田春樹・多木浩二などそうそうたるメンバーが書いていましたが、そういえばちょうどこの頃、たしか初期マルクスを探究していたのが良知力と廣松渉でしたが、今では廣松渉ひとりが名を残すばかりで、良知力の方がまったくといっていいほど忘れられている気がします。

    この本は、1848年のウィーン革命はブルジョワ革命ではなくプロレタリア革命だったという、彼の生涯をかけての研究のひとつの重要な到達点であり、キャスティング・ボードとなる著作です。

    0
    2011年09月04日
  • マルクスと批判者群像

    Posted by ブクログ

    1948年に開催された共産主義者同盟の第二回大会で、『共産党宣言』の執筆がマルクスとエンゲルスに委嘱されるにいたるまで、若き日の二人と思想および運動の両面で相克を演じた活動家たちのすがたを追い、その実像を明らかにしています。

    主にとりあげられているのは、ヨハン・ヴィルヘルム・ヴァイトリング、カール・シャッパー、モーゼス・ヘスの三人です。とりわけ、マルクスやエンゲルスのような学識をもたない一介の渡り職人だったヴァイトリングについて著者は、1946年の討議でマルクスにその「無知」を厳しく論断された出来事から叙述をはじめ、その思想がマルクス=エンゲルスに劣るとみなす予断を排してていねいにたどっています。それとともに、1946年にいたってヴァイトリングを理論的に否定することができるようになったマルクスの思想形成の過程も解明することがめざされています。

    本書において著者が採用しているスタンスは、マルクスらの科学的社会主義の立場を優れたものと前提し、彼以前の共産主義を空想的社会主義に分類するような態度から一線を画しており、あくまで思想史研究者の立場からマルクスにかかわった思想家群像たちのすがたを正しく認識することがめざされています。そうした取り組みを通じて、マルクスの理論の卓越している点を、あらためてたしかめることに成功しているといえるように感じます。

    0
    2025年01月04日
  • 向う岸からの世界史 ――一つの四八年革命史論

    Posted by ブクログ

    1848年ウィーン革命は、そのスローガンは「ブルジョア的」でありながら、多くのプロレタリア・賎民の血によって書かれているという。
    余りにも多くのことに無知な自分を恥じ、そして焦る。

    あとがきから引用
    『本書のモティーフがたんなる反西欧で、たんなる反市民社会論だ、などと即断されても困る。「向う岸からの世界史」は、依然としてわれわれにとっての世界史でもある。ただ、世界史を自覚的にとらえうる能力が向う岸だけのものだという発想こそが、せまくるしく、(中略)なお自然的制限からぬけきれず、無自覚であり、したがって人間的たりえないのではないか。それこそが普遍的精神とは縁遠い発想ではないか。普遍性とは自己を限定しうる能力のことだ、ともいえよう。他者のなかで、他者をとおして自己限定しうる能力こそが普遍性につながるのであろう。だから、普遍性は川の向う岸からもこちら側からも、どちらからもそれとしてとらえることができる。こうして普遍性は歴史のなかで限りなく重層化する。そのような普遍史の重要性をそれとして認識しうる力こそが、世界史を知的に構成しうる能力となる。』

    0
    2015年06月07日
  • マルクスと批判者群像

    Posted by ブクログ

    マルクス・エンゲルスの若き日々、そして彼らの先達であった活動家たちに焦点を当てた一冊。

    マルクス研究および社会思想史として優れているのは勿論ですが、人間ドラマとして読むだけでも大変面白い。革命に生きた人々の触れ合いと相克を丹念に描いており、惹きこまれること請け合いです。

    特に主役の一人である活動家ワイトリングの姿は印象深い。コスモポリタン的な矜持と高いカリスマ性によりドイツ社会革命運動を牽引するワイトリング。しかし、その傲慢さと理論性の欠如により挫折し忘れ去られてゆく様は読み手の心をざわつかせます。

    初版1971年なれど、今もってその輝きを失わない名著。是非どうぞ。

    0
    2012年12月26日

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