汪兆銘作品一覧

  • 汪兆銘と胡耀邦
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    1巻2,090円 (税込)
    独裁政治に抵抗し日本側に立った汪兆銘。政争失脚により天安門事件を招くこととなってしまった胡耀邦。中国の近現代史で民主化と日本との関わりを考えるうえでもっとも重要な二人の人物評伝。 【目次】 プロローグ 第1部 汪兆銘の生涯 はじめに Ⅰ 生誕から辛亥革命前後まで──民主主義への目覚め Ⅱ アナーキズムの影響 Ⅲ 反共と反蒋介石──訓政時期の民主化論 Ⅳ 救国の信念と民主化論の終焉 Ⅴ 「売国奴」に陥った晩年 第2部 胡耀邦の生涯 はじめに Ⅰ 少・青年期──革命への参加と試練 Ⅱ 中堅指導者──建国への貢献と失脚 Ⅲ 総書記──政治改革とその挫折 第3部 救国から救「党」へ はじめに Ⅰ 救国と民主化 Ⅱ 救「党」と民主化 Ⅲ 江沢民・胡錦涛政権 Ⅳ 習近平政権 注 引用・参考文献一覧 関連年表 あとがき
  • 女スパイ鄭蘋茹の死
    3.0
    1941年上海。日本軍傀儡の特務工作機関「ジェスフィールド76」主任、丁黙邨を暗殺せよ。美貌の女スパイ鄭蘋茹(テンピンルー)に指令が下った。日本人の母と中国人の父。二つの祖国に引き裂かれながら、非情なテロルに身を投じた女性の胸中に去来したものは…。蒋介石直属の諜報謀略機関、藍衣社とC.C.団は、汪兆銘政府に対して徹底的なテロを繰り広げ、日本軍の占領工作に大打撃を与えた。これに対抗するため日本軍が極秘に設置した特務機関が、共同租界ジェスフィールド路76号番地を本拠とする「ジェスフィールド76号」だった。中国国民党中央執行委員会調査統計局の工作員として引き抜かれた蘋茹は、残忍で冷酷と恐れられるジェスフィールド主任の丁黙邨から情報を盗むため、彼の懐に飛び込む。黙邨の寵愛を受けることに成功した蘋茹に組織から最終指令が下った。だがそれは危険で非情な、後戻りできないものだった…書下し長篇歴史サスペンス
  • 傀儡政権 日中戦争、対日協力政権史
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    汪兆銘、殷汝耕、王克敏、梁鴻志。 戦後、「漢奸」とされた者たち。彼らの行動は、和平という名の降伏に過ぎなかったのか!? 卑劣なる売国奴か? 火中の栗を拾った「愛国者」か? いったい、彼らは何をしたのかを明らかにする。 満洲国以外にもあった、闇に葬り去られた政権が最新研究で甦る! 1931年の満洲事変以後、日本が中国大陸へ進出する過程で中国人(または満洲人・蒙古人)を首班とする現地政権がいくつも生まれた。 それは、まるで操り人形のように日本側の意のままに動いたため、親日傀儡政権(中国語では偽政権)と呼ばれた。 日本が中国占領地を統治するのに必要不可欠だったその存在を抜きに、日中戦争を語ることはできないが、満洲国以外は光があたっていない。 最新研究に基づく、知られざる傀儡政権史! 「研究を始めると、中国側はやはり漢奸や傀儡政権は悪であるという前提で論じられているため、客観的分析に欠けていることがわかりました。これは戦争で被害を受けた立場であり、かつ現在の政治状況では、そのように論じてもやむを得ない事情があります。  一方、日本側は、実証面では中国側に勝っていますが、特定の漢奸や傀儡政権に関心が集中し、全容をとらえるような研究が不足していました。欧米の研究は、二〇〇〇年代以降になって盛んになってきましたが、日中の研究の蓄積にはまだ及びません。(中略)  本書をとおして、漢奸たちの本心はどこにあったのか、彼らはなぜ傀儡政権を建てて日本に協力したのか、傀儡政権では何が行われていたのか、日本軍は漢奸と傀儡政権をどう操っていたのかという点を明らかにしていきます。」 ※本書は2013年7月に社会評論社より刊行された『ニセチャイナ』を再編集し、最新研究を踏まえて加筆修正をしたものです。
  • 昭和精神史
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    敗戦から75年、戦後はまだ終わっていない! 昭和改元、マルクス主義と国体論の台頭、二・二六事件、日華事変、日米開戦、そして敗戦―― 激動の昭和前史の記憶を風化させないために毎日出版文化賞受賞の名著、待望の復刊! <解説:長谷川三千子(埼玉大学名誉教授)> この作品のうちに、ただひたすら没入し、沈潜し、そこにひびく静かな旋律に耳をかたむける……。 するとそこから、現在のわれわれが何を失つてしまつたのかが、自ら明らかになつてくるであらう。 その喪失を、とことん腹の底から思ひ知ること以外に、日本の再生への道はない。 令和の御代のはじまつたばかりの今、この『昭和精神史』こそは、あらためて広く読まれるべき本である。 ――解説より 【目次】 第 一 章 昭和改元 第 二 章 革命支那と昭和日本 第 三 章 感覚的純粋人と思想的純粋人 第 四 章 革命と国家 第 五 章 橘孝三郎 中野藤作 中野重治 第 六 章 モダニズム 第 七 章 言霊とイロニイ 第 八 章 雪ふる朝 北一輝と青年将校(一) 第 九 章 あを雲の涯 北一輝と青年将校(二) 第 十 章 「支那事変」と文学 第十一章 戦争の文化体験 第十二章 『ぼく東綺譚』と『雪国』 第十三章 新体制と皇紀二千六百年 日本文化の世界構想 第十四章 日米開戦と近代の超克 第十五章 南溟の果て 第十六章 大東亜共栄圏 第十七章 汪兆銘和平運動の悲劇 第十八章 最後の出撃 第十九章 降伏と被占領の間 第二十章 春城草木深し
  • 戦争巡歴 同盟通信記者が見た日中戦争、欧州戦争、太平洋戦争
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    大屋久寿雄の大量の遺稿の一部は、七十年の歳月を経てかなり劣化していた。大屋が心血を注いで執筆したであろう原稿を慎重にめくりながら読み進めて行くと、大屋が汪兆銘(汪精衛)工作に関与していく様子が克明に描かれ、引き込まれて行った。 戦後まもなく、四十代前半で亡くなった大屋久寿雄の名前を知っている人は多くはないであろう。大屋は戦前、同盟通信記者をしていた。同盟通信社は国策によって設立された通信社で、終戦直後、自主解散した。共同通信社と時事通信社の前身である。わたしが大屋について調べていたのは、『国策通信社「同盟」の興亡─通信記者と戦争』(花伝社刊)の執筆のためであった。調べているうち、大屋が同盟記者のなかで、ひときわ異彩を放つ異能の記者であることがわかった。(解説より 鳥居英晴)
  • 「大日本帝国」失敗の研究【1868-1945】 政治力の衰えが敗戦を招いた
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    1巻750円 (税込)
    明治維新から約80年で消滅した「大日本帝国」。日露戦争の勝利や第一次世界大戦以降、「世界の五大国」に数えられるなど過去の栄光から一転して、大東亜戦争の敗戦へと続く“滅亡の過程”には何があったのか? 本書は、気鋭の政治学者が「帝国陸海軍と西郷軍の奇妙な一致点」「濱口総理は、統帥権問題で憲法論議を避けた」「近衛文麿の新党運動は、政党の降伏運動」「目先の利益を追い求める外交の末路」など独自の視点から、大日本帝国が犯した失敗の教訓を導き出す。“同じ敗因”を繰り返し続ける、現代日本に警鐘を鳴らす一冊。 【目次】●第1章 「玉砕の伝統」~誤れる西郷精神 ●第2章 統帥権干犯と憲法改正反対~文書に支配される政治 ●第3章 政党はいかにして自壊していくのか~汚職と二枚舌 ●第4章 汪兆銘と台湾断交~信義を裏切る「現実」外交 ●第5章 日露戦争に見る大東亜戦争の敗因~成功から「失敗の種」を見つける難しさ
  • 天皇を救った男 笠井重治
    5.0
    1巻1,760円 (税込)
    戦後史が動くとき、必ずこの男がいた。 日米開戦回避工作、天皇の戦犯訴追回避、ニクソン電撃訪中 歴史的事件の背後で、「密使」を務めた謎の人物の正体とは? 歴史に位置付けられざるバックチャネル(裏面史)がいま蘇る。 波乱の生涯を描く初の本格評伝。 <本文より> 占領軍司令部でマッカーサーに間近で仕えたフェラーズは日本通として知られた将校だった。笠井は、フェラーズの奮闘を間近で見ていただけではなかった。フェラーズがマッカーサーに提出し、天皇制護持を進言した建白書の作成そのものに、笠井は深く関わり、フェラーズの活動を裏で支えていたのである。しかし、笠井が生前、それを声高に主張することはなかった。(本文より) <主な登場人物> 昭和天皇、近衛文麿、ダグラス・マッカーサー、チャールズ・ウィロビー、ジョセフ・グルー、マンスフィールド、岸信介、佐藤栄作、周恩来、汪兆銘 etc.
  • 銘のない墓標
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    1巻550円 (税込)
    昭和三十五年六月、東京・本郷の古書店に、日中戦争末期、中国・重慶政府からの和平交渉 代表として来日した中国人繆斌(みようひん)の文書が持ち込まれた。 戦局が日本に決定的に不利となった昭和十九年後半、ときの小磯内閣は戦争終結策に苦慮していた。終結のためには、南京の汪兆銘政権を通じて重慶の国民党政府との交渉が必要であった。だが、繆斌の取扱いをめぐって閣僚の意見が分裂、内閣総辞職に追いこまれてしまったのだ。 繆斌の文書からは重慶側の秘密政治警察である軍統局長・載笠(たいりゆう)将軍とのつながりが認められた。彼は藍衣社の首領で、蒋介石の最側近と目されていた。さらに文書には国民党軍の最長老で終戦後は台湾に健在であったM将軍の走り書き程度の通信文が存在し、文書にもM将軍の名前が頻出していた。 日本との単独講和を策した繆斌の真の狙いは何か? 載笠がわが身の将来のためにM将軍とひそかにつながりをもつことも策謀家としてありうることだ。日本との単独講和を強行して蒋介石を権力の座からひきずりおろす。当時の中国では〈このおれにだって天下は取れる〉と自負していた政客は十指にあまる。M将軍もそのうちの一人にかぞえられる。 終戦翌年五月、繆斌は漢奸裁判の死刑第一号としてあわただしく処刑された。載笠も飛行機事故で死んだ。この問題はついに解明されず、近代史の大きな謎?として残った。 この歴史推理小説はあくまでも著者の創造である。忠実にもとづく創造をもって、歴史に埋もれた真実に近づく努力は必要であろう。
  • 日独伊三国同盟の虚構
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    1巻3,410円 (税込)
    日本の進路を誤らせた実態のない同盟の虚構を暴く! 全くの無駄で、効果をも持ちえなかった軍事・経済相互援助同盟は、 日独それぞれが、短絡的な都合のもとに勝手な解釈を繰り返しただけで、 実質を伴わないまま成立したものだった。 日本側の状況を見るなら、その同盟の成立にあたって、陸軍や一部外交官 が独走し、それに同調する軍人・官僚・政治家を自らの無責任体制が支え維持し、 意思疎通不足、情報不足と情報解釈の誤りが、事態を更に硬直化させること となった。 当時の政治指導者達は、客観的な情勢判断の欠如から、決定的に判断を誤り、 人民を戦争に導いただけなのであった。 本書は、これまで、日本の史料に基づくものが多かった三国同盟に関する研究 とは一線を画し、ドイツにて公開された最新の資料までをも取り込んで追及し、 この同盟が、まったくの「幻の」同盟であった実態を明らかにし、 現代の情報化時代における外交問題に示唆を与えようと試みるものである。 本書の目的と構成 プロローグ (「演出された日々」 /日ソ関係/松岡の場合──ドイツへの傾斜 /僥倖頼りの発想/過去と現在  ほか) 第一章 ナチスドイツの登場(日独防共協定への途/戦勝国と敗戦国 /巧妙な再軍備化/赤軍との共同演習/リッベントロップ) 第二章 日独の接近と日独防共協定(大島 ─ リッベントロップの秘密交渉 /大島独断専行の容認 /人事配置/協定初発の事情) 第三章 親英米派と親独派(ドイツ重視の伝統 / リットン調査団のドイツ人/親独派の典型・大島浩/親英米派の抵抗 ほか) 第四章 ナチスドイツの対日工作(オイゲン・オット/秩父宮訪独 /電報に見える日独関係 /ヒトラー参り/満州国承認 ほか) 第五章 防共協定の強化(ドイツの用意周到/張鼓峰事件 /山本五十六の反対論 /錯綜する論議 /五相会議での決定 ほか) 第六章 日独関係の背景──日本側の事情(軍事技術の導入 /統制経済への傾斜/中国大陸での経済関係/日独文化交流の進展) 第七章 反ソから軍事経済同盟へ(日本外交の弱み/リッベントロップの電報 /日本の曖昧、ドイツの一枚岩/追い込まれ行く日本) 第八章 独ソ関係の実像と日本の対応(経済協力の進展 /スターリンの老獪さ/独伊の切り札、汪兆銘承認問題 /親独政権への展望) 第九章 太平洋戦争への道(日本の南進/独ソ決裂/松岡洋右 /親英米派の抵抗/なしくずしの傾斜/バルバロッサ作戦の開始 第十章 日独連携の真実(空虚な期待/「勝手読み」の横行 /独日経済委員会/カール・ツァイスの製品輸入/画餅としての日独協力) 補論1信州人の満州植民問題(1 はじめに/2 満州へ、満州へ! /3 満蒙青少年義勇軍/4 ある村長の記録/5 県政トップの考察 ) 補論2 トラウトマン工作:歴史は繰り返すのか ──ロシアのウクライナ侵攻(2022)と重ねて考える

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