教育 - 山川出版社の検索結果
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野戦郵便から読み解く「ふつうのドイツ兵」
敗色濃厚な大戦末期にあって、なぜドイツ兵たちは戦い続けたのか。兵士の手紙5477通からその心性に迫る、エゴ・ドキュメントの歴史学。 第二次世界大戦ではあわせて約1800万人がドイツ国防軍に所属し、前線と「銃後」の間を約300億から400億通の手紙が行き来した。本書が分析するのはそのうち約四分の一を占める、兵士から家族などへと送られた手紙(野戦郵便)である。手紙(や日記)の特徴は、出来事と記録の間に時間的な差が少ないという点にある。戦場や軍隊生活で体験したこと感じたことが、それほど間をおかずに記されるために、後付けの知識によって受ける修正が自叙伝や聞き取り調査などと比べると非常に小さい。試行錯誤や行き当たりばったりも含めて、個人のあり方をより深く知ることのできる貴重な史料である。 だが手紙と日記には大きな違いもある。誰に対して書くのか、という点だ。日記は基本的に自分自身に対して書くものだが、手紙には必ず宛先がある。手紙の内容も、何を書くべきか、書くべきでないかも相手によって変わってくる。しかも第二次世界大戦中のドイツでは、野戦郵便への検閲が行われていた。 けれどもこうした制約こそが、野戦郵便の興味深いところなのだ。本書で紹介される数多くの手紙が示すように、検閲があるにもかかわらず兵士たちは、政治・軍事指導部に対する批判のような、率直で大胆な手紙を書いている。また現地からの収奪などについても、兵士たちは家族へと報告している。そのような記述をしても故郷の家族は理解し、受け入れてくれるだろうと兵士たちは判断したのだ。その意味で、野戦郵便というエゴ・ドキュメントは単なるプライベートな文書ではない。当時の社会において何が共通了解になっていたのか、どのような言説ならば受け入れることが可能だったかを知る、貴重な手がかりでもあるのだ。 本書はその野戦郵便を史料として用いながら、「ふつうの兵士たち」が最後まで戦い続けた理由は何であるのか、そして兵士たちにはどこまで「行動可能性」があったのか、もしあったのだとすれば、それはどのような意味であったと言えるのかを考察する。確信的なナチスならともかく、一般の兵士たちであればナチスの宣伝するイデオロギー(反ユダヤ主義や人種主義)などは内心あまり受け入れていなかっただろうし、大戦末期のような敗勢局面になれば彼らに行動可能性などほとんどなく、命じられたことをただ実行していたにすぎないと考える方は少なくないだろう。本書はそうした見方が本当に正しいのか、「戦友意識・男らしさ」「暴力経験・被害者意識」「他者・自己イメージ」という三つの軸から考察する。そこから得られる知見は、2022年2月以降のロシアによるウクライナ侵攻や、戦場に身を投じている兵士たちについて考えるうえでも有益なヒントを与えてくれるだろう。 本書は、2012年刊行の同書を一般読者向けに改稿し、章ごとに「本章全体の問い」「内容確認のための問い」を設け、高校・大学などで史料を用いた学習を支援するよう編まれた新装版である。 -
4コマで日本史
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「日本ってどんな国」?そう聞かれたら、みなさんはどのように答えるでしょうか? 中学校や高校で日本史を学んでも、日本の歴史や文化を簡潔に他者へ伝えるのは簡単ではありません。 本書は、「読む」「覚える」歴史ではなく、「語る」ための歴史を描くことに挑戦した新しいコンセプトの本です。 海外の方にわかりやすく日本を紹介したり、友人や同僚と世界の中の日本について考えるとき、本書の視点が役立つことでしょう。 歴史を語るためには、まずしっかりと自分の中でかみ砕いて理解しなければいけません。 そのための仕掛けが「4コマ」「タテ割り」「ビジュアルストーリー」。 日本史がスッとハラオチする50のストーリーで構成されています。 -
歴史学の扉 歴史を学ぶということ
教養としての「歴史」から学問としての「歴史学」への入り口となるように、またその学びの意義や魅力を知ってもらえるように執筆した一冊。 第Ⅰ部「歴史学の扉」では、大学教員と史学科への進学を考えている高校生との問答形式で、歴史を学問するということがわかるようになります。 第Ⅱ部「日本史・世界史の群像」では、2022年度から高等学校の新課程で「歴史総合」という科目が実施され始めたことを踏まえて、日本と世界とのつながりを意識した「歴史」を大枠で捉えることができるようになります。 第Ⅲ部「歴史学への誘い」では、日本大学文理学部史学科の教員の各専門分野の面白さがわかります。 -
歴史の見方・考え方2
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 『歴史の見方・考え方――大学で学ぶ「考える歴史」』の第2弾。 今回は、さまざまな歴史記述の根拠となる、史料の読み取り方・留意点に重きを置き、そこから歴史をどう捉えていくのか、見方・考え方を12の例でレクチャーする。 わたしたちが普段目にする小説やマンガ、ドラマなどの「歴史もの」において、そのストーリーは完全な創作を除けば、何らかの根拠をふまえて描かれている。教科書や概説書などがそのベースになっているとしても、それらも研究書、学術論文などに根拠を求めている。そしてそれらを書く研究者たちが情報源とする、一番根底にあるものが「究極の情報源」ともいえる「史料」である。 さまざまな性格をもつ史料をそれぞれどのように検討して歴史を考えていけばよいのか。歴史学者の研究の手の内をみせながら、一緒に体験してもらうようなイメージでその手法を紹介する。*電子書籍化にあたり、許諾等の理由から、紙本に含まれていた一部の写真は掲載しておりません。 -
ロシア史
『新版世界各国史22 ロシア史』に加筆・修正を加え、上・下巻のハンディ版として刊行。 ロシアという国はどのように始まり、どのように歩んできたのか。 強力な国家こそがロシアの問題を解決するという観念がロシアの支配者をとらえてきた一方、民衆は精神と肉体の解放をもとめて国家権力に闘いを挑み、 強力な国家を幾度も転覆させてきた。ロシアの歴史は強力な国家という軸と、精神解放という軸とのあいだで揺れ動き、もがき苦しんできた人々の歴史である。 ロシアはその苦しみと模索の中でどこに向かい、人類史に何を与えるのだろうか。 上巻では、『原初年代記』に記された内容から始まり、19世紀までを扱う。