ビジネス・実用 - 現代史アーカイヴス作品一覧
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-まだ自由に取材できた時代の貴重な記録 中国全土に高速道路網が整備されるのに伴って、それまで隔絶していた都市と農村が急速に近づいていった――。本書は、本格的なモータリゼーションが始まったばかりの中国各地をレンタカーで巡り、ときに長期滞在して、都市と農村に押し寄せる変化の大波を、市井の人びとの視点から描いたドキュメントである。 チベット高原に近い辺境の地で目にした「消えゆく村々」の歴史と現実、北京郊外の農村で生活をともにした魏一家の民宿ビジネスと泥沼の党書記選挙、浙江省麗水市の起業家が手がけた下着製造工場の盛衰など、昨日とはまったく違う今日を必死に生きようとする人びとの姿を、ユーモアを交えながら多角的・多層的に描く。目の前の問題をいわば即興で切り抜け、小さな交通違反を重ねる彼らのやり方は、日々めまぐるしく変化し、混沌とした社会を生き抜くための生活技術そのものだと著者は言う。 中国滞在十年、米国随一のチャイナウォッチャーが人びととともに暮らし、彼らの深層心理にまで入り込むことでなしえた「力技」の傑作ノンフィクション。解説=阿古智子(東京大学大学院教授)
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-マロリー没後100年を記念して復刊 英国の登山家ジョージ・マロリーは、1924年6月8日、アンドリュー・アーヴィンとともにエヴェレストの山頂をめざし最終キャンプを出発したが、頂上付近で目撃されたのを最後に消息を絶った。果たしてマロリーは登頂したのか――。 19世紀の植民地主義が終焉を迎え、大戦へと突き進んで甚大な被害を出した英国。その威信回復の象徴となったのがエヴェレスト初登頂の夢だった。1921~24年の間に3回にわたって行われた遠征では、参加した26名の隊員のうち戦争経験者は20名にのぼる。 本書は、血みどろの塹壕戦をからくも生き抜き、世界最高峰の頂をめざして命を懸けたマロリーら元兵士たちの生きざまを通して「時代」に息を吹き込んだ歴史ノンフィクションである。気鋭の人類学者である著者は、未発表の手紙や日記のほか各地に遍在する膨大な資料を渉猟し、執筆に10年をかけて彼らの死生観にまで迫る。兵士として隊員として、常に死と隣り合わせだった若者たちの「生」を描いた傑作! サミュエル・ジョンソン賞受賞。 解説=小関隆(京都大学人文科学研究所教授) [目次] 主要登場人物 はじめに 第一章 グレート・ゲーブル 第二章 想像上のエヴェレスト 第三章 攻撃計画 第四章 ヒンクスの目 第五章 マロリー登場 第六章 エヴェレストの入り口 第七章 目の見えない鳥 第八章 東側からのアプローチ
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-20221年クーデター前のビルマ 2011年の「民政移管」以降、それに伴う制裁解除とともに、ビルマ(ミャンマー)の地政学的位置づけが急速に変わろうとしていた──。本書は、ビルマを「アジアの勝手口」と見立てて、国境を接する東西の大国、中国とインドとの関係を中心にビルマ史を概観し、同国を取り巻く国際情勢を冷静に分析した入門書である。中印両国がビルマを含めた周辺国に与えた影響について、近代以前にまでさかのぼって丁寧に跡づけているのが特長だ。 著者は元国連事務総長ウー・タン(ウ・タント)の孫にあたる気鋭のビルマ史家。ビルマ北部の辺境といわれる少数民族居住地域を自ら歩き、ここで見聞し思索したことを要所要所にまとめている。こうした紀行の要素と情勢分析とが相まって、道路や天然ガスパイプラインなどのインフラ整備計画のほか、観光客の受け入れ計画などが各地で進められ、東アジアと南アジアを結ぶ新たな「十字路」としてのビルマの姿が浮き彫りとなる。二大文明に挟まれているというその位置こそが、ビルマにとって最大の「資産」であるという観点から、「アジア最後のフロンティア」の実像に迫る。 第26回アジア・太平洋賞特別賞受賞作。解説=中西嘉宏(京都大学准教授) [目次] プロローグ 第1部 裏口から入るアジア 夢みるイラワディ パウポー ビルマ・ロード 日暮れの王 新しいフロンティア 第2部 未開の南西部 マラッカ・ディレンマ 雲の南 ガンダーラ シャングリラ インド洋への道 第3部 インド世界のはずれ 東へのまなざし 忘れられた分離 国内の「国境」 新たな交差点 エピローグ 謝辞 訳者あとがき 解説(中西嘉宏) 原注解説:中西嘉宏(京都大学東南アジア地域研究研究所准教授)
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5.0欺瞞、密約、だまし討ち 死後七〇年以上経った今日なお、トーマス・エドワード・ロレンスは二十世紀のもっとも謎に満ちた、毀誉褒貶相半ばする人物の一人であろう。本書はロレンスの評伝だが、けっして「聖人伝」ではない。第一次世界大戦中、ロレンスをはじめアラブ世界を舞台に暗躍した四人のスパイと彼らを取り巻く人間模様から、ヨーロッパ列強が中東という壺の中に手を突っ込んでかき回すさまを描いた歴史ノンフィクションである。 ロレンスほど有名ではないが、本書で重要な役割を果たす三人とは、表向きは大学講師だが、英国を欺くためオスマン帝国と共謀し、愛人のロシア系ユダヤ人医師を諜報活動に利用していたドイツのスパイ、K・プリューファー。ルーマニア系ユダヤ人の農学者で、オスマン帝国統治下のパレスチナで祖国建設のために奔走するシオニスト、A・アーロンソン。そして米東海岸の名門の出で、大手石油会社の調査員から米国務省の情報員に転身したW・イェールである。 戦況によってめまぐるしく変わる彼らの立ち位置を丁寧に追い、今日の中東紛争の淵源となった時代を躍動感あふれる筆致で描いた注目の歴史大作! 「現代史アーカイヴス」として復刊。 【目次】 表記・出典について はじめに 第一部 第一章 聖地の「プレイボーイたち」 第二章 変わり種 第三章 別のところ、別のいいもの 第四章 最後の一〇〇万まで 第五章 あきれた混乱 第六章 秘密を守る人たち 第七章 背信 第二部 第八章 戦いを交える 第九章 キングメーカーになる男 第十章 無の中に収まって 第十一章 欺瞞の霧
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-中東近現代史の必読書 欧州側の史料のみならずトルコ語、アラビア語の文献を渉猟し、斯界の権威が中東混迷の遠因となった大戦と戦後処理の過程を描いた大作。 【目次】 用語の適用について はじめに 第1章 革命と三つの戦争 一九〇八-一九一三 第2章 「大戦」前の平和 第3章 世界規模の動員令 第4章 一斉射撃始まる バスラ アデン エジプト 東地中海 第5章 ジハード開始 オスマン帝国領コーカサスとシナイ半島での戦い 第6章 ダーダネルス海峡襲撃 第7章 アルメニア人の虐殺 第8章 ガリポリ半島でのオスマン帝国の勝利 第9章 メソポタミア侵攻 第10章 クートの攻囲 第11章 アラブの反乱 第12章 負け戦 バグダード シナイ半島 エルサレムの陥落 第13章 次々と結ばれた休戦協定 終章 オスマン帝国の終焉 謝辞 訳者あとがき 解説 オスマン帝国はなぜ崩壊したのか(今井宏平) 写真クレジット 参考文献 原注