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鋼の声が僕を呼ぶ
「誰だって痛みを抱えて生きている。」 孤独な男子高校生のコテツは、島根の刀鍛冶に引き取られて暮らすことに―。 人生に立ちすくんだ少年が一歩を踏み出す、再生の物語。 青春小説の旗手が贈る、感動の傑作! 天涯孤独となった彼は、島根に住む遠縁の剱田かがりという老婦に引き取られることに。 かがりは、現代日本において唯一と言われる女性の刀鍛冶で、寡黙だが瞳に燃え盛る炎を持つ刀匠だった。 自暴自棄になり言われるまま島根にやってきたコテツだが、転校初日、己の火傷を見るクラスメイトの視線に耐えられず、学校へいけなくなる。 部屋にひきこもるコテツに、かがりは「学校へはいかなくてもいいが、そのかわり仕事を手伝え」と言う。 かがりの弟子であるコウやカンナに教わりながら手伝いをするうちに、徐々に作刀に興味を持ち始めるコテツ。 現代日本において、刀をつくる意味とはなにか? かがりや兄弟子たちと関わり、悩みながらも、鉄を打ち、その熱に溶かされ、コテツは自らの心の形も変えていく――。 -
バードボーイ
少年ウィルは、都会で心を病んだ母を交通事故によって亡くし、トラウマを抱えたまま、湖水地方の峡谷に住むイアンおじさんに引き取られた。日帰りキャンプでは、アフガニスタン難民の少年オマールが明るく話しかけてくれ、友だちになる。二人は、近くの山で絶滅危惧種のミサゴの巣をみつける。ウィルは、鳥を好きだった母が「わたしたちはみんな、鳥になってもどってくるのよ」といっていたのを思い出す。 ある雨の夜、ウィルは巣から落ちたミサゴのひなを拾い、納屋でこっそり育てはじめる。オマールといっしょに懸命に世話をしていたが、ある日、ひなが死にそうになり、おじさんにみつかってしまう——。 悲しみを抱えた子どもたちが大自然のなかで癒され、信頼と希望を取りもどしていく姿をていねいに描いた物語。 -
アンナの戦争
小学6年生のダニエルは、戦争時代の話をきくためにアンナおばあちゃんを訪ねた。 ——第二次世界大戦中、12歳のアンナはドイツでのユダヤ人迫害をのがれ、「キンダートランスポート」(イギリスをはじめ各国の家庭がユダヤ人の子どもを受け入れた活動)でイギリスへ避難することになった。列車の発車寸前、どさくさにまぎれて若い母親からかごを渡される。中には赤ちゃんが! アンナはイギリスに着くまで、その子の面倒をみる。 無事に田舎の農場についたアンナ。ドイツにいる両親を心配しながら、英語を学び、里親のもとで新しい生活になじもうと努力する。 ある日、農場の姉弟といっしょに、納屋でけがをした兵士をみつける。イギリス兵だと名乗ったが、アンナは、男がドイツ語をつぶやいたのに気づく。男はドイツのスパイだったのだ。イギリス兵だと信じるふりをして水や食べ物を運んでいると、手紙の投函をたのまれる。アンナはそれをイギリス軍の大佐に知らせ、男を見はる。こっそり男のあとをつけるアンナだが、みつかってピンチに!—— 話をきいたダニエルは、アンナおばあちゃんの誕生日に贈るサプライズプレゼントを思いつく。 ナチによるユダヤ人迫害や、1万人もの子どもたちを救ったキンダートランスポートの活動などの史実をふまえ、緊張感いっぱいに描かれたフィクション。