藤井啓祐作品一覧
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3.7ひと昔前まで実現不可能とされてきた量子コンピュータを取り囲む環境は短期間のうちに激変した。従来の古典コンピュータを超越しうる不思議なからくりとは何か。いかなる歴史を経て現在に至り、どんな未来が待ち受けているのか。気鋭の若手研究者として体感している興奮をもって、わかりやすくかつ科学的な正確さを期して解説する。
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-2025年は「量子力学100年」記念の年である。日本科学未来館では、2025年4月から「量子コンピュータ」に関する常設展示を新たに公開した。さらに「大阪・関西万博」では、量子コンピュータについての企画展示がされた。「量子力学100年」である今年は、特に量子コンピュータへの関心が高まり、話題になっている。 いまChatGPTやGeminiなど生成AIの利用が当たり前になりつつある。しかし、10年前までは、生成AIを一般の人が扱うようになるとは誰も考えていなかった。量子コンピュータが生み出すものは、生成AIと同様、当たり前に使われるようになると著者は語る。 量子コンピュータの実用化に向けて、GoogleやIBM、Microsoft、富士通などの企業や、世界で多くのスタートアップが動き出している。量子コンピュータが実用化されることで、ChatGPTより賢いAIや量子医療、人工光合成などが実現するようになる。遠い話に感じるかもしれないが、量子コンピュータの実用化によって、私たちの日常やビジネスシーンが大きく変化する可能性は高い。 そんな日常の変化、社会の変化においていかれないためにも、量子コンピュータを教養として身につけることは今後求められるようになるだろう。 本書は、大阪大学教授である藤井啓祐氏が、量子コンピュータの歴史から最先端の研究、量子コンピュータが実現した未来まで、明快に伝える入門書である。 研究の最前線に立つ著者の知見を活かし、量子コンピュータについて余すことなく面白くまとめた一冊となる。