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2025年は「量子力学100年」記念の年である。日本科学未来館では、2025年4月から「量子コンピュータ」に関する常設展示を新たに公開した。さらに「大阪・関西万博」では、量子コンピュータについての企画展示がされた。「量子力学100年」である今年は、特に量子コンピュータへの関心が高まり、話題になっている。
いまChatGPTやGeminiなど生成AIの利用が当たり前になりつつある。しかし、10年前までは、生成AIを一般の人が扱うようになるとは誰も考えていなかった。量子コンピュータが生み出すものは、生成AIと同様、当たり前に使われるようになると著者は語る。
量子コンピュータの実用化に向けて、GoogleやIBM、Microsoft、富士通などの企業や、世界で多くのスタートアップが動き出している。量子コンピュータが実用化されることで、ChatGPTより賢いAIや量子医療、人工光合成などが実現するようになる。遠い話に感じるかもしれないが、量子コンピュータの実用化によって、私たちの日常やビジネスシーンが大きく変化する可能性は高い。
そんな日常の変化、社会の変化においていかれないためにも、量子コンピュータを教養として身につけることは今後求められるようになるだろう。
本書は、大阪大学教授である藤井啓祐氏が、量子コンピュータの歴史から最先端の研究、量子コンピュータが実現した未来まで、明快に伝える入門書である。
研究の最前線に立つ著者の知見を活かし、量子コンピュータについて余すことなく面白くまとめた一冊となる。
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Posted by ブクログ
学生時代の光の物理について研究していたことからしばらく無線通信の技術に浸かってすっかり離れてしまった感があったのだけど、最近になって量子コンピュータ関連の話をあらためて仕事でかかわることになりそうだったので、準備のために読んでみることにしたのがこの本だ。一般知識としてまずどんなトレンドがあるのか含めざっと把握したいという思いから読んでみた。
けっこう序盤は大学生時代の学び直しの気分・・・。大学院の授業での量子エレクトロニクスを思い出した。マクスウェル方程式に青春をささげた(?)身としてはとても懐かしく、あーそうだったねぇ、と。18歳の時にアインシュタインロマンというNHKの番組を見たのをきっかけに物理への興味が強くなって光ファイバ通信に関連する学部・学科を進路に決めた。学生時代に光導波路解析という光の伝搬事象を電磁気学の理論から導出された波動方程式を差分法で解析する計算機シミュレーション手法を研究していた。そのときに量子エレクトロニクスの授業や電磁波工学、光の材料物性などの授業で聞いたとても懐かしい物理トピックがこの本の1章、2章に並ぶ。
アインシュタインの軌跡の年(1905年)の話も触れられていて、2005年にスイス旅行でベルンのアインシュタインの家に行き、博物館で軌跡の年から100年の特設展示も観てきたことを思い出させてくれtあ。この本の1章は私にとっては本当によい学び直しという感じで、光電効果やマクスウェルの方程式などの話をしみじみ懐かしさを感じながら読んだ。
一番役に立つと感じたのは、3章、4章だ。量子コンピュータの5大方式は、もし大学教員で文系学部の一般教養の授業を担当したら間違いなくこの説明を引用させてもらうだろう。数式もなく理解のしやすさはピカイチだと思う。やっぱり最先端の有識者は違うなぁ、と感じる。実用化をめぐる企業間の競争についても触れられていてビジネスパーソンの観点でICT業界にかかわる人ならば、もとても有益で参考になる情報に思える。物理とか数学って世の中の何の役に立つの?なんて思っている人にもけっこう納得してもらえるのではないかと思う。もう少し読み込んで、この「教養」の効果をいろんな場面で発揮できるようにしたい。
Posted by ブクログ
ほーほーなるほどそうなのかーと思いながら面白く読んだ。量子コンピュータの仕組みは何度聞いてもよくわからない。普通のコンピュータは0と1でーーこれもまあ理解してるとは言い難いが、すべてのことを0と1に分解してまあすごいスピードで計算するのねといういい加減な理解だけどまあわからんこともない。だけど量子コンピュータは0と1が重ね合わさってるので計算がすごくよくできるとか、は?しかなくて悲しい。
本書を読んで物足りなかったのは最後。量子コンピュータを何に使うかというところが、性能のいいコンピュータ以上の使い道が見えなかったことだろうか。AIもそうだけど、技術が人間の想像力を超え始めてるのだろうか。だから技術を世界に公表して使い道は市井の天才たちに考えてもらうという道を取るのかも。ちょっとこわい部分ではあるけど、そういう時代なのかもしれない。
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