名称未設定さんのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
時代性のある繊細で爽やかな作品
不眠症という、中々その辛さを理解されにくい悩みを抱える少年少女の苦悩。そういった時代や周囲の人間と、個人のギャップを取り扱う作品が好きなのですが、この作品は作画や演習を通して、とても繊細に優しくそれらを描写しています。私自身は不眠症ではありませんが、寝れない夜の事を思い出して、ついつい感情移入してしまいました。
現実と地続きの世界観は作品に対抗を感じさせず、気づけば没頭してしまい、一気にこの三巻まで読んでしまいました。
周囲に理解されない、そもそも相談もできない苦悩を共有し、補い合う二人の関係はとても優しくて甘酸っぱい。
巻を追うごとに登場キャラクター一人一人の掘り下げが進み、どんどん魅力的な作品になってきました。
そして、何よりもこの巻で感動したのが電話でなく伊咲一人に当てたラジオを行った事です。
個人的にラジオが大好きな私としては堪らない展開でした。
時代にあったアプリでのラジオ、こんな形のコミュニケーションってとても新しくて素敵だなと思いました。
アナログであるラジオが新しいと言うのはどこか矛盾している気がしますが、個人というもの取り扱う作品でラジオ程親和性の高いものはないなと感心してしまいました。
そして、電波越しの丸太の声を隣に感じる伊咲の描写には深く共感してしまいました。
この作家さんはきっとラジオが大好きなんだなぁと勝手に思っています 笑
かくいう、私も佐久間宣行さんのラジオでこの漫画を知ったので、尚のことこの展開には心が震えました。
久々に早く続きが読みたいと思う作品に出会えました。 -
ネタバレ 購入済み
ファンタジー越しの日常とロマン
今回もステキなお話でした。どのお話にもファンタジーというフィルター越しに見る日常とロマンがキラキラと輝いています。今回は特に日常に漂う何気無さが描かれていて、ついまったりとした気持ちになってしました。最後の前後編のお話は多分全ての人が共感して読める優しいお話ではないでしょうか。予定のない休日、寝起きまなこで新聞を取りに行き、それを読みながら湯が沸くのを待つ。背後の窓から朝日が差し込みミコチを優しく照らす。その光のコントラストが部屋の中を満たす柔らかな空気を際立たせる。ありふれた日常ですが、切り取って見てみるとそれは特別な瞬間になって、自分の生活もそういった視線で見れると普段の生活がちょっと楽しくなるかもしれません。
親しい相手と普段とは違う環境になった時に急に緊張しちゃったり、こだわりを持った親しい相手に贈り物を贈る側のドキドキだったり、そんな人間味を感じさせる、そんな巻でした。
毎度のこと感心してしまうのが世界観のディティールの繊細さです。ちょっとした物にも全て名前やいわれがあり、使用法や製法などの話が自然散りばめられていて、それを語るキャラクター達、本当にこの世界がどこかに存在しているのではと思ってします。
是非この巻をを読んでリラックスしてはいかがでしょうか?