あらすじ
川べりに建つハイツムコリッタ。家族も生き甲斐もなく、ひとりで生きたいと思っていたはずの「僕」は、図々しくて、おせっかいで、ダメ人間で、落ちこぼれで、繊細で、あたたかくて、人間らしい、このアパートの住人たちに囲まれ、少しずつ「ささやかなシアワセ」に気づいていく――。
大ヒット映画「彼らが本気で編むときは、」「かもめ食堂」の監督が贈る、新しい「つながり」の物語。
荻上直子監督最新作・映画『川っぺりムコリッタ』、2021年全国公開予定。
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Posted by ブクログ
僕=山田は特殊詐欺の前科で出所したばかり。縁があってハイツムコリッタに住むようになり、何気ない日々の中で南親子や島田、溝口親子、ホームレス、職場の社長や中島さんなど関わるようになる。
幼少期の思い出は良いものではないが、ある日役所から顔も覚えていない父の遺骨の引き取りを頼まれる。最初は拒否したが、周囲の人たちの言葉から複雑な気持ちのまま引き取ることになり、ラストではみんなと見送りの儀式をしながら、両親を許す気持ちや、幸せを求める自分を許す気持ちが持てるようになる。
ものすごい事件があるわけではないし、生きる意味なんて誰もわからない毎日だけど、山田がそれで良いと思えた時から空気が晴れて、前を向く強さと明るさが感じられた。やさしく清々しい気持ちになれる物語。
Posted by ブクログ
映画の原作。刑を終えた青年が川べりのムコリッタというアパートで暮らし始め、住人や缶詰工場の人達と触れ合う中で、縁が薄かった父の死を知り、遺骨を引き取る羽目になり、亡き父と遺骨の始末について考える。
淡々としたストーリーだが平和を感じた。