あらすじ
この本は、先に訳出した同じ著者の本「コンサルタントの秘密」の姉妹編であって、両編合わせて著者ワインバーグ氏のこれまでの仕事の集大成ともいえるものである。著者ワインバーグ氏は、序文において「成功したシステムと不成功に終わったシステムを比べてみて、じきわれわれは成功のほとんどすべてが小数の傑出した技術労働者の働きに依存している、ということに気づいた。」と述べている。
人はスーパーエンジニアというと、技術をよく知っていてどんどんすごいことを思いつく人、といったものばかりを思い浮かべるかもしれない。そしてそういう技術革新能力も貴重である。だが、スーパーエンジニアが本当に「スーパー」であるためには、技術革新の力だけでなく、動機づけと組織化の能力を併せ持っていることも必要だ。この本の用語を借りていえば、「問題解決型のリーダーシップ」を身につけていなければならないのだ。
[訳者まえがき]より
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Posted by ブクログ
# 時代を経ても変わらない、本質的なリーダーシップ論
## 面白かったところ
- よりによって、筆者がリーダーの役割に対してかなりネガティブだったことで親近感が湧いて読みやすかった
- 人間の成長に関する、現代にも通じる成長理論を30年以上も前に提唱していた事実に脱帽した
## 微妙だったところ
- 個人的にはかなり読みづらかった。とても素晴らしい内容ではある
## 感想
久々に本にぶん殴られる感覚を得た。だってこれ30年以上前に上梓された本だぜ?
「人間は自分自身が盲目なので、日記を書いて `自分からは見えない自分` を観察しよう」だとか、
「問題を解決するために、問題設定をちゃんと見直ましょう」だとか、
「仕事を片付けるために組織を作りましょう」だとか。
令和の時代においても通じる本質を突いているワインバーグ師匠はすごい。
また、技術リーダーシップが必要になったときには、またじっくり読み直したい一冊。
Posted by ブクログ
ワインバーグ氏による、技術リーダーシップとして知っておくべき知識や考え方が幅広く記載されています。本書(翻訳本)の初版は1991年ですが、今でも決して枯れることのない内容だと思います。
マインドセットから組織での動き方、変わり方に至るまで、リーダーに必要な要素は広く扱っており、この一冊を読むだけでも自分の悩みについての突破口が得られると思います。
Posted by ブクログ
技術者がキャリアアップしようとして陥りがちなジレンマ、誤りの処方箋。特に気に入ったのは、
自分の技術力に頼らない
命令する人、される人の二元論にならない
人から試される、値踏みされることに慣れる
自分の思考の流れを観察する、特に感情の理由になっている自己防衛ルールを知る
巻末の読書案内もなかなかマニアックで参考になる、
Posted by ブクログ
組織でソフト開発する時には避けて通れない、人間関係についてのお話てんこ盛り。リーダシップ、自分自身の変革、組織作りなど内容は盛りだくさんやけど、一番心に残ったのはコミュニケーションのギャップについて。
これまでの経験や、周りから受けた影響で知らず知らずのうちに自分の中にできあがる"当たり前"。お互いが口に出さないそれぞれの"当たり前"が異なることが、認識のずれの主な原因。このずれを解消するには、自分自身の考えを腹割って話しつつ、相手の考えに寄りそう、それしかない。小手先のリーダ論振りかざす前に、ちゃんと目の前のメンバと向き合ってる?とごっつい厳しい内容です(-_-;
最初から最後まで厳しい内容やけど、語り口はものすごくソフト。訳者のお力もあるんやろうけど、著者が現場で苦労して積み重ねてきた経験則だからこそ、心に響くんかなあ、と思いました。いやー、この本はホント素晴らしかった。今更ながら、しばらくワインバーグさん追っかけます w
Posted by ブクログ
こちらも約30年前に書かれた本。本当に人間は30年で進化してないと思う。。。(苦笑)
この本でおもしろかったのは2つ。
■リーダーシップのMOIモデル
M-Motivation
O-Organization
I-Idea
この3つは、リーダーシップを発揮する上でのモデルとなる。
■リーダーの成功要因
・問題の理解
・アイディアの流れの調整
・品質を保持する
たしかにリーダーの仕事はこの3つでいいかもしれない。
Posted by ブクログ
20/4/16
多くのこどもたちは、自分のアイデアに耳を傾けてもらえる、と言うことのもたらす恍惚感を、知らずじまいになる。
有機的リーダーシップは、プロセスをリードする
有用なアイデアをコピーするように奨励する
時間と労働力が不足してきたら、新しいアイデアを出そうとするのはもう止めて、がりがりやりだす
読者はこれまでの人生のなかで、学ぶことについてどんなことを学んできたか
問題解決型リーダーとして成功するためには、人々が人間であることをつねに前面に出しておかなければならない。
意識的努力を払ったことを恥じることはない。
組織作りとは命令することでも命令をうけることでもない。仕事を片付けることである。
失敗をしよう
小さな技能を1つ取り上げて、今日それを3回、15分ずつ練習せよ>そしてそれにどう反応し何に気付いたかを、日誌に記録せよ
読者は、自分について何かを変えようとしている同僚に、どんなふうに障害を作りだしているだろうか。例えば読者は、彼らの失敗や彼らが変えようと決めたことをあざ笑ってはいないだろうか。それは、読者自身について、何を物語っているだろうか。
他の人々に、彼らがどんなに利功か示させるようにしよう
読者はどのようにして、二つのことを同時にしているか。三人の同僚たちに、同じような例を挙げてくれるように頼んでみよ
Posted by ブクログ
リーダーシップについて悩んだり、気になることがあるときに手を取ると良さそうな本。
ワインバーグの本は『ライトついてますか』を読んだことがあるけど、どちらも自分自身の経験に応じて感想が変わる本だなと思う。ふとした時に手に取ると、昔は分からなかったけど今ならじんわりと実感をもって読むことができ「そうかあの時のことはそういうことだったんだ」という発見がある。そういう意味で、手元に置いておきたい本。
Posted by ブクログ
サブタイトルの「技術リーダーシップ」と「人間学」というキーワードに惹かれて買ってみた。 君リーダー・マネージャやってね、と言われた時に、リーダーなんてやりたくない!エンジニアとしてやっていきたいんだ!という葛藤と戦うときに読むと、どういう心構えが必要となってくるのか、どういうマインドセットの変更が必要となるのか、という観点で読むとよさそうです。 とはいえ、ワインバーグ先生の本は読むのに根気が必要・・・
Posted by ブクログ
リーダになることについて書かれた一冊。多角的な視点から書かれており、勉強になることが多かった。
20年前以上に書かれているにもかかわらず、変わらないことはたくさんあるのだなとも改めて感じた。
ただ、解釈が難しいところもいくつかあり、その辺は何度か読み直したなと感じた。
Posted by ブクログ
あいかわらず素晴らしい一冊。「コンサルタントの秘密」に引き続き、自分の最も好きな本になった。
HowToというよりも、考え方を重視していて、日々の仕事の中で、忘れてはいけないことを当たり前のように思い起こしてくれる良書。
悩んだらまた読みたい。
Posted by ブクログ
この本、「研修前に読んでおくように」とかって言われるとなかなか読む気も失せるけど、オススメします。
「なるほどなー」って思うとこがいっぱいあって、今までの自分のやり方じゃ仕事に埋もれるかもしれないって感じた。
まだまだだよなー、ほんと。
「やだ」とか「キツイ」とかうだうだ言ってんならもっとできるようになる方法探せよ、って感じ。世界中には同じ問題抱えて苦労してる人たちもいるし、同じ会社にだって仲間がいんだからね。
でも、内容が濃すぎて何度も読み込まないと頭に残らないっすよ、これ。
ただ、この本は対象「誰でもいい」って言ってるのは気になった。
内容的には確かにどんな業界のどんな立場で働いてる人にも得るものあると思うし、読んでないなら読んでみてもいいと思う本なんだけど…
読んで一番効果の出るのは「情報産業の駆け出し連中」、つまり俺らかなと思った。もしくは、プライムじゃなくてパートナーとして「一番上流でやってる会社に管理される側」で中身の仕事する人たちに限定されるんじゃないかなー。
ん~、最近稀に見るタフな本だった。
著者が15年かけて書いたって言うだけあるわ。
俺はこれ読んで、もっと仲間とやり方とか考えてみたりしてもいいかなーって思いました。
持ちつ持たれつができる仲間と、自分だけのネットワークを作る。
器はあるから、あとはベクトルを与えてやるだけだね☆
次読む本は軽く読めるのがいいかなー。笑
Posted by ブクログ
この本は初版が1991年10月20日で、
自分の手元にあるのは、1993年2月5日 初版24刷発行のものです。
購入したのは、1994年2月26日(土)でした。
なぜ、購入した日が分かるかというと、
手元にある本に購入した日をメモしておいたからです。
2010年の今から、およそ、16年前。
当時、コンピュータの会社に入社して2年目の頃だったと思います。
「スーパーエンジニアへの道」というタイトルからすると、
技術者向けの本のように思えますが、
副題に「技術リーダーシップの人間学」とあるように、
「人間学」
がテーマになっています。
この本の最初の方にある「推薦の辞」にもあるように、
この本は
「どう考えるべきか、そして、自分が考えていることについて、
考えながらどう考えるべきか」
という主題を持った本だと思います。
また、訳者の方が述べている
「スーパーであるためには、技術革新の力だけではなく、
動機付けと組織化の能力を併せ持っていることも必要」
=「問題解決型のリーダーシップ」
とあるように、経営者を目指す方にも、参考となる本だと思います。
筆者がこの本を書いた理由として、最後に述べているのが、
「私のリーダーであった人々に対する感謝の気持ちから
これを書いたのだと思う。
彼らが教えてくれた幸福を私が読者に伝え、
読者がこの幸福をほかの人々に伝えてくださるなら、
それが、彼らが施してくれた恩恵にもっとも報いる道
なのだと思う。」
とありました。
このメッセージが、必要な方へ、この本が届くキッカケとなれば
幸いです。
Posted by ブクログ
スーパーエンジニア、つまり、問題解決型リーダーとは何かを書いた本。海外の本にありがちな、だらだらと長いだけの本。ぎっくり腰の話とか、何のサジェスチョンにもなってない。そんな中で良いことは以下。
成功するプロジェクトは、全て少数の傑出した労働者の働きに依存する。
セルフマネジメントを重視する。他人をコントロールはできない前提に立つ。自身の言動によって、他者の動機を殺さない、混乱を生まない、アイデアの流れを抑制しなければ、良い方向に行く。つまり、リーダーは、利己的であってはいけない。
ビションがあってこそ、仕事は重要性を獲得する。
人は誰もが自分は役に立っていると感じたがり、貢献することを望むというのは、仮定である。
組織作りとは、仕事を解決するためである。
人に割り振った仕事を自分でしないこと。
マネージャーになりたい理由は?
リーダーとして持っている資産と負債は?
Posted by ブクログ
文章の言い回しがちょっと回りくどいかな。スーパーエンジニアとあるけど、あんまりエンジニアとは関係ない普遍的な内容だと思う。さらに、リーダーシップとあるけど、「リーダーになりたい人は、他人からよく見られたいだけだろ?そんな理由ならやめとけよ。リーダーになるメリットなんてないよ」と、リーダーにならないように注意してくれる。本書は理性的で知的になるための心構えを教えてくれてる。
Posted by ブクログ
2015年再読。よくわからない自分はまだ読むべき時ではないのか。1991年の本だというのに驚く。グループワークで教科書的に使うといいのかな、各章の設問は基本スルー。問題解決チームの効果的組織法は興味深かった。
Posted by ブクログ
リーダーシップに必要なのは、①動機づけ(Motivation)、②組織化(Organization)、③アイデア(Idea)ないしは技術革新(Inovation)のタネ、の3つであり、これらの頭文字をとって、MOIと言う。
アイデア、技術革新という点において、技術リーダーたちは、①問題の理解、②アイデアの流れの調整、③品質の保持、という三つの主要な分野に特に力を注いでいる。技術革新がうまくいかない、阻害要因は、①自己盲目性、②問題ない症候群、③答えはひとつの信念の3つであり、これらが複雑にからみあって、容易には除去できない。また、問題解決型リーダーは、アイデア力が特に必要で、そのための戦略は、①誤り、②盗み、③結合の3つである。
動機づけという点において、問題は、①自分自身を、他人が自分を見るようには見られない、②すべき仕事の成否が怪しい場合、チームの責任者として、人と仕事のどちらを優先させるかの判断が難しい、の2つである。人に動機づけができるようになるためには、常に誠実である、ことが必要である。
組織化という点において、チーム組織化の方法が色々ある中で、①個人別、②投票、③強力なリーダーによる意思決定、④コンセンサス、の4つが考えられるが、それぞれメリットデメリットがあり、リーダーはこれらの組織法を、時と場合に応じて使ったり、組み合わせたりして組織を構成し、問題解決を行っていく。
最後に、自分が後で後悔するかもしれないことをいったりしたりしそうになったとき、次の三つの問いを発する。
①なぜ私はこれをしたいと思うのか、②私が提供できる資産は何か、③私が持ち込む負債は何か
Posted by ブクログ
タイトルと中身はかなり不一致で、リーダー論の本
このタイトルで読む人が限定されるのは残念
しかし30年前に書かれているのに、今と全く変わらない状況にあるというのはどういうことか
個人的には冗長すぎる「小話」がちょっと後半しんどかったが、章立てになっているので時々読むには良い気がする
メモ)
・他人をリードするか。プロセスをリードするか
・問題解決のリーダーにあるのは「もっとよいやり方は無いか」という信仰
・技術リーダーとして成功する人々のやり方
-問題の理解
-アイディアの流れを調整する
-品質保持
・問題の理解
技術力がどれだけ高くても何を達成するか明確に理解しないと成果は出せない。彼らは「何か面白いことが見つかるに違いないと信じている」人たちで、問題自体を理解したいと思っていない
仕様書を読むという行動に対して、一人の目がもつ信頼性は不十分
・アイディアの流れを調整する
アイディアが少なければ解決策は生まれないが、多いと混乱する。アイディアは練り直しが大切。出すときよりも練り直しに100倍の労力を使う。誤ったリーダーのイメージとしてキラキラしたアイディアをべらべら喋るがある。それは他人のアイディアをおさえるだけでナンセンス。時間と労力が不足してきたらアイディアを出すよりガリガリやる、神すらも6日で新しい生物を考え出すのをやめたのだ。以前にうまくいった、もしくは捨てたアイディアを捨てる、復活させる。
・品質を管理する
問題解決リーダーは目標が定義されれば欠陥を持った解決策を受け入れない。品質を進行につれて計測し、必要なら方針を変える。PJから一歩退いて生き残りの可能性を評価する。そしてアイディアを実施する前に顧客の確認を取る。そして失敗を失敗のままにせず糧としてより創造的なプロセスとしていく
・よりよい戦略を進むとき、人は飛び移るのではなく登る、基本的にずり落ちる。これまでうまくやっていたことを断念しなければならない。だがそのリスクなしに継のフィールドへは移れない
・失敗を成功への跳躍に使う人がリーダー
・人と仕事のどちらを優先するか。判断は不可能
・「力」とは所有ではなく「関係」