あらすじ
コンサルタントの仕事とは、私の定義によれば「人々に、彼らの要請に基づいて影響を及ぼす術」というものである。人々はある種の変化を望み、またはある種の変化を恐れてコンサルタントの何らかの形の手助けを求めるのである。
この本は、影響してくれという要請をめぐる、一見非合理的な行動にひそむ合理性に関しての、私の発見を述べたものである。それがコンサルタントの秘密である。この表題から見て、この本はコンサルタントのための本だという感じを持たれる向きもあるかもしれないが、実はこの本はわれわれのこの非合理的な世界の中で混乱し、それについて何かをしたいと思っているすべての人々のための本なのである。
[はじめに]より
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Posted by ブクログ
コンサルタントの仕事とは、「人々に、彼らの要請に基づいて影響を及ぼす術」
賢明なコンサルタントなら、依頼主の自尊心を認知するようなやり方で答えるでしょう。ただし、自分自身の自尊心を犠牲にすることはしないでしょう。そうでなければ、本物の、長続きする変化は生まれてきません。
マネージャーの文化の中では、相手が誰であるにせよ、自分に処理できない問題があることを認めるくらいまずいことはない。
まず、依頼主が有能であるということに同意し、そのうえで、何か改善を要する分野はありませんか、と問うというものである。
依頼主は、あまりにも問題の近くにいるために、自分がどんなに深いトラブルに巻き込まれているかわからないのである。
有能なコンサルタントがいる場所では、依頼主が問題を解決する、ということである。
「いつも、子供たちにとって必要なことを成し遂げたのは先生たちの手柄ですと、公式的に認めるようにします。私は彼らに必要な技法を教え、彼らが同じ問題でまた私を呼ぶことのないように努めます。」
全部を自分でやることはできない、ということを認めることができるほど肝っ玉が大きいのは、最良のマネージャーと最良のコンサルタントだけである。
「自分を雇ったのでない相手の問題を解いてやるな」コンサルタント業務とは、「当人の依頼」によって、その人に影響を及ぼす仕事である、ということを決して忘れなるな。
第一の問題を取り除くと、第二番が昇進する。
失敗を容認できない人は、コンサルタントとしては成功できない。
問題が解ける人は、いい暮らしができる。だが、必要に応じて問題を無視することができる人こそ、最高の暮らしができるのだ。
他人を助けようとすることは、まず自分を、しかも依頼主以上に助けるようになるものなのだ。
「合理的であるな、妥当であれ」→合理的は、論理的であること。妥当とは、実情によく当てはまっていて、適切であること。
いつも論理でうまくゆくものなら、コンサルタントなど誰も必要としないだろう。
生き残りのためには、われわれはものごとを笑い飛ばし、もおう一度はじめからやりなおすということを覚えなければならない。
コンサルタントたちがかかる職業病はたくさんあるが、問題を解きたいという気持ちを抑えられない、という病気はその一つである。
問題に対処するときは、最適化を考えるのではなく、トレードオフを考える。
ひとたび質問が出始めれば、ただで何かを手に入れることはできないということがはっきりし、ひいては解答を見つけるための努力が筋の通った方向に進み始める。
健康なコンサルタントは健康な曲線を見つけるのに時間を使うものだ。不可能な曲線を探し求めてみても何にもならない。
ある方向に動けば、別の方向についてコストが発生する。
オレンジジューステスト:「それは難しい問題です。そのお手伝いならできます。で、費用はこれだけです」と回答する。「それはできますよ。で、それにはこれだけかかります」
→つまり、何らかのサービスをしてもらいたいと思った時には、私は相手に何をしてほしいかを告げる。相手は、それをそこでしてもらうためにはいくらかかるかを告げる。
→依頼主(顧客)との間で、何の代償もなしに何かをもたらすような計画を考えたがるという、われわれ相互の間に発生する最適化症の治療にも使える。
自分で自分をなおせるシステムを繰り返し治療していると、ついには自分をなおせないシステムができる。
もし彼ら(依頼者)がこれまでしてきたことが問題を解決しなかったのなら、何か違うことをするように勧めるがよい。
コンサルタント業において一番大切な業務は、料金を適正に設定することだ。
金ピカ法則:機能にできなかったら、それらしく見せてしまえ。それらしく見せる方が、なおすよりずっと楽だからである。
逆金ピカ法則:何かが「らしく見せられている」とすれば、それはなおす必要がある。歪んだ、ごまかしの表現や言葉を使うのをやめて、本来の名前で物事を呼ぶ、というところから始まる。
Posted by ブクログ
コンサルタント以外にも読む価値は十分ある本。
・そこに見えるものを見るための方法
・見えないものを見るための方法
・変化に対する考え方
・抵抗とつきあう方法
などをエピソードをまとめながら法則としてまとめている。
「パンドラ性発疹」のパンドラの考え方が一番印象に残ったかなあ。