【感想・ネタバレ】コンサルタントの秘密 技術アドバイスの人間学のレビュー

あらすじ

コンサルタントの仕事とは、私の定義によれば「人々に、彼らの要請に基づいて影響を及ぼす術」というものである。人々はある種の変化を望み、またはある種の変化を恐れてコンサルタントの何らかの形の手助けを求めるのである。

この本は、影響してくれという要請をめぐる、一見非合理的な行動にひそむ合理性に関しての、私の発見を述べたものである。それがコンサルタントの秘密である。この表題から見て、この本はコンサルタントのための本だという感じを持たれる向きもあるかもしれないが、実はこの本はわれわれのこの非合理的な世界の中で混乱し、それについて何かをしたいと思っているすべての人々のための本なのである。

[はじめに]より

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

コンサルタントの仕事とは、「人々に、彼らの要請に基づいて影響を及ぼす術」
賢明なコンサルタントなら、依頼主の自尊心を認知するようなやり方で答えるでしょう。ただし、自分自身の自尊心を犠牲にすることはしないでしょう。そうでなければ、本物の、長続きする変化は生まれてきません。
マネージャーの文化の中では、相手が誰であるにせよ、自分に処理できない問題があることを認めるくらいまずいことはない。
まず、依頼主が有能であるということに同意し、そのうえで、何か改善を要する分野はありませんか、と問うというものである。
依頼主は、あまりにも問題の近くにいるために、自分がどんなに深いトラブルに巻き込まれているかわからないのである。
有能なコンサルタントがいる場所では、依頼主が問題を解決する、ということである。
「いつも、子供たちにとって必要なことを成し遂げたのは先生たちの手柄ですと、公式的に認めるようにします。私は彼らに必要な技法を教え、彼らが同じ問題でまた私を呼ぶことのないように努めます。」

全部を自分でやることはできない、ということを認めることができるほど肝っ玉が大きいのは、最良のマネージャーと最良のコンサルタントだけである。
「自分を雇ったのでない相手の問題を解いてやるな」コンサルタント業務とは、「当人の依頼」によって、その人に影響を及ぼす仕事である、ということを決して忘れなるな。
第一の問題を取り除くと、第二番が昇進する。
失敗を容認できない人は、コンサルタントとしては成功できない。
問題が解ける人は、いい暮らしができる。だが、必要に応じて問題を無視することができる人こそ、最高の暮らしができるのだ。
他人を助けようとすることは、まず自分を、しかも依頼主以上に助けるようになるものなのだ。
「合理的であるな、妥当であれ」→合理的は、論理的であること。妥当とは、実情によく当てはまっていて、適切であること。
いつも論理でうまくゆくものなら、コンサルタントなど誰も必要としないだろう。
生き残りのためには、われわれはものごとを笑い飛ばし、もおう一度はじめからやりなおすということを覚えなければならない。
コンサルタントたちがかかる職業病はたくさんあるが、問題を解きたいという気持ちを抑えられない、という病気はその一つである。
問題に対処するときは、最適化を考えるのではなく、トレードオフを考える。
ひとたび質問が出始めれば、ただで何かを手に入れることはできないということがはっきりし、ひいては解答を見つけるための努力が筋の通った方向に進み始める。
健康なコンサルタントは健康な曲線を見つけるのに時間を使うものだ。不可能な曲線を探し求めてみても何にもならない。
ある方向に動けば、別の方向についてコストが発生する。
オレンジジューステスト:「それは難しい問題です。そのお手伝いならできます。で、費用はこれだけです」と回答する。「それはできますよ。で、それにはこれだけかかります」
→つまり、何らかのサービスをしてもらいたいと思った時には、私は相手に何をしてほしいかを告げる。相手は、それをそこでしてもらうためにはいくらかかるかを告げる。
→依頼主(顧客)との間で、何の代償もなしに何かをもたらすような計画を考えたがるという、われわれ相互の間に発生する最適化症の治療にも使える。
自分で自分をなおせるシステムを繰り返し治療していると、ついには自分をなおせないシステムができる。
もし彼ら(依頼者)がこれまでしてきたことが問題を解決しなかったのなら、何か違うことをするように勧めるがよい。
コンサルタント業において一番大切な業務は、料金を適正に設定することだ。
金ピカ法則:機能にできなかったら、それらしく見せてしまえ。それらしく見せる方が、なおすよりずっと楽だからである。
逆金ピカ法則:何かが「らしく見せられている」とすれば、それはなおす必要がある。歪んだ、ごまかしの表現や言葉を使うのをやめて、本来の名前で物事を呼ぶ、というところから始まる。

0
2021年05月05日

Posted by ブクログ

ジェラルド・ワインバーグ(Gerald Marvin Weinberg)は、その洒脱な文体での著作の数々で、一部の人には非常に有名なシステムエンジニアで、心理学者だ。

「一部の人」とは、システムエンジニアのみならず、コンサルティングに関わる人、また、経営層に近い人のことで、個人的にも、IT系の管理職の方はほぼ全員、何らかの彼の著作を読んでいた。

私も、仕事の絡みで知り合ったシステムエンジニアの方から紹介してもらって読んだのが最初だ。あれは20年以上前だろうか。で、久々に手に取ってパラパラと開いてみる。

---
コンサルタントの第一法則
依頼主がどういおうとも、問題は必ずある。
コンサルタントの第二法則
一見どう見えようとも、それはつねに人の問題である。
コンサルタントの第三法則
料金は時間に対して支払われるのであって、解答に対して支払われるのではない、ということを忘れてはならない。(p.4)
---

私はコンサルタントではない。どちらかと言えば実務家だが、「そうなんですよ~」と膝を打つような警句が次々に出てくる。「第二法則」など、まさに「そのとおりでございます」だ。

我々は、何か問題が生じたときに、得てして仕組みや機械のせいにしてしまいがちで、モノやシステムを変えることで片付けたくなるのだが、実際は、人為的、つまり「人の問題」が真因である。

---
よく適応すればするほど、適応力を失いがちだ。(フィッシャーの基本定理)(p.32)
---

これもまさにそうだ。「過剰適応」という言葉があるが、のめり込んでしまった時に陥りがちな状況への警句だ。

---
エネルギーや空気や水や食物は品切れになるかもしらんが、理由ばかりは決して品切れにならんもんだぞ。(p.69)
---

理由、を"言い訳"に置き換えると、とても納得する。

---
言葉と音楽が合っていなかったら、そこに欠けた要素がある。(p.93)
---

直感的に感じた違和感は、疎かにしてはならない。

---
1:安い種を使ってはいけない。
2:土の準備は庭作りの秘密である。
3:タイミングがきわめて大切である。
4:一番しっかり地面に根づくのは、自分の根で育った作物である。
5:水をやりすぎると、強くならないで弱くなる。
6:最善の努力。払っても、枯れる作物は枯れる。
(p.228-229)
---

ツボにはまる警句(法則)は、人ぞれぞれだろう。私は「4:」だ。私の理解は、自分で積み上げてきた基礎こそが、最後の最後は一番役に立つ、と理解している。

この本は、一度通読した上で、ふと気になったり迷いがある時に読むと、とてもスッキリする。

そういう使い方(読み方)が良い一冊だ。

0
2020年07月05日

Posted by ブクログ

ワインバーグ氏がコンサルタントとして気をつけなければいけない法則がまとめられたもの。詳細はWikipediaにまとめがあるが、純粋にストーリーとして面白いので本書を読む価値は十分にある。自分が第三者レビュー組織を率いていて顧客に売り込みに行く際、あるいは現在社内コンサルとして仕事をこなしていく中で、本書を先に読んでいればと思った。あるいは、ある程度コンサル業を経験した方が、本書を実感を持って読むことができるかもしれない。オススメ。

0
2019年10月30日

Posted by ブクログ

数多くの金言が散りばめられていて、コンサルタントに関わるあらゆる人におすすめしたい。
後半の内容はやや一般的で他の専門書に譲っている印象も受けますが、9章までの流れは感動的です。

0
2019年08月13日

Posted by ブクログ

ここのところ、自分の知識の見直しという気もあって、昔読んだワインバーグの本を読みなおしているのだが、今読んでも感心させられることに感心させられる。特にこの本は、自分の仕事のしかたにとても影響を与えていることに改めて気づいた。
人に何らかのアドバイスを与える仕事(ほとんどどんな仕事でもそうなのではないかと思うが)を持つ人にはとても役に立つ本。

0
2017年12月26日

Posted by ブクログ

コンサルタントが相手を変えるためにどのようにすれば効果的か、が面白おかしく書かれている本。当方は大企業の横串機能の部署に所属しているが、社内コンサル的な立ち回りをすることが多く、本書に書かれている内容にとても共感ができた。
非合理の扱い方、なぜ問題が解決できないか、依頼主がどれだけ混乱にしてるか見分ける方法、、など。
文体のせいで真偽を疑ってしまうものもあるが、他人の混乱を整理してお金を稼いでいる人にとっては身近に感じるテーマが多く、うまく自分のケースに当てはめて読むことができれば有用な本ではないだろうか。

0
2013年02月23日

Posted by ブクログ

コンサルに関わるものにとって示唆に富む名書です。再読する度、初読の時とは違った見方をしている自分を発見できます。読み手の成長とともに、いろいろな気づきを与えてくれるでしょう。「過去の栄光は未来の墓場である」今でも箴言と思っています。

0
2012年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コンサルタント以外にも読む価値は十分ある本。

・そこに見えるものを見るための方法
・見えないものを見るための方法
・変化に対する考え方
・抵抗とつきあう方法

などをエピソードをまとめながら法則としてまとめている。
「パンドラ性発疹」のパンドラの考え方が一番印象に残ったかなあ。

0
2012年01月22日

Posted by ブクログ

ワインバーグの本
コンサルタントの秘密、プログラミングの心理学、スーパエンジニアへの道
は自分にとってのワインバーグ3部作です。
翻訳がとてもうまく、翻訳本に特有の読みにくさがなく、とても読みやすく、内容もウィットに富んでいてどれもうなずける内容です。購入してからかれこれ10年以上は立っているとおもいますが、節目節目で読み返してまさに人生のバイブル本です。

0
2011年06月10日

Posted by ブクログ

コンサルタントとしての自覚などを学ぶ、ということもありますが、それ以上に人との付き合い方---さらに言えば生き方---について教えられる本です。
何度も救われました。

0
2011年04月28日

Posted by ブクログ

最高傑作といってよいほど、大好きな本。

この本を読んで、コンサルタントになりたいと思い、社会人としてキャリアを重ねてきたといっても過言ではない。

今ではそれなりに経験や実績を積んできたので、「そうだよな~」と思えるが、社会人に成り立ての頃は、いちいち「おぉーなるほど!」とうなづいていたのを覚えている。

お勧めの一冊は何ですか?といわれて、必ず挙げる本です。

0
2010年06月21日

Posted by ブクログ

登録は最近ですが読んだのは5,6年前
社会人2,3年目の頃でした

お客様の言う事を鵜呑みにするな的な内容だっけな?
何となく今の行動の原理となっているような気が

0
2010年01月20日

Posted by ブクログ

多分、人生を学んだ本を挙げろと言われたら、この人の本になる気がします(それでいいのかは別として)。
ワインバーグ氏の言葉は素敵です。十代の頃から敬愛してます。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

読んでて理解ができないところは飛ばしたが、一通り読んだ。
コンサルタント(人にアドバイスをする)ことについてのコツが書かれた一冊。

読みにくい部分はあるが、内容は割とどんな人にもオススメできます。
ただ、すごく読みにくいです。

0
2019年05月06日

Posted by ブクログ

一般システム思考入門とはまるで違う書き味だった。改めてコンサルティングについて、わかったような、そんな気にしてくれる一冊。

0
2014年04月19日

Posted by ブクログ

十年くらい前に読んだ時は、当たり前の事が書いてあるように感じただけだった。
今、改めて読んでみると、当たり前のようで奥の深さを感じた。

0
2014年02月23日

Posted by ブクログ

この本では、コンサルタントを、人に請われて何かを教える人、と定義している。そういう意味では、誰でもコンサルタントを頼るし、誰もがコンサルタントになりうる。私たちは、教えるときにも、教わるときにも、失敗を犯す。問題をとらえ損ねたり、知っている答に固執したり、全部教えたり、などなど。この本は時々読み返し、我が身を反省すると良さそうだ。

0
2013年12月20日

Posted by ブクログ

コンサルタントとして、仕事を始めるに当たって読んでみた。格言は今までの経験と照らし合わせて、なるほどと感じるものが多かった。一方でよくわからない・理解できない格言も多く、経験を積んだ何年後かに読むとまた違った感想になりそうである。

0
2013年10月15日

Posted by ブクログ

「そこで私が、お話の中の何かが、私の方の腹が立つ原因になっているみたいです、といってみると、依頼主はしばしば情緒にかけたカバーをはずし、その事件のために彼がどんな腹を立てたか話してくれるのであった。」

コンサルタント、またはコンサルタントになりたい人にお薦めの本。
著者が今までの経験から学んだことを書いている。

0
2013年09月18日

Posted by ブクログ

2013年再読。コンサルタントの仕事とは、「人々に、彼らの要請に基づいて影響を及ぼす術」
・自分を雇ったのでない相手の問題を解いてやるな。
・それはできますよ。で、それにはこれだけかかります。
・人は、なぜあなたを信頼しなくなったのか、いってはくれない。
・契約は書面でしよう。だが信頼に頼ろう。

0
2013年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コンサルティングにおけるいろいろな法則を解説。
コンサルタントだけでなく、他の人にとってもあてはまることは多い。
会議に事前に役割をふり、その通りに動くようにしてもらうというのは面白いと思った。会議を終わらせようとする人は、逆に長引かせてしまう。

0
2012年06月08日

Posted by ブクログ

積読解消週間その2。職業コンサルタントに限らず、「技術アドバイス一般についての本」。古い本なので言い回しがちょっと古くさいが内容は色褪せず。

0
2011年08月29日

Posted by ブクログ

幼少の頃に読んだ絵本のような語り口調で、すぐには理解できませんが、日々お客様との折衝や交渉で悩まされているビジネスパーソンが手に取ると、
何らかのヒントや示唆が得られると思います。

もともとセールスエンジニアのために書かれた本ですが、営業パーソンの方全般に読んでもらいたい本です。

0
2009年10月07日

Posted by ブクログ

例え話を用いてコンサルタントの大事なところを話す本
例え話が多すぎて入ってこない。いいテーマのもあるけど構成のバランスが良くない

0
2022年07月20日

Posted by ブクログ

原本は1985年ですから既に古典に入るのでしょう。洒脱な文体とお洒落なイラストで読ませますが、法則がこれほどあることにまず驚かされます。
本書ではマービンの法則、ラズベリージャムの法則、ワインバーグの双子の法則など30以上の法則にお目にかかれます。
私が特に、気に入ったのは「コンサルタントの法則」なるものです。第1法則:依頼主がどういおうが問題は必ずある、第2法則:一見どう見えようが、それは常に人の問題である、第3法則:料金は時間に対して支払われるのであって、解答に対して支払われるのではないという点を忘れてはならない、第4法則:雇われ主以外の問題を解いてやるな。
また、以下の文などは風刺とユーモアが絶妙です。
「最近まで私は、心理学という分野全体が50%の誤りと50%のでっちあげから成り立っているのではないかと疑っていた。それどころか、心理学者自身がそのどっちがどっちなのかわからないのではないかと疑った。だが成熟するにつれ私も、数人の優れた心理学者たちーそのほとんどは、普通の言葉で文章が書ける人たちだったがーを尊敬するようになった。」
若干、日本語訳が読みづらいが、内容がいいので頑張って読みましょう!

0
2021年04月13日

Posted by ブクログ

ワインバーグの本は、難解で読むのに疲れます。が、いろいろと皮肉交じりの論説は爽快。特に、新説パンドラの箱は、面白い。要約すると「パンドラの箱は、希望が残らなかったたため、人類は同じ間違いを何度もする」。

0
2018年10月23日

Posted by ブクログ

・私がフルタイムのコンサルタントになった時にすぐ気づいたのは、世界が彼らにとって合理的に働いているときに影響を及ぼしてくれと頼んでくる人々はほとんどない、ということであった。その結果としてコンサルタントは、異常に多くの非合理性に出会うことになりがちである。

・二、三年前のことだが、あるたいそう賢いコンサルタントが、私が本をどんなにたくさん書いたか自慢げにしゃべっているのを聞きつけた。…「ねえ、あなたがもしあの人たちの手助けをしようと思ってそうしてるんじゃないとしたら、あなたは誰を助けようとしていることになるかしら。そんなに助けがほしいのだったら、あなたは依頼主になるべきなのよ。コンサルタントじゃなくてね。」
私が人に、自分は中古車のセールスマンです、といいはじめたのは、このときからであったと思う。
(著者は飛行機で隣の人とあまり会話をしたくない時に、中古車のセールスマンを名乗る事にしている)

・私は「私の」ピンの技法が大変な自慢だった。だから何年もの間、品質の問題を解いてくれと頼まれるごとにそれを使っていた。だがそれが道具としてあまりにも有効に見えたために、私は明白なことを見落とした。
ある日、違った種類の問題に関係して新しい依頼主を訪れたときに、私はボードに苦情の分布を示すピンが立っているのを見かけた。
「ああ、」と私はボードを指さして言った。「お宅ではソフトウェアの品質に問題があるのですか。」
「いいえ、うちのソフトウェアの品質は業界ではトップです。どうしてそうお聞きになったのですか。」
そのときはじめて、私はずっと前から気づいているべきだったことに気づいた。つまり、苦情を集計する何らかの道具が”見当たらない”ことこそ品質に問題がある事の兆候だったのである。
…私はそれまでピンの技法を、品質上の問題点に目を向けるために使ってきたが、同じ技法は、どのグループには品質上の問題が”ないか”をみつけるのにも使えるものだったのだ。そういう優れたグループを訪れてみて私は、ソフトウェアの品質を改善するためのやり方を、たちまち1ダースばかり学ぶことができた。
またしても私は、そこにないものに気づきそこなっていたのだ。私はあまりにも問題に目を向けすぎ、反問題、つまり存在していそうで実は存在していない問題を見落としていた。私は長い間かけて、自分のコンサルタントとしての道具箱を眺め回し、そうか、そこにないものを見るための道具が足りなかったのか、と気づいた。

・防御手段の第一は、新しいシステムは必ず失敗する(それもひょっとするとたくさんの点で)という事実を受け入れることである。私が「失敗は”許されない”んだから、この変化はぜひ起こさなければ。」と考えている自分に気づいたとすれば、それは私が大きなトラブルに巻き込まれているときである。多少の失敗を許容することができないのだとすれば、新しいシステムは作っても役に立たないのだ。

・変化が避けえないものであるとき、人は自分がもっとも高い価値を置いているもののために、もっとも強くもがく。
カブト虫たちは仔が大きくなると保護するのをやめる、という感覚を持っているわ。ところが人間は幻想を作り出すことができるから困るの。それを失われた現実の代わりとして作り出してしまうの。現実の変化は、たいていはゆっくりしたものよね。ところが、もし私たちがその変化を隠すために幻想をこしらえはじめると、じき私たちは気づいてみればその幻想を維持するために全エネルギーを費やしていた、ということになるの。
それは危機のように見えるかもしれないが、実は幻想の終りにすぎない。

・「同じアイディアが世にあらわれるのは一度ではない。二度でもない。無数に何度もあらわれるのだ。」―アリストテレス

0
2013年10月01日

Posted by ブクログ

コンサルティングに直接関わっているわけではないが、ビジネスパーソンにとって有益な考え方を身につけようと思い、読んだ。
書いてあることが重要であることは分かるが、一読しただけで理解することは難しい。
何度も読み直し、自分の仕事を通して理解していくことが必要だと感じた。

0
2011年11月07日

Posted by ブクログ

読めば読むほど味が出る一冊。
具体から抽象の流れで分かりやすくコンサルタントとしての心構え・姿勢を説いている。ずっとそばに置いて、いつかまた読み返したいと切に思った。

0
2010年03月27日

Posted by ブクログ

出版社 / 著者からの内容紹介

著者の深いコンサルタント経験を基に技術アドバイスの機微をあますところなく説き明かす、理系と文系の両方を含む、よい仕事を目指す大人のための楽しくまた恐ろしい本。
目次
第1章 コンサルタント業はなぜ大変か
第2章 逆説的思考育成法
第3章 わからないことをしているときでも有効であるの法
第4章 そこにあるものを見るの法
第5章 そこにないものを見るの法
第6章 わなから逃れるの法
第7章 インパクトをふくらますの法
第8章 変化を飼い慣らすの法
第9章 変化を安全に起こすの法
第10章 抵抗に出会ったら
第11章 サービスの売り出しかた
第12章 自分に値段をつけるの法
第13章 信頼を勝ち得るの法
第14章 アドバイスを人に聞いてもらうの法
参考書およびその他の経験―もっと知りたい人のためのガイド

0
2019年06月01日

「ビジネス・経済」ランキング