あらすじ
戦略論とDX(デジタルトランスフォーメーション)が「なんとなく」のつながりしか持たずにいるこの状況を見過ごしてよいのか。
この問題意識の下、戦略論とDXを密に結合させるべく、経営理論や経営戦略フレームワークのレンズで、DX事例を読み解いていく。
そして、企業戦略、事業戦略、組織戦略のそれぞれのレイヤーで見いだされる戦略論とDXの交点が、企業の継続的な進化への一手を指し示す。
DXの最先端を走る経営者との対談も収録。
<本書の内容>
はじめに
第1章 交点を探るにあたっての「こだわり」
第2章 事業ポートフォリオ戦略とデジタル変革モードの結合
第3章 リソース・ベースト・ビューから導くデジタル変革の3ステップ
第4章 ビジネスモデルに効くデジタルインテグレーションの具体像
第5章 デジタル組織の将来像を組織の進化理論で描く
総括
謝辞
参考文献
<特別対談>
奥田 久栄(株式会社JERA 取締役副社長執行役員 経営企画本部長)
二見 通(アフラック生命保険株式会社 取締役上席常務執行役員 チーフ・デジタル・インフォメーション・オフィサー)
大澤 正和(三菱UFJ銀行 取締役常務執行役員 デジタルサービス部門長 兼 CDTO)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
DXと戦略論は別ではない、密接しているということを事例とともに学ぶことができる。
そもそも、デジタル施策は各企業の抱えている課題や目指す方向性によって大きく変化することから、何を打つかではなく、どこにどんな課題があり、それを解決するために何を打つかを考えることが重要である。
DX,DIという切り口から、組織の慣性という性質とそれに対するアジャイル型組織という概念についても学ぶことができた。
Posted by ブクログ
DXの理解を深めるために手にした本。
具体的な企業の戦略とDI、DXとの関係性を知ることができ、とても参考になった。
自らの業務に置き換えてみて、DXでどんなことができるのか、早速考えてみたい。
Posted by ブクログ
■企業において、戦略を語るとき、DXは別のものと捉えられることが多い。それは、戦略論はある程度の歴史があるが、DXはまだ歴史が浅いからという。
■しかし、DXも机上の仮説から現場で実体験されたものへと深みを増しており、企業戦略、事業戦略、組織戦略にどのように落とし込んでいくべきか考察している。
■DXの目的は経営戦略を実現し、企業ミッションを果たすことにある。戦略論と交点のないDXは弱い。
■企業戦略とDXの交点、事業戦略とDXの交点、組織戦略とDXの交点、の3つのレイヤーで交点を探る。
■各章で図表を豊富に提示しており、コンサルティング会社のマル秘ではと思うようなテンプレートも公開している。
■様々な企業のDX責任者との特別対談も挿入され、本に記載されていることを裏付ける内容となっており、わかりやすい。コンサル会社の浮ついた理念先行型のプレゼンテーション中心の本ではなく、地に足の着いた良書。
Posted by ブクログ
■この本をおすすめできる人
・事業会社の管理職
・DX関連の部署の方
・DXって何をするのかを知りたい方
■おすすめポイント
DXは手段であるにも関わらず目的化している企業が多い中、経営戦略の実現手段としてのDXについて解説されています。一つの業界やビジネスモデルに絞っているわけではないので物足りない部分はありますが、逆に他業界の事例などからヒントを得ることもできると思うので、DXの入門書としてはかなりオススメ。
ただ、本書のDXとDIの定義は、一般的な共通認識ではないと思うので、注意が必要。
■個人的に覚えておきたいポイント
①P59:事業ポートフォリオ(成長事業、基盤事業、課題事業・・)毎のとるべきDX/DI戦略
②P64:ダイキンはエアコンの物売りでビジネスモデルの高度化(DI)を実施した後にサブスクリプション型にDXをした。
③P102:デジタル変革の3STEP(デジタルパッチ→DI→DI/DXマネジメント)
→コマツの事例をもとに語られているので説得力があります。
④P150:ビジネスモデルごとのDIコンセプト
⑤P208:ルクサは買おうか迷っている人を対象にクーポンを発行し売上UP。その前段で顧客のRFM分析でグループ化などを実施。
⑥P249:組織を導く「道標と三つの力」フレームワーク。
→詳細は割愛するが、「DXを推進する」と述べるだけでなく、評価基準などもセットで変える必要があるというのは納得感があった。
Posted by ブクログ
数多あるDX論の本(AI等の新技術活用や、2025年の崖等の個別テーマ検討)とは一線を画し、企業経営実現する為のDXという一貫した視点で述べられている。
都度用語定義があり、論理的に話が展開されるものの、一つ一つ慎重に読み進めないと理解が曖昧になりつつあるので要注意。
一言で言うと
→経営戦略を実現する『戦略論』と『DX』をいかに結びつけ(交点を見出し)、推進するための方法論と処方箋
何を学んだか
→DX推進にあたり、表層的なデジタル技術を用いた企業改革ではなく、『企業戦略・事業戦略・組織戦略』とどのように関係させ、その施策の検討を行うことを忘れてはいけない
ビジネスモデル(経営資源・主要プロセス・利益方式・顧客価値)を13のビジネスモデルにわけ、それぞれのDIコンセプトとその事例が分かりやすくイメージがつきやすかった。
Posted by ブクログ
DXの本いっぱいありますが、学術的なアプローチをとっているのが面白かった。同じ感じで色んなデジタルの取り組みを斬ってみたらもっと深まりそう。(専門用語っぽいのは調べつつ…)
対談も話題豊富で、第一線の経営者は色んなこと考えてるんだなと感じました。
Posted by ブクログ
本編で語られる内容が、対談企業にて実践されている姿がたいへん興味深い。
特にデジタル組織の狙いが面白かった。
終始難しい話が続くので気が抜けなかったが、読み応えあり。
Posted by ブクログ
3章の変革の3ステップと、5章の組織の将来像が、経営理論と具体例が噛み合っていて良かった。
対談も収録されているが、どれも読み応えがあり、対談だけでも読む価値十分。
4章のビジネスモデルごとのデジタル施策が、単調で読んでいて眠くなったのが残念。
Posted by ブクログ
期待以上の良書であった。コンサルティング会社の書く本はよくまとまっているが具体的な示唆に乏しくなりがちだが、本書は珍しく自社のアプローチの紹介をある程度行っている。
Posted by ブクログ
ベイカレント・コンサルティング監修とのことで社名入りだったのでやや期待したが、冒頭の「こだわり」とかいう主観のワードセンスが個人的に残念。2章以降は、もう少し理論・手法ベースの話が入って、組織の事例も入ってくるので、共感しやすかった。DXは単発で終わっては効果が出ないので、継続的に、かつ組織の再構築まで意識して進める必要がある。企業/事業/組織戦略。リソース・ベースト・ビュー (RBV) やポートフォリオ論など、レガシーな戦略フレームワークにもあてがって再考してみること。知識集約型はAI活用が鍵。売上高に対する研究開発投資コストの比で分かる。デジタルツインの話もちょっとあり。
Posted by ブクログ
ベイカレントの本。
感想。業界を広く見るには良いかも。
備忘録。
・DXを進める上で個別テーマは重要だが、それよりも個別テーマが企業戦略や事業戦略の実現にどう活かされるか。戦略論と交わらないDXでは弱い。
・経営学者バーニー。価値があって希少なリソースを持つときその企業は競争優位を持つ。希少であるとは模倣や代替が難しいこと。模倣困難生は蓄積経験の独自性、因果曖昧性、社会的複雑性で特徴づけられる。
・コマツのコムトラックスは、米国のスタートアップ企業をコマツが買収したことから始まる。その2年後にコマツのパワーショベルを使ったATM盗難事件が相次いだことがきっかけだったりする。マジか。
・5つのレンズから見える13のビジネスモデルの図。これはわかりやすい気がする。
・で、この本はこの13モデルに対して、DXの処方箋を示している。例えば労働集約的なビジネスモデルならば、省人化DI。販売特化型のビジネスモデルならば提案支援DI(AIがベテランの暗黙知を解き明かす)。
・センスメイキング理論。今までの経験が通じない、新しく、不確実な物事に対し、意味をつけて、行動を起こし、組織にベクトルを示してパワーを与える、ような考え、わ
Posted by ブクログ
●一分野マスター読書「DX」12冊目。ビジネスモデルの鍵となるリソースとそれを活用した活動のつながりが一目瞭然となる「活動システム」を描くのは試したいところ。
Posted by ブクログ
■ Before(本の選定理由)
自社にも支援に入ってくれているベイカレント。
営業から本を貰ったので読んでみる。
■ 気づき
ホントにDXやりたいの?
会社やりたい(経営課題の解決)のはDI(デジタル・インテグレーション)なのでは?という問いはしっくり来た。またユニクロのバーコード→RFIDタグでのカイゼンなど、具体事例がありとても読みやすかった。
■ Todo
自社の経営課題の解決を勝手に描いてみよう。
Posted by ブクログ
企業戦略、事業戦略、組織戦略とDXの
関係、推進方法を示した本。
DXを進めるに当たり、場当たり的に推進するのではなく全体を俯瞰し合理的に進めることが必要であり、また進める際の手順やポイントがある。
教養として読んでおくのはあり。
Posted by ブクログ
経営戦略からDXを実行するまでの流れを経営理論とともにわかりやすく解説している本です。
単語の定義や、方法の根拠を丁寧に解説してあり、DXについての知識が少ない人でもわかりやすいです。
事業ポートフォリオから効率的に資源を分配する(この本の場合DXを進める)方法、ビジネスモデルから「外さない」DIを選ぶ方法等の手順が細かく書かれています。
経営者の方、銀行員(法人営業)等幅広い方におすすめします。
Posted by ブクログ
ビジネスモデルに応じた
収益ドライバーがあり、そこにこそ、
デジタルのメスをいれる。
変革は、
業務を変えるフェーズ、
ビジネスモデルを変えるフェーズ
をうまく見極める。
Posted by ブクログ
・「成長事業」「基盤事業」「課題事業」「資金事業」「見切り事業」に分類し、それぞれにDX/DIのデジタル変革モードを選択するロジックは明確で分かりやすかった。事業ポートフォリオ戦略とデジタル戦略をリンクさせることでより両者の効果が発揮されるという主張も腑に落ちやすかった。
・第4章では、ビジネスモデルごとにDIコンセプトをカタログ化しているが、ビジネスモデルを13のもモデルに分類している点も面白かった。一方で、プラットフォーム事業やロングテールなど、今回網羅されなかったビジネスモデルについても考え方も気になるところではあった。
・以前までは「デジタルパッチ→DI→DX」と整理されていたデジタル変革の3ステップにおいて、3ステップ目が「DI/DXマネジメント」へと変わっていたことも興味深い。