あらすじ
※単行本版には、大迫傑さんが佐久長聖高校時代につけていた練習日誌に着想を得て作られた「ランニングノート」が付きますが、電子書籍版は、「ランニングノート」の記入用ページをPDFでダウンロードしていただくかたちになります。
東京オリンピックに向けて、大迫傑は日誌を付け始めた。
1月にケニアに行き、当初はオリンピック直前まで標高2400mのイテンで合宿をする予定だった。
それが、ケニアのロックダウンにより、アメリカに帰国を余儀なくされる。
東京オリンピックまでの5カ月間、ノートには揺れる思いが綴られた。
ケニアに行ったのは、様々なノイズから逃れるためだったのに、それがうまくいかない、SNSのストレス、競技以外の悩み……、日誌にはそれらの感情が赤裸々に書き留められている。
本書は、その日誌そのものである。
この日誌がなぜ読み始めたら止まらないほど面白いのか――。作者が陸上選手だからか? オリンピアンだからか? いや、大迫傑だからだ。
この本を読み進めるうちに、大迫傑というカリスマを身近に感じられる一方、尊敬の念は高まる。
稀代のアスリートが一世一代の戦いの前に残した記録として、後世に語り継がれる書になることも間違いない。
8月8日の「決戦」の前に必読の書。
でも、誰にでも「決戦」は訪れるはず。いつ読んでも、自分を勇気づけてくれる1冊である。
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Posted by ブクログ
2021/07/25
大迫傑選手のイテン、ポートランド、フラッグスタッフでのランニング練習の記録や日々思っていることや考えていることが書かれている本と、考案したランニングノートが付属していた。
こうやって、選手がふだんどのように考えて行動しているのかを知るのは、有意義。
(ランニングノートは、午後練習メニューの「午前◯時」のところは、多分「午後◯時」だろうね。第一刷なのでそういうこともある。)
印象に残った言葉。
p.42 の“人には成長できる人間とそうでない(しにくい)人間がいる。…”のところ。
言い訳で終わると、いつも同じところで終わってしまうもんね。進まない。言い訳するので、不満でモヤモヤする感じが残ってしまう。成長できない。という悪循環。
自分が走るようになってから、大迫選手はかっこいいと思うようになった。
元々、マラソンは興味がなかったし、むかしは短距離で、長距離が大の苦手だったので、自分がこんな中年になってから走り出して習慣化するとは思わなかった。
マラソンって興味のない人からだと地味だと思う。自分もそうだった。
たしかに短距離のようなパッと一瞬で終わる華やかさはないかもしれない。
だけど、いったん気付くと、長距離は戦うドラマみたい。しかも、ライバルはいるかもしれないけど、1番戦うのは自分自身。
一瞬で終わらない距離を走る中、戦略があり。
それって日々の練習の積み重ねも同じ。
そういうこと、短距離やってた中学生だった私には全くわからなかったわ。
中学時代の長距離の◯◯ちゃんをよく思い出す。
彼女は走りながらどんなふうにゴールしようと思っていたのか。彼女は勉強の方でも成績が良かったな。
長距離の魅力。歳とって、ものすごーく感慨深く発見した感じ。
だから、結構、40代50代60代で始める人、退職してから始める人も多くて、目標もって頑張る。自分も頑張れば成果が出るって実感できる。ミッドライフクライシスにはもってこいなのかも。
話を戻すと、マラソンは地味。
だから、大迫傑選手のような人の出現は意外だった。
本人はどう思うかわからないけど、私はパッと見た感じで、まずかっこいいと思われたら、そのスポーツ自体が魅力を増すのでは?と思っている。
アイコン的存在がいると、かっこいいスポーツにみえてくる。
スポーツは憧れから入ることも多いと思う。
過去の100mのジョイナー。爪を綺麗にしてロングヘアで颯爽と走る。かっこよかった。
大坂なおみ選手のピンクのドレッドヘアも素敵。
むかしは、スポーツ選手だからスポーツのためのスタイルをしろという風潮。
だけど、時代は変わってきて、かっこいい、憧れの存在はスポーツには必要だと思う。
マラソンは、速い人がいても、大迫選手のようなタイプはいなかったと思う。
そういう人がいろいろ発信するのはとても影響力がある。
マラソン生活の後のことも考えられていて、ぜひ成功してほしいなと思う。
まずは、東京オリンピックマラソン、どんな展開になるのかな?
そのそれぞれの戦い方を観るのが楽しみ!