【感想・ネタバレ】どくとるマンボウ医局記 新版のレビュー

あらすじ

『どくとるマンボウ航海記』前夜。慶應病院神経科に勤める若きマンボウ氏は、愛すべき患者たちとふれあい、変人ぞろいの同僚と安酒をあおりつつ、人間の本質に思いをはせる――。ユーモラスな筆致のうちに、作家・北杜夫の鋭い観察眼と深い内省が窺えるエッセイ。新たに武田泰淳との対談「文学と狂気」を増補。〈解説〉なだいなだ



目次



第1章 大遅刻と教授からしておかしいこと

第2章 医局員のほとんどが変っていること

第3章 フレッシュマンの生活とイカモノ食いのこと

第4章 朝寝坊の万年おじさんのこと

第5章 宇宙精神医学研究室のこと

第6章 精神科医一刀斎のこと

第7章 医局長の子分役のこと

第8章 留学を思いたつこと

第9章 山梨県の病院へ売りとばされたこと

第10章 助人ついに来たる

第11章 愉しい日々と悲惨な夜

第12章 東京へ帰ったことと航海のこと



あとがき



解説 なだ いなだ

対談 文学と狂気 武田泰淳・北杜夫

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Posted by ブクログ

ネタバレ

私は大鬱になって呼吸をするのも苦しい状態も体験した。自律神経の失調も起こし、下痢をしたり便秘をしたり、或いは急に暑くなったり逆に寒けを覚えた時もあった。しかし、どんな鬱でも時期がくれば必ず治ると確信してじっとしている。これを私は虫の冬眠と称している。これだけは世間の人は私を見習っていただきたい。なにしろ精神科医にして、同時に患者でもあるこの私が言うことなのだから。

鬱になった人間に、これほどに説得力があり心に響く言葉は他にないだろうと思う。
この先また鬱になることもあるだろうけど、この言葉を思い出したい。

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2021年09月29日

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