あらすじ
都内の小さな公園で死体が発見された。警察は殺人事件と判断し、特別捜査本部を設置。捜査一課の音喜多弦は、音楽隊志望という少し変わった所轄署の刑事・鳴海桜子と捜査を開始した。遺留品にクラシックコンサートのチケットがあったことから、関係者を訪れる二人だが……。時を超えた愛憎と狂気が渦巻く、慟哭の傑作ミステリ。 文庫書き下ろし
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Posted by ブクログ
面白かった~
一気読みしました。
まさに時を超えた愛憎と狂気が渦巻く慟哭のミステリー。
都内の公園で死体が発見、
2019年の現代と1984年の昔の話が交互に展開され、徐々に現代に近づいてきて 点と点が結ばれていく感じがとても読みやすく面白かった。
昔の話の舞台も長崎島原で、1984年というのも自分の生まれた年代だったので個人的に入り込んでしまった。
犯人の親からの愛を受けられずに、虐待により聴力を失い、思いを寄せる女性への叶わぬ恋心 愛する人のための復讐劇。 犯人に感情移入してしまい切なくなる場面もあった。
Posted by ブクログ
捜査一課の音喜多と音楽隊志望の所轄刑事・鳴海とペアを組んで捜査する事に。鳴海の風変わりな言動に戸惑いつつも、徐々に鳴海の刑事としての才能に気づき…
容疑者の生い立ち、そして愛した人への執着が異様で怖かったです。
小学生の頃助けられた恩を感じて殺人の手助けをした弥生も、中村に対して愛情を感じた訳ではなく同情だったのも何だか切ない。あの状況で唯一の救いだったんだろうけど、執着された弥生もある意味被害者だったのかもしれないですね。
過去と現在が交差して、徐々に事件の背景が繋がった時、何とも言えない気持ちでした。
音喜多と鳴海は良いペアになりそうで、続編希望です。
Posted by ブクログ
引き続き6月の合同サイン会のサイン本。
比較的ボリュームはあったがスイスイ読めた。
高級住宅地の公園で発見された男の他殺体。物語はこの男の身元を探ることが中心となって進んでいく。捜査を担当するのは捜一の刑事音喜多と音楽隊採用なのに何故か所轄の刑事課に配属になっている鳴海桜子。鳴海は今でも音楽隊への配属替えを希望しており刑事課は腰掛けのつもりでいるが,人間観察力の高さから職質のスペシャリストと見られている。
話は二人の捜査と,事件の中心人物の過去の出来事を描く場面とが交互になって進められる。過去の話は,現在の事件の言わばネタバレになりかねないのではあるが,絶妙な書きぶりで最後まで明確には繋がらないのでちゃんとミステリーとして楽しめる。
大変面白かった。
Posted by ブクログ
読み始めたときは、佐藤青南じゃなくて中山七里みたいだと思いました。単に私がベートーヴェンから連想しただけだと思うのですけれど(笑)。途中までは先が気になってたまらないほど面白い。
クラシックとはおよそ縁がなさそうな風体の中年男が殺され、やがてその男が来場していたコンサートの指揮者に疑いがかかる。2019年と1980年代、1990年代を交互に話は進み、指揮者の過去が明らかになってゆきます。
捜査に当たることになったベテラン刑事・音喜多とまだ若い女性刑事・鳴海。鳴海は絶対音感の持ち主で、音楽隊の採用なのになぜか刑事課に配属されている。
鳴海のキャラは憎めなくて好きだし、音楽にまつわる話も楽しい。このコンビで続編もできそうですが、如何せん、犯人の思考回路がキモすぎる。「慟哭の」というからには、やるせなさとせつなさ満載であってほしかったのに、これではひとりよがりの勘違い男。
ディスレクシアと相貌失認については理解ある社会を望みます。