【感想・ネタバレ】太陽と毒ぐものレビュー

あらすじ

「角田光代の隠れた傑作」といわれる、
不完全な恋人たちの、キュートでちょっと毒のある11のラブストーリー。


リョウちゃんは、あたしのたいせつな恋人は、
あたしの前で口を開いた洞窟なのだ。
そうしてあたしは未だその入り口で立ちすくみ、
その一番奥に何があるのか見極めるための
一歩を踏み出せないでいる。
──「お買いもの」より

ハッピーエンドから始まる恋人たちの幸せな日常。
どこにでもいるようで、でもちょっとクセのある11組の恋人たち。
買い物依存症、風呂嫌い、万引き常習犯、迷信好き……。
この恋愛短篇集は、極端な恋人たちを描きながらも、
いつしか、読む者の心の奥に眠らせていた記憶を呼び覚ます。
文句なしの面白さと怖さに震える、長年偏愛されてきた傑作です。

「だが、だからこそ、物語が進むにつれて、そのおかしさが物悲しさへと変わっていく。
どうして、この人は、このままで許してもらえないのだろう。
どうして、最初は許されていたものが、許されなくなってしまうんだろう。(中略)
相手の中の「どうしても許せない部分」が、自分の過去、コンプレックス、傷、そしてそれらに飲み込まれずに生き続けるためにまとってきたたくさんの鎧と関係していることに気づいていくのだ。
作中で「裸んぼで暮らせたら問題なかったんだろうな」という言葉が出てくるが、この物語たちは、裸んぼではいられない、過去を、痛みを、コンプレックスを、すがるものを切り離せずに着膨れながら生きていくしかない人間のかなしみを見つめた作品なのだ」(解説より 芦沢央)

※この電子書籍は2007年6月に文藝春秋より刊行された文庫の新装版を底本としています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

30代、大人のカップルの大きなすれ違いを描く短編集。こんな大きな違いを受け入れてやっていける人たちもいれば、すでに崩壊してしまっている関係もあり、長続きの秘訣は何なのだろうと考えさせられた。

気に入った短編を記す。

「57577」
これが一番気に入った。なかなか言えないことを、頭の中で57577の短歌にしてしまう男。指折り数える文字数を気にしながら読んでいると、文の全てが57577に見えてくるから面白い。

その他も気に入ったが、食の趣味、旅先での金銭感覚の違いなど、起こり得そうなすれ違いが描かれていて、少し怖かった。

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2025年12月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全て恋愛の話だが、どれもハッピーエンドともバッドエンドともとれない終わり方でモヤモヤした。
価値観の違いやお互いにこれは譲れないというところで衝突するカップルの話が多かったように感じる。
特にスリランカに旅行に行ったカップルの話は悲惨だった。私もスリランカという日本と何もかもが違う国に行くのならぼったくられても仕方ないと思うし、千円ちょっと払って快適に移動したいし、人でもみくちゃの電車に3時間も立っていられない。女性側の気持ちが痛いほどわかるから、キツイだろうなと思った。

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2024年12月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

お風呂に何日もはいらない女性、盗み癖がある女性、異常なほど物を買い込む男性、あらゆる迷信を信じて実行を強要する女性、スナック菓子を主食とする女性、半端なくお酒を飲む女性、言っていいことか否か判断できずなんでも(噂話し的な)言ってしまう女性、
いろんな性癖を持った男女の短編小説。
これが、めっぽう面白かった。
そんな奴、おるんかいな(特にお風呂に入らないレベルがまるでホームレス並み)と思うけど、著者の手にかかればいかにもいそうなのよ。
それぞれの性癖を相方の彼、彼女らは付き合い始めは美点にさえ見えているのよ、それ意外の相性は一緒に暮らすほどいいんだもの。
でも、それがだんだんもやもやしてきて、許容できなくなる日が訪れる、そのこちら側の哀しみが読んでいてぐっとくる。
角田光代はやっぱりすごいな。

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2021年12月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ひとの恋愛のいざこざを盗み見る感じ。
しかも外側からではなく内側から。
個人的に共感はなかったけど、
こんな風に悩んでる同世代がいるかもと思うと少し安心する。
完全な野次馬として楽しんだ。
このあとも続く人たちもいれば、そうじゃない人たちもいるんだろうという
投げられたままの最後が良い。

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2021年07月26日

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