【感想・ネタバレ】宝島(下)のレビュー

あらすじ

英雄が消えた夜。彼が手にしていたという「予定にない戦果」とは何か。故郷と基地。沖縄(ウチナー)とアメリカ。現在と過去。こちら側とあちら側。境界線を越え、闘い、本土復帰に向けた大きな流れに翻弄されながら生き抜こうともがく三人がようやくたどり着いた、英雄が命を懸けた「秘密」とは。
第160回直木賞、第9回山田風太郎賞、第5回沖縄書店大賞、三冠を達成した必読の書!

圧倒的傑作。
警官となり、教師となり、テロリストとなった幼馴染たちに、
英雄が命を懸けた「秘密」が明かされる――

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Posted by ブクログ

ネタバレ

戦後の沖縄の歴史は、あまり知らずに読んだがこんなにも悲惨な歴史があったのかと衝撃を受けた。私自身26歳で、沖縄返還は沖縄にとって記念すべき日だと思っていたが本作品ではそれが空虚のものとして扱われていた。本土の人たちは戦後だと思っていたが沖縄の人にとって戦争は終わっていなかったのである。
歴史認識は人によって様々であろうが、沖縄の歴史を学ぶきっけになる良い作品だと思う。
しかし、星5から1減らした理由としてはレイの最後である。テロの動機は理解できるし共感する部分もあった。だが、アメリカの米軍基地に侵入しテロ行為をしようとしたにも関わらず特に罰せられないというのはいくら小説の世界とはいえ違和感を感じた。

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2025年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

※映画の感想含みます。

まず小説。
全てが繋がった時、もっともっと何かが変わっていたら…と心が苦しくなった…。
ウタ…オンちゃん…
でもレイやグスク、ヤマコそれぞれがオンちゃんのために、沖縄のために、自分の信念のために貫く姿は上巻・下巻合わせてどれも読み応えがあった。
自分は30半ばになるが沖縄に行く機会が今まで無く、沖縄や沖縄で起きた事について正直あまり知らない。これを機に沖縄に行っていろんな場所を巡りたいし、他にも沖縄についての著書や文献を読んでみようと思った。



映画を観て…
国宝は原作も映画も素晴らしくどちらも良さがあり素晴らしかったし、宝島の製作費が国宝の2倍、加えて俳優の方が有名な方ばかりなので期待しすぎたかもしれない。肝心のウタが3人とあまり関わる場面が無く、映画だけ見てたらウタやオンちゃんに感情移入できたか怪しい…
そして3人のそれぞれのエピソード、特にレイがどれだけ頑張ったのかもっと描いて欲しかった。あれじゃあただのやさぐれたヤツにしか観えないような…。
ヤマコが広瀬すずさんと知った時はイメージが合わないと思ったけど映画はそれなり良かった。ただ、小説のヤマコさは無い。

俳優さんの演技はお見事!でもストーリーがなあ…
と言う感想です。



(小説を読んでたから伝わる部分が多かったので映画だけだと私のレベルではわからなかったかもしれない。。。)

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2025年09月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

個人評価は星3.5。四捨五入して星4。
上巻の混沌とし続けた流れから、一つの結末に向けて流れに変わっていきストーリー自体楽しめた。
オンちゃんについては、いきなり出てきても興醒めしちゃうだろうし、出てこなかったそれはそれで、拍子抜けしちゃうという、難しい状況だと思ってたから、結果いい落とし所というか、それなりに納得できる結末だと思う。

主人公達とそれを、取り巻く複雑な人間関係が平行線のままな部分はリアリティあるけど、バトル(?)パートは割と、まあ、まあという印象。それはそれでいいけれど。
後は、けっこう感情的なシーンのセリフに沖縄弁(?)が入って、意味はなんとなく分かるけど、細かいニュアンスまでは入ってこない部分が、作品ではなく、個人として残念に思ったなぁ。

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2025年06月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

超大作でした。
内容は面白くて最後どうなるのか気になったけれども、とにかく長くて、中々読み進められなかった。

最後消えたヒーローが戻ってくることを期待したけど、思い通りの結末にはならなかった。でもスッキリ。なるほどな、そこで繋がるのかと思う展開だった。
沖縄の基地問題について色濃く描かれており、心が痛んだ場面も多かった。実際の関係者は感情移入しちゃうんじゃないかな。

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2024年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「宝島 HERO’s ISLAND」。
文庫で上下巻。
コザが舞台の中心になる小説を読むのは、池澤夏樹「カデナ」に続いて2冊目。
時代的にも近いので、互いの理解が進んだ。
20年のスパンの物語なので、人も変われば時代も変わる。
Bob Dylan「Blowin' in the Wind」……。
本格ミステリとは違うが、いわゆる謎の引っ張りと、その真実が明かされる構成も、いい。
が、もっともいいと思ったのは、地の文の語り手が、土地の語り部、というところ。
口調はのんきだが、厳しい現実を見聞きしてきたことがわかる、ゆんたく。
語り部が、いわばカメラを当てるように視点人物(主に3人)に憑依して、語るのだ。
うがひゃあ! あきさみよう! たっぴらかすよ! かしまさんど! とか、言葉がいちいち上等ですね。

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2023年11月14日

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