あらすじ
この本は、一般的なビジネスパーソンのための「クリエイティブ入門書」です。
著者は、セールスマンとしてキャリアを積んだのち、34歳からクリエイティブの世界に転じ、国際的なクリエイティブディレクターとして活動するようになりました。著者自身の試行錯誤の体験から、一般的なビジネスパーソンとクリエイターの間にある「断絶」の正体を解き明かし、より多くの人がクリエイティブな発想を持って働けるようになることを目的としています。クリエイティブ初学者はもちろん、広告やクリエイティブ以外の職種の方、「自分はクリエイティブでない」と思っている方にもおすすめです。
目次
第一章 感情に訴えろ
ハリウッド映画とプレゼンテーション
正しいという罠、理解という宗教
ペテン師、社会心理学、行動経済学
「広告」と「ディープラーニング」
人間は感情でしか動かない
直感の正体
第二章 「好き」というプログラム
優れたクリエイティブとは何か
「好き」「嫌い」の正体
「好き」とは、「共感」し「連帯」すること
すべては、個人的な「好き」から始まる
「好き」の功罪
「好き」には「市場的なランク」がある
「市場ランク」の上げ方
第三章 クリエイティブ必勝法
あらゆるアートは、ファンアートである
オリジナルという幻想
創造の3ステップ
1. 好きになる
2. 好きを盗む
3. 好きを返す
「未来の好き」を発見する
第四章 「好き」が世界を動かす
広告と販促は違う
ブランディングとは、愛されること
広告は「好告」
人材獲得とブランディング
ブランディング 3つのコツ
1「.ちょっといい未来」を語れ
2. 個人的に語れ
3. 地声で語れ
「好き」が世界を変えていく
付録:ものづくりを成功に導く7つの原理
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
ビジネス書と一括りにしてよいのか、ちょっと迷いますがもしそうだという前提でレビューするならば、ビジネス書としては出色の出来といえるでしょう。ビジネス書にありがちな、
・結局どうすればよいのか、わかったようなわからないような
・個人のスキルとして理解・実践できるが、組織で実践し成果獲得につなげるのは困難
(構成員に等しく理解させる必要があるため)
という内容とは一線を画す出来栄え。またクリエイティブ系著者の作品にありがちな、その人にしかわからない視点や再現性のないロジックを説明しておわり、というものでもない一冊。まさにタイトル通りあまねく「ビジネスパーソン」に向けた一冊といってよいと思います。
そして本書の根幹を支えるロジックは、
・大脳新皮質と大脳辺縁系、二重の自分、二人羽織
・「好き」とは「共感」し「連帯」すること
・すべては個人的な「好き」からはじまる
・そしてその「好き」にも市場ランクがある
・偉大なブランドは自分のことではなく自分の愛するものを語る
・ちょっといい未来を語れ、個人的に語れ、地声で語れ
※個人的に印象に残った部分の抽出なので賛否両論あるかも
といったあたりでしょうか。
本書がターゲットとする一般的なビジネスパーソンが仕事においてクリエイティブな面を発揮する機会はそれほどないかもしれませんが、本書で得られる知見は単なるクリエイティビティに関するものではなく、どんな仕事でも発生しうる自分の周囲の人たちに対する働きかけ、すなわちコミュニケーションをいかにおこなうか、とりわけ相手を説得する、自分の意見を表明するなど、ビジネスパーソンにとっては極めて重要なシーンにおいて有用であろうと考えられるメソッドではないかと思います。
通常であれば理詰め、本作の言い方を援用すれば大脳新皮質に訴えかける進め方・話し方をしてしまうところですが、この本を読めば、大脳辺縁系への語りかけが有効であると気づきます。またそのためには数字や理由の説明は後回し、自分の「好き」、仕事の局面においてはそこにかける自分の熱い思いや”ちょっといい未来”をちりばめることが大切なこととと理解できます。
なんだか明日からの仕事がこれまでよりちょっぴりおもしろくなりそうな予感がする、そんな読後感を与えてくれる一冊でした。
Posted by ブクログ
自分は広告業界の人間ではないですが、広告業界で生きる人間が近くにいることが多く、寝食を疎かにするほどのめり込む彼らの思考をあまり理解出来ないでいたのですが、この本を読むことでその行動の原理みたいなものを理解することが出来た気がします。
広告は販促は違う、広告は好告である。
人間は感情でしか動かない。感情は言語能力を持たない脳の部位で生み出されており、論理的に説明ができない。
人間は好きと言う感情を通じ、共感し連帯するように出来ている。
どんなに優れたクリエイティブでも、それらのすべては個人的な好きから始まっている。
後から文章だけ抜き出して読み返してみると、一見「いやいや、そんなことはないだろう」と思うような内容だが、最初から最後までこの本を読んだ後だと、「実際、その通りかもしれない」と深い納得感を得られるような、とてもわかりやすい説明が丁寧に成されている本である。
端的なワードを使いつつ、その言葉の真意を伝えるための説明を省いていないので、きちんと読者がついていけるようになっている。
ただ一つ気になったのは、各所に使われているワード、特に横文字の単語について、パッと理解できるものではないものが散見されており、ちまちまスマホで意味を調べながら読んだことくらいだ。(サスティナブル、とか…)
特にクリエイティブに関わったことがない人間には聞き慣れないワードも多かったので、個人的にはスマホを横に置いて読むことをお勧めする
Posted by ブクログ
「名著でしょ、この本は」
by私の大脳辺緑系
論理的な思考も大事だけど、
「好き」の意思決定はそれだけで決めたらアカンのよ と。
読後にタイトルをみると、"ビジネスパーソンのための"というのが何とも皮肉的にも見えますね。
全ビジネスマン(クリエイティブに関係あろうとなかろうと)へ、超おすすめです。
Posted by ブクログ
企画を出す際に、カスタマージャーニーや市場調査など数字やデータをたくさん集めるが、知りすぎると創造性を発揮できるエリアは少なくなるという。たしかに職務で企画に携わる中でこのやり方だと、ビックアイデアは生まれにくいと感じている。
そして、よいクリエイティブに、根拠や理論はないらしい。提案を通す為に、根拠は後付けしているんだとか。ヒット作を何度も生み出している人が言うのなら、説得力があるのかも。
その根拠として、大脳辺縁系の話が登場する。人間の判断は大脳辺縁系が行っているらしい。
その大脳辺縁系は自分の意識が理解できない領域だという。直感は大脳辺縁系が発している。
そうなると、いいクリエイティブに根拠も理論もないというのは納得できると思った。
ただ、直感は過去の様々な体験を踏まえて判断しているため、直感が生んだクリエイティビティには説得力はあるよなと思う。
シンプルにブランディングとは「好きになってもらうこと」「尊敬されること」だという1番大枠の考え方から外れなければ、何をしてもいいんだと心が自由になった。