【感想・ネタバレ】経営学習論 増補新装版のレビュー

あらすじ

これまでの経営学習論の研究成果を紹介・総括し,さらには独自の実証的な調査データを駆使して,組織経営における有効な人材能力形成施策を展望する定番書が,書き下ろしの新章「リーダーシップ開発」を加えて装いも新たにリニューアル刊行.

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Posted by ブクログ

分厚い本ですが意外とスラスラ読めました。現場マネージャーなどのコメントも掲載されており、読みやすい本でした。

本書では企業や組織における学習は、単に知識を得るだけでなく、個人の行動変容や組織内の関係性変化を通じて組織全体の成長につながるものであり、その多様な学習プロセスを科学的に理解し、戦略的に人材育成を進めことが重要性だと言っています。

本書は、特に1990年代以降の日本企業で人材育成が機能不全に陥った背景
・職場の社会的関係の希薄化
・成果主義の導入による個人主義化
・情報化社会による学習機会の喪失
を明確にしたうえで、これら課題を乗り越えるために、

組織社会化、経験学習、職場学習、組織再社会化、越境学習の5つの理論的視座から、組織や個人の学習を多角的に分析し、組織内外の関係性や環境変化に対応しながら、学習と人材育成を体系的に設計することが不可欠であると説いています。

つまり、学習とは「職場の人間関係や経験、境界を超える活動」など多層的・多面的なプロセスであり、それらを総合的に捉え直すことで、企業は持続的な成長とイノベーションを創出できるというメッセージが本書の核心です。

加えて、職場での支援や内省を促す仕組みが人材の成長に直結することも強調されており、理論と実践を結びつけた実用的な枠組みとして提示されています。

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2025年08月08日

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