【感想・ネタバレ】零の晩夏のレビュー

あらすじ

岩井俊二が描く、生と死の輪郭線。
モデルが例外なく死に至るという“死神”の異名を持つ謎の絵師ナユタ。その作品の裏側にある禁断の世界とは。渾身の美術ミステリー。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

絵というものの存在に関わる画家への考察理解に圧倒された。
画家の正体だけでなく散りばめられた謎、ボーイミーツガール的恋愛模様、正社員になるべく頑張るお仕事小説などたくさんの要素をてんこ盛りにしながら美しい言葉で料理し最後の着地はお見事。
登場する絵の描写力はそこにあるかのようで素晴らしかった。

0
2022年03月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画監督の著作
流石に映像がすごい。
絵も情景も人の心理さえも目の前に流れる

絵を描くってどんなことだろう
絵のモデルってどんなものだろう

死に至る生

いろんな人が交叉して一枚の絵がうまれる

ひきこまれて読みました

≪ 救えない 臨海線を 生と死の ≫

0
2022年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

表紙の写真、若い女性を横から写したものであるが、この写真の意味が本を読んでいる間、けっこう気になっていた。
題名になっている「零」は画家の名前で、「晩夏」はその零が書いた作品の名前である。そして、主人公が、その「零」の「晩夏」を見るところからこの本は始まっている。その作品、すなわち、「晩夏」を示すものが表紙になっていると考えるのが普通だと思うが、本書の最初で紹介されている、零の「晩夏」は、「女子高生と思しき女性が窓辺に佇んでいて、制服のような衣装と紺のジャンパースカートと白のブラウスを着ており、胸元に紺のリボン」というものであり、本書の表紙の写真とは明らかに異なる。そうすると、表紙の写真の意味は何だろうか?小説の中に、横顔を見せる主人公の印象的な場面はなかったはずであるが。
本書を読み終わり、ふと、最初の部分を読み返そうとしたときに、「装画 三重野慶」という文字が目に入った。もしかしたら、と思い、ネットで調べてみると、三重野慶は画家、それも、超写実絵画と呼ばれる作品を描く画家であった。そう、表紙の「写真」と思ったものは、実は三重野慶が描いた絵画だったのである。
物語の中で主人公、八千草花音が見た、零という作家の「晩夏」という作品も、主人公は最初、写真であると思うのだが、実際には絵画だったのである。この作品は、物語の最後にも登場し、作品を締めくくる。なかなか簡単にはうまくは伝えられないのであるが、最後は、なるほどと思わせながら感動的な場面をつくるのに成功している。ストーリーから言って、「晩夏」は写実的な、写真と見まがうような作品でなければならず、そういった作品を書いている三重野慶の作品を表紙に持ってきたということであった。
ミステリー仕立ての恋愛小説というか、恋愛小説仕立てのミステリーというか、といった作品。ミステリーとしては少し無理を感じるが、恋愛小説として読むと、なかなか読ませる。

0
2021年12月27日

「小説」ランキング