【感想・ネタバレ】中国のCASE革命 2035年のモビリティ未来図のレビュー

あらすじ

●3つのステップで進む中国のモビリティ革命
中国は、2035年に近代化国家の形成をめざし、電動化シフト、スマートカー戦略、スマート交通とスマートシティの構築の3つのステップで国家戦略を推進しています。
第1ステップ:クルマの電動化(E)をベースとし、コネクティッド技術(C)等を備えたスマートカーを生産・普及
第2ステップ:5Gやデータセンターなどニューインフラの整備により、交通事故の減少と交通渋滞の緩和を実現するスマート交通が普及し、シェアリングサービス(C)、自動運転(A)を含む中国版のMaaSを確立
第3ステージ:スマートモビリティや、スマートグリットなどプラットフォームで都市・町・コミュニティを管理・運営するIoT社会を実現し、中国独自のスマートシティを構築
本書は中国版のCASEやMaaSを軸とし、5Gとニューインフラ、スマートファクトリーとAIの推進など、様々な角度から中国のモビリティ革命を描き、日系企業の対応を議論します。筆者の前著『2030 中国自動車強国への戦略』はアナリストや研究者も得にくい中国自動車産業の現場情報を盛り込むことで高く評価されています。
前著刊行後の読者の多くの質問は「中国ではどのようにCASE革命が進行しているか」であり、本書はその要望に応え、日本企業の抱える課題についても解説します。
日中の自動車メーカー、サプライヤー、電池・材料メーカー等、直近3年間で約300社にのぼる訪問を重ねてきた中国自動車界を知り抜いた著者による情報満載の本です。

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Posted by ブクログ

CASE(Connected/Autonomous/Shared/Electric)の世界的潮流と動向、その中心に君臨する中国の次世代モビリティ覇者への戦略がわかる一冊。網羅的なのに細部まで隈なく述べ尽くす著者の知識量と調査能力に驚かされる。本書を読むと世界の工場として始まった中国が部品・素材・応用技術・基礎研究と触手を伸ばし、国家の大号令で法改正や実証実験を行い、米国と双璧を成すEV超大国に成るべくしてなった様がよく分かる。米国を代表するEVトップのテスラもいまや中国なくしてはビジネスが成り立たない。中国が段階的かつ戦略的に国内を動かし海外でのプレゼンスをあげて四隅を取っていくしたたかさと凄さを感じる。CASEを理解したければこれ一冊でOK、おまけで中国のEV戦略もわかる本だ。

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2022年11月26日

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